•  料理人•斎藤元志郎。フランスで4年半の修行を経験し、国内の有名レストランで料理長を務めた後、独立。数多くの料理店もプロデュースをしてきた斎藤が、去年6月、静岡に新たに自分の店を出した。名前は「ポンチ軒」。
     元々フレンチの料理人だったが、現在はその枠にとらわれず、和・洋・中あらゆるジャンルの手法を取り入れ、独自の料理でお客さんを楽しませている。食への探究心が驚くほど強い斎藤。うまいラーメン店があると聞けば、600円のその一杯ために、青森まで新幹線で出かけて行く。
     そんな彼の日常の食卓は、一人。朝昼晩、いつも一人。店の従業員たちが賄いを食べる中、斎藤は外へ食事に出かける。そして、自分の世界に入り、黙々と真剣に食べる。1回1回、真剣に食事に向かうことで、頭の中で次の一皿を生み出す新たな発想が生まれるのだという。
     そんな斎藤が店の定休日に、食に携わる友人3人を招き食卓会を開いた。彼らが持参したとびきりの地元食材を使って斎藤が料理を作り、皆でワイワイ言いながら料理の品評会をしたいというのだ。もちろん、作る料理はすべて初めて。次々と斬新な料理を作り上げる斎藤。仲間たちも率直な意見を言い、時に真剣に、時に冗談で笑い合いながら食事会は進む。それが、来てくれるお客さんの食卓に驚きと笑顔がこぼれる「明日の一皿」となっていく。