•  岐阜県の清流、長良川。この川の風物詩になっているのが、鵜を使ってアユ漁を行う鵜飼い。長良川の鵜飼いの歴史は古く、1300年前にまで遡るといわれている。鵜を扱う人は鵜匠と呼ばれ、宮内庁式部職が与えられている。現在、岐阜市の鵜匠は6人。その代表を努めているのが、山下さん76歳。鵜匠として50年間鵜と共に暮らしてきた山下さんは、鵜とのふれあいの中で、自然と人との関わりの大切さを学んだという。
     鵜飼いの舟には、鵜匠の他に3人の船頭が乗船。4人の息を合わせて行われる鵜飼い。その一人、平工さんは最年少船頭。子供の頃から親しんだ、川と共にある暮らしを目指しはじめた。翌朝、平工さんは自分の舟を出し、手投げ網でアユを追う。実は、川漁師もしているのだ。川漁師は、鵜飼い以外の方法で魚を捕る人のこと。鵜飼いの船頭、そして川漁師。どちらもはじめたのは3年前。まだまだ新米漁師。
     平工さんには、川漁師の師匠がいる。それは服部さん。現在、長良川の川漁師は10名ほど。受け継がれてきた川漁師は、絶えようとしていた。そこに現れたのが平工さん。服部さんは、長良川の未来を平工さんに託す。
     平工さんは、師匠 服部さんを招いて食卓会を開くことに。料理はもちろん自分で捕ったアユ。食卓だからこそ聞ける師匠の言葉があった。
     平工さんには、他にも長良川を通じて出会った仲間がいる。それは、長良川の食文化や町並みを通して、人々が繋がる地域づくりを目指すNPO法人オルガンのメンバー。その代表、蒲さんに紹介したい人がいると、案内されたのは料理店。この店の主人には、復活したい伝統料理があった。その料理に必要な魚を捕ってもらいたいというのだ。平工さんには、多くの人の期待が寄せられていた。
     今夜は、NPOの仲間たちと食事会を開く。テーブルに並ぶのは、長良川の恵みアユ尽くし。長良川が繋いでくれた仲間たちと囲む、楽しい食卓。
     そこには、将来の夢や希望が詰まっていた。