第93回

株式会社 BSフジ番組審議会 議事概要 BSフジ番組審議会事務局

■開催年月日
令和元年7月3日(水) 午前11時より
■開催場所
東京都港区台場2-4-8 ビーエスフジ
■出席者
今井 通子 (委員長/医師・登山家)
小玉美意子 (副委員長/武蔵大学名誉教授)
音 好宏  (上智大学教授)
今野  勉 (テレビマンユニオン非常勤取締役・最高顧問)
林  高広 (ギンザのサヱグサ取締役・未来創造室室長)
三屋 裕子 (㈱サイファ代表取締役)
矢内 廣  (ぴあ㈱ 代表取締役社長)
堀  晃和 (産経新聞 編集局文化部長)
■議題
【審議事項(2K)】
番組審議 『 大人が知らない!! 日本史の新常識3 なぜ変わった?教科書ミステリー』
2019年4月6日(土) 19:00~20:55放送
【審議事項(4K)】
BS4K放送の認知度向上及び機器購入促進に必要な課題とは

■議事概要

BSフジ番組審議会が3日開かれ、『大人が知らない!! 日本史の新常識3 なぜ変わった?教科書ミステリー』について審議した。委員からは見やすく面白い、貴重な映像を取材していたなどの感想が出た一方で、期待していた教科書の新旧比較がなかったなどの指摘もあった。またBS4K放送の普及に必要な課題について、世の中への露出度を高めること、受信端末とコンテンツの両輪が揃うことが必要などの意見が出た。

【大人が知らない!! 日本史の新常識3 なぜ変わった?教科書ミステリー】…委員の発言の概要は以下の通り。

  • 2時間の長さが気にならなかった。MC2人の会話もわかりやすく、日本史の新常識がわかった。取材の努力が伝わってくる映像の数々だった。普段は撮影禁止の国宝の映像が撮れるなど、取材陣が交渉して努力しているのがわかった。
  • なるほどというネタを集めていて、おもしろく見た。歴史の現場を訪問し、各所で食事をする。工夫があって、畏(かしこ)まって見るのではない見方を演出していた。
  • 「なぜ変わった教科書ミステリー」というタイトルを見た時に、これは歴史に限ったことではなく応用できると思った。「常識は覆る」というテーマで考えていったら料理やお金、天候、オリンピックなど、なんでもこのテーマでできる。「なぜ変わった○○ミステリー」としてシリーズ化できるのではないか。
  • 学者の視点から言えば、研究して新しいものが出てきて学界の定説は変わっていくのが当然なので、教科書が改編されるのはスピードの問題でしかなく、今回のものはあまりミステリーとも言えないのではないか。鎖国でも交易していたというのは教科書にも載っている。日本の歴史はどんどん変わっているので断定的な表現はどうかと思う。
  • 構成上、最初「大化の改新」でつかもうとしているのだが、石舞台古墳のそばでMCの女優が「昔見た気がする」と言うのは、(知らないはずがないので)演出過剰か。
  • 全体としてはまた見たくなる見やすい作りで良い。
  • 教科書が変わったということがテーマなので、前の教科書はどうなっているのか、新しい教科書がどう変わっているのかを明確に出してほしかった。
  • 全体として(歴史の)評価の変わる要因をもっとまとめるとよいと思う。その要因とは、新しい資料の発掘、次の世代の意向が前の時代を評価しているということ、誰の視点で言われているのかということ、何を中心として書かれているのかということ、用語法、レッテル貼り、それらで分けて評価の要因をまとめるとすっきりする。取材は面白いのだが、だらだらと次に行くのでかっちりとまとめるとよい。
  • タイトルと異なり、内容に教科書がいっさい出てこない。実際に教科書を比較すればよくわかったはずだ。
  • 聖徳太子は死後につけられた名前なので本当は自分で何と名乗っていたのかは知りたかった。国宝まで見せてもらっているのだから、最後の署名まで映像で押さえてほしかった。鎖国についても、ドイツ人のケンペルが日本について書いたものを日本人が訳した時に「鎖国」としたからそういうイメージになったとあった。それではそもそもケンペルが原文でなんと書いていたのか気になったが、それが示されていなかった。それらの番組として肝心なところを見逃していたのが残念だった。
  • 日本史の苦手な私からすれば、とてもおもしろかった。私たちは、日本史は年号でしか覚えていないとわかった。大河ドラマや時代劇でフォーカスされて、ゆがんだ歴史が入っていると感じた。一所懸命覚えた語呂合わせの年号、背景にこんなことがあったというのは面白い見方だ。
  • タイトルを見て大変期待してしまった。日本人は歴史好きだし、BSのターゲットの視聴者層は歴史に興味がある方だと思う。中身がそれに応えていたかというとどうかと思う。
  • 内容を詰め込み過ぎだ。(後半は)綱吉と光秀だけにしていれば締まったはずだ。少しネタが多くて散漫になっていた。ひとりひとりをもっと深く掘り下げてほしかった。「教科書ミステリー」と言うならきっちり問いかけに答えを出してほしい。見ていてストレスを感じた。
  • まず、聖徳太子は、厩戸皇子(うまやどのおうじ)となったことが最初に紹介され、次に聖徳太子の大きな功績は「十七条の憲法」や「冠位十二階制度」ではなく、「仏教の普及」ということが紹介された。それ自体新しいことではなく、教科書が間違っているわけでもないので、腑に落ちなかった。
  • 大変楽しく拝見させてもらった。MCの女優はすばらしかった。質問された時に本当は知っているのに知らないふりをするのに好感が持てた。彼女の言葉で話が膨らんでいく感じが良かった。有名女優だがリポーターとしてもおすすめだ。

