•  雑誌「Ku:nel」などで活躍、いま注目されている写真家 長野陽一。彼は料理写真家ではない。だから、彼が撮る料理写真は、美味しそうで美しいだけの料理写真ではない。料理はありのままの姿が映し出され、生活の温度が伝わるその場に流れる時間や、料理を作る人々、食べる人たちの日常の暮らしを想像させる魅力がそこにはあり、その場の空気を大切にして一枚一枚切りとっていく。
     美大を卒業後、沖縄や奄美諸島の島々に住む若者たちの撮り下ろした写真集「シマノホホエミ」で写真家としてデビューし、以来日本の島々やそこに住む人たちの写真を撮り続けている。そんな長野にとって食卓とは、一緒にご飯を食べている人たちと共にその時々を生きているということが実感できるとても大切な時間だと言う。
     長野にとっての思い入れのある日常の食卓を、今回は追った。
     シウマイ弁当仲間と好んで電車の中で囲む食卓。そしていつも仕事の現場で終わるとスタッフと囲む食卓。長野は、できるだけ独りで食事をとるのではなく、皆と一緒に囲みたいと常に思っている。一緒に食卓を囲む事は、つながりを確認するための場所でもあり、何かを生み出す原動力となるのだから。長野には一枚の思い出深い写真があるという、宮城県気仙沼で食堂を経営する、斎藤貞子さんのご家族との食卓。
     長野は再び訪ねてみた、久しぶりに一緒に囲む食卓にはどのような景色が描かれているのだろう・・・