2023年12月20日(水) 16:00~18:00

<名作ドラマ劇場>『塔馬教授の天才推理1 隠岐島の黄金伝説殺人事件』

次回の放送予定

2023年12月20日(水) 16:00~18:00

 塔馬双太郎(佐々木蔵之介)は大学の近世庶民文化史が専門の教授で、浮世絵研究家でもある。大学の同期で出版社の雑誌編集部員・名掛亜里沙(通称リサ)(森口瑤子)や推理小説家の長山作治(ペンネーム・流山朔 通称・チョーサク)(橋本さとし)からはトーマと呼ばれている。
 亜里沙が所属する雑誌LINKで歴史をからめた旅の特集をすることになり、第1弾は塔馬の勧めで後醍醐天皇を取り上げることになった。塔馬は隠岐島の公式ホームページに後醍醐天皇の黄金伝説が紹介されており、長山の小説家としての想像力が役に立つのではと言う。塔馬は4カ月前に青森県黒石市大川原の火祭りに行った時に、殺人事件に遭遇していた。大川原は後醍醐天皇ゆかりの地の1つだ。
 亜里沙は長山と2人でフェリーで隠岐島に向かう。港で隠岐島観光課の松岡直子(西田奈津美)が出迎えてくれた。島の青年団で亜里沙と長山の歓迎会をするという。歓迎会の前に長山が旅館の大浴場に入ると、湯煙がすごい浴場内で謎の男から「後醍醐に深入りするな。殺されるぞ」と脅される。
 長山と亜里沙がスナック「慶」に行くと、直子を含めた青年団の五人がいた。八木沢誠(中林大樹)という男もいて、後醍醐ゆかりの地の1つ、長野県大鹿村から来ていた。長山が「慶」のマスター(柳沢慎吾)に後醍醐天皇の黄金伝説について聞くと、マスターはこわばった表情になり、青年団の面々は押し黙った。長山のさらなる詰問に雄二(与座よしあき)が「うそじゃねえよ。おれは信じているぞ」と言うと、黄金の存在について他の若者も次々に発言する。だが、マスターが「本当は黄金伝説なんてないんですよ」ときっぱりと否定する。
 若者たちの不自然な様子から後醍醐天皇の黄金伝説が本当だと信じた長山と亜里沙は、翌日、後醍醐天皇が1年間暮らしていた黒木御所に行く。すると、ヤクザ風の男が3人現れ、長山と亜里沙は慌てて黒木神社の社の中に隠れる。2人が男たちの話に聞き耳を立てていると「吉野で殺した兵藤という男は後醍醐のお宝を見つけながら、どうしてたった1枚しか持ち出さなかったのか」、「あの兵藤のたどった足取りを探せば、億のお宝にありつける」といった話をしていた。3人の男が立ち去った後、砂地には男たちが誤って落とした硬貨の押し型があり、それを撮影し、パソコンに取り込み、反転させると「乾坤通宝」と書いてあった。
 長山と亜里沙が旅館に戻ると、長山の宿泊している部屋の中が荒らされ、塔馬からもらった後醍醐天皇についての資料が消えていた。亜里沙が携帯をかけると、背後からコール音が聞こえ、塔馬が立っていた。塔馬によると「乾坤通宝」は幻の貨幣だという。塔馬がスナック「慶」に行きたいというので、亜里沙と長山が連れて行く。長山がマスターにヤクザ風の男たちに脅されていたのではないかと問い詰めると、マスターは重い口を開き、隠岐島に眠っている「乾坤通宝」を探しに来た兵藤竜彦という男について語り始めた…。

出演者・スタッフ

<出演者>
佐々木蔵之介 
森口瑤子
橋本さとし 
中林大樹
西田奈津美
柳沢慎吾 
宇梶剛士
ほか
<スタッフ>
原作:高橋克彦 「南朝迷路」(文春文庫)
脚本:扇澤延男
編成企画:濱潤
プロデュース:有賀聡
演出:千葉行利

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