『The Classic Car～クラシックカーってカッコイイ！～』

今回の主役【イタリア製・FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO(1935年）】
1932年にミラノのショーで発表されたFIAT 508 BALILLAは経済性と優れた性能から、小型大衆車として人気を集めていた。
頑丈で扱いやすく燃費にも優れ、レースでも大活躍した「508」の高性能版として改良され送り出された「508S」は戦前のFIATを代表するスポーツカーとなり、過酷な長距離レース「コッパ・ドーロ・デル・リットリオ」ではクラス１位から４位までを独占し、以降「コッパ・ドーロ」つまり「金のカップ」という愛称が付けられた。
特にブラックダイヤモンドという名のイギリスの海軍航空隊のパイロット、アルバートチェニーバード・ウエストウッドが結成したチームは有名で、3台の「508S」で各地のレースで大活躍し、その名を轟かせた。
世界に現存する3台のブラック・ダイヤモンドのうちの一台がこの車で、歴代のオーナーに当時の写真、ナンバープレートが引継がれている貴重な一台だ。

デジタル満載でコンピューターが制御している移動のための便利な道具である現代の車とは違う、半世紀以上前に職人たちの手仕事で作り上げられた車たち。
歴代のオーナーたちから愛され、次の世代へと受け継がれている【文化遺産】というべきクラシックな名車の魅力を、美しい走行シーンはもちろんブレーキ・クラッチ・エンジンルームなど丁寧に撮影したパーツもたっぷりと鑑賞して頂く。
名車のオーナーや整備に携わるメカニックのインタビューを交えて紹介する「車が主役」の番組である。