新潟県の新津駅は信越本線や磐越西線が乗り入れる鉄道交通の要衝として古くから知られてきた。この新津と秋田を結んでいるのが全長271キロの羽越本線だ。新潟発の特急「いなほ」は白新線経由で新発田駅から羽越本線を行く、日本の代表的な米所を走ることからその名が付けられた「いなほ」。この路線の主役列車だ。荒々しい奇岩が立ち並ぶ日本海を間近に望み山形から秋田への県境一帯では霊峰鳥海山の雄大な風景が車窓に飛び込んでくる。他にも村上で育まれた鮭の伝統漁法や酒田で受け継がれる舞妓の踊り、そして秋田を代表する郷土料理きりたんぽ鍋など、羽越本線はこうした歴史や自然にふれあう数々の魅力にあふれている。