ベトナムでクラシック音楽を広めようと心血を注ぐ日本人指揮者との再会、そしてベトナム民族楽器合奏によるサプライズには、辻井の目に涙が…。

 辻井伸行が、強い思いを抱く曲とともに異国を訪ね、音楽を通じて人々との交流を深めるBSフジオリジナル企画第3弾。
 トルコ・アンタルヤ音楽祭での「トルコ行進曲」(モーツァルト)、ロシアの巨匠ワレリー・ゲルギエフとの「ピアノ協奏曲第1番」(チャイコフスキー)に続き、今回は東南アジアツアーを行った辻井に密着する。

 台湾では、占いに初挑戦。一番気になるのは「恋愛のこと」と、25歳の若者の素顔も垣間見せる。「好きな人はいるけど…」とはにかむ辻井に、占いはどう出る!? シンガポールではエレファントライドのほか、水と炎のショーを満喫。「色々な映像が見えてきた」と顔をほころばせた。

 辻井がベトナムでどうしても会いたかった相手は、ベトナムを代表するオーケストラ、ベトナム国立交響楽団の音楽監督を務める本名徹次。辻井が10歳でオーケストラ・デビューした時の指揮者であり、「初共演が先生とで本当に良かった」と強く感じられた恩師でもある。2001年から、この地にクラシック音楽を広めようと心血を注いでいる本名。クラシック音楽が根付いていないベトナムだからこそ描ける、音楽を継承することの情熱。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、本名と15年ぶりの共演をはたした辻井は、本名とその音楽に何を感じるのか。

 また、ベトナムで最も歴史のある音楽専門学校、ベトナム国家音楽学院では、ベトナムならではのさまざまな民族音楽にも触れる。震災をきっかけに自身が作曲した「それでも、生きてゆく」を披露する辻井に、そっと音楽で寄り添っていくベトナム民族楽器。その合奏に、生徒たちだけでなく辻井の目にも涙が…。

 ベトナムでのデビューコンサートで辻井が選んだのは、ショパンの楽曲の数々。大国に支配された祖国ポーランドを離れることを余儀なくされたショパンの曲を、ポーランドのように大国に翻弄されてきたベトナムの観客に届けたいという辻井の演奏に、観客は惜しみない拍手を送る。シンガポールのコンサートでは、「こんなに拍手が鳴りやまない事はあまりない」と驚き、大きな笑顔を見せた。台湾、シンガポール、ベトナムと旅を通して感じたことをピアノの音色で届ける辻井の音は、澄みきってそれでいて力強い。

 番組では、オペラハウス、交響楽団の稽古場、音楽学院の教室と、行く先々で人々と触れ合う度に奏でられる音楽もたっぷりとお届けする。