•  フランス人のペストリーシェフ、アントニー ステットレー。パリを代表する名店など世界を舞台にしてスキルと感性を磨いてきた彼は、2004年に日本でキャリアをスタートさせた。現在パーク ハイアット 東京でスイーツ、デザート、パンを監修するエグゼクティブ ペストリーシェフを務めている。彼のペストリー作りの大原則、それはシンプルであること。素材本来が持つ風味を引き出すことが重要で、一つのペストリーの中には3つの味しか入れないという。
     彼がお菓子作りに興味を持ったきっかけは、子供の頃、地元のパン屋で経験した1週間のインターン。早朝からパンを焼く仕事を手伝い、その後オーナー夫妻と一緒に、自分たちで焼いたパンで朝食をとっていた。自らの手で作ったものを頂く感動。そしてそれをみんなで分かち合った記憶。そんな想い出のつまった食卓が、ペストリーシェフを目指すきっかけになったという。
     現在、ホテル内全てのスイーツ、デザート、パンを担当し、20名のチームを率いるアントニー。ペストリー作りの仕事はハードで、早朝から夜遅くまで働く日もある。アントニーは、ペストリー作りの指示やチェックなど仕事内容には厳しい反面、スタッフがあまりストレスを感じないようさりげなく声をかけ気を遣う。そんな彼のモットーは、「ワークハード、プレイハード」。
     ある日、仕事の後ペストリーチームを食卓会に連れ出した。よく働いた後は、皆でよく食べよく笑う。明日へのエネルギーを生むと同時に、普段気軽に話せないトップペストリーシェフとの交流はチームのスタッフにとって貴重な機会。そしてそこは、アントニーが思う日本の食卓が生みだす素晴らしさを再確認する場でもあった。