今回は四国の予讃線。
 讃岐の高松と伊予の宇和島を結ぶ全長297キロの予讃線は四国最長の重要幹線です。
 旅のはじまりは先ず坂出の讃岐うどん。昼の1時間だけ一般客用に営業する製麺所で打ち立てたばかりのうどんをいただきます。讃岐富士をながめながら電車特急のいしづちは宇多津に到着。岡山発の特急しおかぜに連結されて一路松山へ。途中、観音寺の海岸近くにある寛永通宝をかたどった巨大な砂絵や、江戸幕府の財政を支えた別子銅山、そして四国の霊峰・石鎚山を訪ねます。  松山では夏目漱石が「マッチ箱のような汽車」と表現した坊っちゃん列車で市内観光へ。松山が生んだ文人・正岡子規の子規堂や漱石ゆかりの地を巡ります。そして、道後温泉の湯舟につかりながら旅の疲れを癒し、郷土料理で舌鼓。
 松山から終点の宇和島は非電化。ディゼルカーに乗り換えて内子へ。内子は江戸から明治にかけて木ろうや和紙の製造で栄えた町。およそ600メートル続く町家は、国の重要文化財。大正時代に建てられた芝居小屋内子座は今も健在です。
 下灘は伊予灘に沈む夕日が美しい駅。青春18切符のポスターにもなりました。列車は予土線と分岐する北宇和島を過ぎると終点の宇和島に到着。隣のホームには、四万十川に沿って窪川へと伸びる予土線の普通列車が、出発を待っていました。