日本の最北の地、稚内へと伸びる宗谷本線。  旭川から稚内260キロを結ぶ普通列車は1日1本。小説「氷点」で知られる三浦文学の舞台、旭川を出発し、キハ40系は北へ北へと向かう。塩狩駅では三浦綾子の記念館を訪ね、彼女をしのぶ。  かつて深名(しんめい)線と名寄(なよろ)本線が分岐していた名寄駅では、豪雪地帯で活躍したSLキマロキ排雪列車の雄姿を見る。音威子府(おといねっぷ)駅では名物のそばを味わい、トナカイの地・幌延、そして最北の湿原・サロベツ原生花園を訪ねる。やがて車窓から木立は消え、素裸で風雪に耐える大地へと変る。そこは最果ての地、稚内。宗谷岬の彼方40キロ先はサハリンだ。