•  京都府南丹市胡麻、静かな山里にかやぶき屋根の家が建っている。
     「かやぶき音楽堂」と名付けられたこの場所に暮らすのは、エルンスト・ザイラーさんと和子・ザイラーさんのザイラー夫妻。
     ピアニストである二人は、ピアノデュオとして、この場所を拠点としながら、日本はもとより世界各国に招かれ演奏を続けている。
     彼らは田畑を耕し、作物を育て、音楽を奏でながら生活してきた。そして初夏と秋に、この場所でピアノの連弾コンサートを開いている。毎回、多くのファンが訪れ、250人が収容できる音楽堂はいつも満員。自然の中でピアノの演奏を聴き、この里でとれたお米でつくったおむすびを食べながらが、音楽と自然を満喫する。実は、そのお米、かやぶき音楽堂の近くにある2反半の田んぼで、ザイラー夫妻とその仲間達が作っている。
     毎年5月初め行われる田植えには、異業種の仲間が集う。国籍も様々な100人を越える人たちが、泥まみれになって苗を植える。田植えが終わり、腹ぺこになったところで、みんなで食卓を囲む。ちらしずし、粕汁、有機野菜のサラダ、バーベキュー。毎年、田植えにやってくる人、コンサートの顔なじみ、初めて出会う人。食卓を囲む事で、会話がうまれ、誰もが仲良くなる。まるで昔からの親友であるかのように…。音楽と田植えと食卓、そこには意外な共通点があった。それは人と人が出会い仲良くなること。