•  山形県村山市。ここに、一風変わった農場がある。平均年齢24歳。若い女性9名で運営される、その名も「山形ガールズ農場」。スタッフは皆、オシャレな服装で出勤し、お化粧をして農作業をする。ガールズを率いる社長ももちろん女性。高橋菜穂子さん。「食卓に上る野菜や果物を女性の感性でつくりたい」そんな菜穂子さんの想いから、この農場は始まった。
     彼女は横浜国立大学を卒業後、2009年、故郷である山形にガールズ農場を立ち上げた。山形で代々農業を営む父・克宏さんは、当初彼女の挑戦に猛反対だったという。「農業はそんなに甘いものではない」しかし、菜穂子さんとスタッフたちの真剣さに根負けし、今では誰よりも頼りになる農業の師匠。
     早朝から夕暮れまで畑仕事に汗を流す彼女たちが、大切にする食卓がある。それは、自分たちで育てた野菜や果物を味わう毎日の食卓。そこでは菜穂子さんのお母さんが素材を活かした料理を教える。実はガールズ農場で働くスタッフは、菜穂子さんのアイディアに賛同し全国各地から集まった若い女の子たち。故郷を離れ、一人で暮らしながら皆が農業に夢をかけている。そんな彼女たちにとって、農業を指南してくれる父・克宏さんと、その料理の仕方を教えてくれる母・一枝さんは、本当の両親のような存在なのだ。
     9月初旬。彼女たちは山形ならではの“芋煮会”を開く。招くのは、いつも自分たちを見守ってくれている菜穂子さんの両親。そして、事あるごとに手助けをしてくれる地元の人々。半年間手塩にかけて育てた里芋を、まずはその人たちに味わってもらいたい…。しかし、彼女たちはなぜか緊張の面持ち。実はこの芋煮会は、今年の里芋の出来を確認する重要な行事でもあった。果たして集まった人々の反応は!? 農業ガールズの努力と愛情溢れる食卓を追った。