•  横浜・日吉キャンパスにある「慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)」。KMDには世界中から集まった留学生など約200人の学生が在籍、インターネットなどを使った未来の社会や産業のあり方を研究している。教授陣にはメディア政策やインターラクティブ(双方向)の技術などで世界のトップに立つスター研究者が名を連ねている。
     取材陣は真剣な面持ちで授業や研究に取り組む学生たちの姿に驚いた。教授から厳しい指摘がなされ、常に緊張感が漂う。この厳しさの中から生まれてくるものがたくさんあるが、一方でそれだけでは生まれてこないものもある。様々なアイデアや技術が生まれてくるのは、学生たちが楽しみにしている食卓会。企画、開催しているのは、KMDの研究員・石井美穂さん。幼い頃から外国の人々と何度も食事を共にし、「言葉が通じなくても分かり合えるのが食卓」という考えを持っていた。
     KMDの食卓会では、いくつものプロジェクトが集まり、普段接する機会の少ない異なる分野の教授や学生たちが交流する。バックグランドの違う彼らが一緒に食事をする、ただそれだけのことで、フランクでフレンドリーな関係になっていく。教室で見せる表情とは全く違う、はちきれんばかりの笑顔が溢れるのだ。
     気軽に楽しく交流し、そして互いに刺激も受ける。そんな食卓会では様々な疑問も生まれる。それが研究へと進み、今、実現化されようとしている新たな技術もある。食卓から創りだされる「未来」を追う。