音楽の都ウィーンでのデビュー、クラシック界最高峰の舞台『ムジークフェライン』で、佐渡裕との夢の共演!

 2015年5月、辻井伸行はついに“音楽家”としては初めてウィーンを訪れた。オーストリアの首都ウィーンは、音楽家にとって特別な街、クラシック音楽が盛んで音楽の都とも呼ばれている。
 辻井は後世の音楽家に影響を与えたベートーヴェン・モーツァルト・シューベルトが眠る中央墓地を訪れ、献花を行い偉大な音楽家たちと心を通わせる。ベートーヴェンが安らぎを求め、足しげく通った公園や彼が遺書を書いたと言われる家にも訪れる。ベートーヴェンが晩年苦悩して暮らしていたその場で静かに、美しくピアノを弾く。

 辻井は、「トーンキュンストラー管弦楽団」と共演するために、クラシック音楽の聖地『ムジークフェライン』へ向かう。ムジークフェラインは『黄金のホール』と呼ばれ、かつてはブラームスなど数々の有名音楽家が演奏をしてきた憧れの舞台。この舞台が、辻󠄀井伸行のウィーン・デビューとなった。
 指揮者は、辻井が幼い頃から固い絆で結ばれている佐渡裕。9月からトーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任が決まり、就任前の定期演奏会の舞台にソリストとして辻井を招いたのだ。2人は、それぞれの特別な想いを胸に音楽を奏でる。「プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番」、音楽に厳しいウィーンの人々の拍手が鳴り止まなかった。それは、本当に奇蹟的であり、心が震えるほどの音楽だったからだ。

 その演奏に心打たれたある男から「是非、私の村に招待したい」と言われた。ウィーンを取り囲むニーダーエースターライヒ州にあるピッテン村の村長だった。日本のテレビが初めて入るピッテン村。小さいながらも音楽を本当に愛する村は、村をあげて辻井を歓迎する。吹奏楽団が出迎え、辻井は村人たちと手をとりダンスを踊る。そして、旅の最後に訪れた美しい教会では、村人たちからの思いがけないサプライズが・・・。感動の奇跡のドキュメンタリーをお届けする。