•  能登半島の最北端・石川県珠洲市。小さな集落でひとり、雪の中で暮らすアメリカ人女性がいる。渡邊・キャロラインさん。
     彼女の生まれは、アメリカ・ニュージャージー州。陶芸家だった日本人と結婚。夫亡きあと、残された窯を守りながら、奥能登の過酷な自然の中で自らも陶芸家として作品を作り続けている。彼女を支えているのは、今は亡き夫の残した陶芸。そして、ひとり息子(18)。彼はアメリカの大学に進学し、離ればなれの生活を送っている。

     12月中旬。
     珠洲に厳しい冬が訪れる頃、大学の長期休暇を利用して久しぶりに一人息子が故郷に帰ってきた。母親の温かい手料理が歓迎する。
     そして夜。彼の帰郷を聞きつけ、続々とご近所さんや友人たちが集まってきた。夫亡きあと、この地で生きる二人を見守り続けてきた心強い仲間たちだ。久々の再開に、幸せな笑顔が飛び交う。テーブルの上にはキャロラインさんが特別な日に用意する、とっておきのお刺身。
     雪積もる能登半島の山里で見つけた、温かい故郷の食卓をお送りする。