NEW＜時代劇名作選＞『盤嶽の一生』

　阿地川盤嶽（役所広司）は天涯孤独の浪人。
友とするのは名刀・日置光平（へきみつひら）だけだ。
そんな盤嶽が、知人の三輪嘉五郎（石倉三郎）を訪ねた。
　三輪が仕官する代官の武富多平太（立川三貴）は、領民のことよりも自分のことを考える男で、
美術工芸品の収集や庭園づくりに熱中している。
領内を流れる川の本流をせき止めて、水を自分の屋敷の庭の池に引き、
風流三昧をしているため、農民が水不足に苦しんでいた。
　三輪は盤嶽に、武富への仕官の話を持ちかける。
仕事は水門の警護。だが、旅の途中で水門の存在に疑問を感じた盤嶽は即答しなかった。
宿に帰ると、ゆき江（鈴木京香）という美しい武家の娘が待っていた。
ゆき江は「横暴な代官に対する村人の我慢は限界を超え、団結して水門を壊すことになった。
ついては力を貸して欲しい」と盤嶽に頼み込む。

　原作は白井喬二。戦前に名匠・山中貞雄監督、大河内伝次郎主演で映画化され、その影響を受けたという市川崑監督が、1話と2話を担当。山中監督シナリオ集をもとに、市川・役所コンビで、のどかさと活劇の激しさが入り混じる時代劇を作り上げた！
　自らの刀を異常に愛してる素浪人である盤嶽が毎回、いろいろな人の嘘に巻き込まれながら悪人を退治していく。（全10話）