『日本プロサッカーリーグ誕生30年　Jリーグの灯をつなぐ男たち』

1993年5月15日。東京、国立競技場でその幕を開けたJリーグ。
長く待ち望まれた日本初のプロサッカーリーグは、初代チェアマン、川淵三郎のこんな言葉で始まった。
「スポーツを愛する多くのファンの皆様に支えられまして、Jリーグは、今日ここに大きな夢の実現に向かってその第一歩を踏み出します。」
今年で30年目。Jリーグの歩みは躍進であり希望、そして同時に試練でもあった。中でも8年前の財政危機と一昨年来のコロナ禍は、Jリーグの灯を消し去りかねない大きな苦難となった。
しかし、Jリーグは力強く立ち上がった。それを可能にしたのは、サッカーとは縁遠い世界から来た一人のリーダー、経営手腕を見込まれ、ビジネス界からJリーグチェアマンに就任した村井満の存在だった。
彼の正確な判断と決断力。それを支える仲間たちの奔走。
そして現場で踏ん張ったクラブの努力と、選手たちの奮闘。それら全てがリーグの灯をつなぎ、スポーツを愛する人々を今も希望で照らしている。
彼らは先人から何を受け継ぎ、いかにして危機を乗り越えたのか？
そしてこれから、どんな未来をつくるのか？
100年先の未来につながる物語を、第5代チェアマン村井満と、ともに戦い続けた関係者たちの証言でつづる。