•  豊かな海の幸に恵まれた食材の宝庫・伊勢志摩が今、全国から注目されている。その主役は、地元の旅館や飲食店の女将、主婦達によって結成される平均年齢65歳の“いそぶえ会”。彼女たちが進めているのは「食を通じた町おこし」だ。その意欲的な活動が高く評価され、今年、農林水産省から「食と地域の『絆』づくり」優良事例として表彰された。町で獲れるあわびや伊勢海老、豊富な海産物で作る「てこね寿司」や「おんこ寿司」等の伝統的な料理に加え、志摩にこれまでなかった新しいレシピを次々に生み出している。さらに、それら新たに考案したレシピをすべてインターネットを通じて全国へ公開しているのだ。
     “いそぶえ会”をまとめる伊藤泰子さん(69)は言う。
     「それでもまだ、かつての盛況は取り戻せていないんです」
     次なる課題は、“いそぶえ会”だけでなく、町中で手を取り合って町おこしに取り組む事。

     10月初旬。
     伊勢海老漁が始まった志摩の港に、いそぶえ会は町中の人々を集めた。やって来たのは地元の漁師や子供たち。伊勢海老が芳ばしく香る青空の下、地元の人々が語り合う町おこしへの希望の言葉と笑い声が響く。