•  東京都荒川区に新しいライフスタイルを築き上げている人たちがいる。
     空間と時間の一部を共用することにより、住人同士がつながるコミュニティー。
     「コレクティブハウス・かんかん森」は、0~70歳代まで、多世代の住人が暮らしている。一般的なマンションと同様の設備が揃う独立した住戸の他に、食事会で使われるダイニング、業務用の調理機器が備わったキッチン、50種類もの野菜が育つ菜園テラスなど多くのコモン(共有)スペースがある。住人たちが係りを決め運営管理を行い、普通のマンションにはない、こうした施設を自由に使用できる。

     その中でも、コレクティブハウスの核となっているのが、コモンミール(共同の食事)だ。かんかん森では、週に2~3回開かれている。住人が月に1度、料理当番を努め料理を作り、みんなで食卓を囲む。世代は違えど、同じ空間で同じ食を共にすることにより、自然に笑顔と交流が生まれる。子供が泣くと、他人の子でも関係なしに近くの大人が慰め、笑顔が戻る。誰かが帰ってくれば「おかえり」の挨拶から、世間話が始まる。そんな長屋のような日常がここには残っていた。

     ある日、コレクティブハウス・かんかん森の12周年を祝うため友人や旧住人、入居予定者など60名を超える人々が集った。住人たちは入れ代わり立ち代わりに、キッチンで大忙しだ。おもてなしの思いから作られた、全て手作りの料理が並び、パーティーが始まった。