木次線は、中国山地を南北に縦断する宍道から備後落合まで全長89.1kmの路線。  列車は、宍道湖のほとりから、出雲神話に彩られた奥出雲へと分け入り、田畑と山の木々との緑のコントラストが美しい、日本の原風景のような景色の中を駆け抜ける。
 その沿線にも、駅長が手打ちで打ってくれる蕎麦屋がある亀嵩駅、松本清張原作の映画「砂の器」のロケに使われた八川駅、延命水と呼ばれる水が湧く出雲坂根駅など、ぜひ立ち寄ってみたい趣のある駅も多い。また、春から夏にかけて運行されているトロッコ列車「奥出雲おろち号」も観光客の人気を集めている。
 圧巻は、出雲坂根から三井野原まで161mもの高度差を駆け上がるための三段式スイッチバック。30パーミルの勾配を登りきった車窓から眺める国道314号線の「奥出雲おろちループ」などの展望も素晴らしい。
 神話、歴史、そして雄大な自然…様々に楽しませてくれる木次線の魅力を紹介する。