第33回「雪景色を楽しむ北信州の極上温泉」

 東京から電車でおよそ2時間半、志賀高原や湯田中渋温泉郷が位置する長野県の北東、山ノ内町へ。火山活動の影響で河川流域に温泉地が広がる山ノ内町。冬は日本海からの湿った空気が高山にぶつかるため降雪が多く、雪深い温泉地ならではの景色を堪能できる。

◆湯田中温泉 よろづや
 北信州で屈指の歴史を誇る湯田中温泉は、1350年前の文献に開湯の記録が残るという温泉地である。およそ200年前から続く「よろづや」は、湯田中温泉の歴史を伝える湯宿として名高い。和の伝統と機能美が調和した佇まいは、重厚感が漂う。
 中でも昭和28年に地元の腕利き棟梁の手により完成した内湯「桃山風呂」は安土桃山時代の伽藍建築の粋を集めた大浴場で、国の登録有形文化財に指定されています。そしてもう一つ名物は屋外にある季節を映す日本庭園風の「庭園露天風呂」であり、四季折々の美しい風景の中で「桃山風呂」を眺めながら湯浴みを楽しめる。

◆湯田中温泉 湯本
 「湯田中温泉」発祥の宿とも言われる「湯田中 湯本」は、江戸時代から旅籠屋を営み、多くの文人墨客に愛されてきた小さな宿。特に文化・文政時代に活躍した信州の俳人、小林一茶ゆかりの宿として有名。江戸から帰った一茶を厚くもてなし、一茶は宿に長逗留、その縁で多くの一茶の遺墨を今日まで伝えてきた。その一茶が愛したお湯を堪能しながら入る庭園風呂は格別である。

◆平清露天風呂 清風荘
 家族で運営している古い小さな温泉宿「清風荘」。館内には大きな天然石に囲まれた露天風呂や昭和初期に建てられたレトロな雰囲気の内湯など4つのお風呂がある。特に人気があるのは湯屋建築の伝統的な内湯、アイディア風呂として使われる「平安風呂」。秋口〜翌年の5月まで、信州のシンボルとも呼べるりんごを入れて、さわやかな芳香の寛げるリンゴ風呂を堪能できる。

◆よませ温泉 ホテルセラン
 北志賀高原に位置する「よませ温泉」。「信州百名山」の一つ、標高1352mの高社山(こうしゃさん、たかやしろやま)、別名「高井富士」の南東側山腹にある「よませスキー場」内に掘削して作られた温泉がよませ温泉である。
 「セランホテル」は、高社山のふもとに建ち、スキー場が隣接しているため冬はスノーリゾートとしても人気のホテルだ。最も人気が高い展望露天風呂「遠見乃湯」はロッジ風の建物で、名前の通り遠望がすばらしい露天風呂。眼下に田園地帯が広がり、その向こうには遙か善光寺平と北アルプス連峰を一望。夕暮れ時になると北信五岳に沈む夕陽が美しく、日没後は善光寺平の夜景が広がる。「信州サンセットビューポイント百選」のひとつにも選ばれている。ちなみに、「遠見乃湯」は日帰り温泉施設としても営業しているため、気軽に利用することができる。

 今回もフムフムおじさんこと坂川栄治さん、遠野るんさんに温泉の味わい方を学んでもらう。








絶景温泉

温泉大国ニッポンの絶景温泉を選りすぐり、四季折々で描く。旅のエッセイストとして絶大なる信頼を得る柏井壽が案内役として登場。

絶景百名山

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百名山温泉紀行

深田久弥「日本百名山」を巡自然紀行シリーズ。迫力の映像とともに、山に抱かれた名湯の魅力をあますところなく紹介する。