これらの意見に対して事業者側からは以下のような発言があった。

  • 今回はシリーズ3回目。今まではスタジオで収録して放送していた。教科書を比較して検証していた。しかし言葉とフリップだけだと説得力がないので、今回ロケをすることにした。好評だったので今後もロケベースでやっていきたい。
  • 構成に関しても欲張り過ぎたかとは思う。2時間なので箸休みやトリビアも入れさせてもらった。
  • 最終的にどこを見せたいのかという部分、肝心な部分が抜けていたというのはやはりあったかと思う。次回に向けて反省したい。

【BS4K放送の認知度向上及び機器購入促進に必要な課題とは】…委員の発言の概要は以下の通り。

  • 映画「踊る大捜査線」シリーズ・4Kリマスター版の放送を見ていると、あらためて4K画質が映画を見るのに優位に働いていたと確信した。レインボーブリッジの雨のシーンが印象的だった。
  • 4Kをどう普及していくのかは自分では答えは見つかっていない。いいコンテンツだったら再放送してほしい。
  • 露出量の問題ではないか。社会心理学で単純接触モデルというのがある。たくさん露出していると見たくなって好きになる。4Kは露出量がそんなに多くないのではないか。地デジになった時、カラーになった時に比べると、「4K始まります」という露出が少ない。またそこに好意を持ってもらうには、そこにチャレンジさ、新しさ、カッコよさ、面白い人たちがここに集まっているというのが出てこないといけない。トータルとしての4Kをもっといろんな形で打ち出すべきかと思う。
  • 4K・8Kを見始めてそれに慣れてしまうと元に戻れない。そのためにはもう少し宣伝が必要。2K放送の中で4Kの宣伝をすべきだ。
  • なぜテレビにお金を使いたくないのか。魅力があるものだったら使いたいはずだ。魅力とはやはりコンテンツ。美しいもの、細かいものがはっきり見える科学技術。そこに自分がいるかのような臨場感を与えるコンテンツを開発してほしい。
  • 一般の人も業界の人も含め、4Kテレビを買いたい、買おうというモチベーションが低い。アナログからデジタルに変わった時は電波の強弱で違う時代から均一に高精細な映像が見られるようになった。4Kになった時の驚きはそんなにない。やはり4Kでないと、という風になるのには時間がかかるのでは。
  • 4K・8Kはなくても困らない。明日から見られない、となるか、きれいに見たいものがあった時に変わる。それがオリンピックなのかわからないが。映画もわざわざ映画館で見たい映画というのがある。そういうコンテンツがあった時に購買意欲がわく。
  • 以前BSデジタル放送の普及に携わっていたが、新メディアの普及は受信端末と魅力ある豊富なコンテンツの両面がないと難しい。
  • 大画面テレビを普及させるのが早い手かという気がしている。
  • 4KだけをやっているチャンネルがNHKしかなく、そうなると買わなくてもいいと思ってしまうのではないか。民放全体をまとめたらいいのでは。
  • 民間の4Kカメラでテレビでも対応できるのならYouTube的なものを取り入れて、番組にしたらどうかと思う。
  • 花火の4K放送をすごく期待している。4Kでやる場合には、宣伝にお金をかけてほしい。日本人は花火とか滝を好きなので、力を入れて、2K放送で4Kの宣伝をしてほしい。

これらの意見に対して事業者側からは以下のような発言があった。

  • 試行錯誤しながらやっている。放送局とメーカーの両輪でやっていかないといけない。NHKと民放で集まって施策を練っている。9月からBS日テレが4K放送を開始するのでその機会で各新聞社を回る予定だ。
  • 4K放送のヤマを作っていかなければいけない。映画「踊る大捜査線」シリーズの4Kリマスターを作って放送している。4Kの魅力をどう伝えていくか考えている。
  • 65インチの4Kテレビを買った。大きすぎるかとも思ったがそのサイズに慣れてしまう。4Kボタンがあるのでつい押して、見てしまう。自分で体感したことも含めて今後もいろんなことにチャレンジしていきたい。
  • 4K番組は積極的に再放送していきたい。
  • 4Kコンテンツだが、越後三大花火のうち2つは4Kで放送する。また9月にも4Kの特徴を生かした花火の生中継を検討している。そんなことから4Kを盛り上げていきたい。