•  最近、日本の家庭に伝わる、昔ながらの”母の味”が若い世代の間で注目されているという。昔ながらのお母さんのご飯の基本は、一汁三菜。野菜がいっぱいで脂肪は少なめ。飾り気や派手さはなくとも、消化しやすく、栄養満点で、身体の調子を整えてくれるヘルシーなご飯。そしてなにより、愛情がたっぷり入っている。
     そんな”母の味”を提供してくれるシェアハウスが神奈川県横浜市にある。ご飯を作ってくれるのは、主婦歴40年のベテランお母さん、井野純子さん(61歳)。
    「私みたいな普通のお母さんが作るご飯をみんながこうして食べて、美味しい美味しいって言ってくれる。それが本当に嬉しいんです。」
     そう語る純子さんが作る母の味は、「くつろげて実家に帰ったような気持ちになれる」と住人たちにとても好評だという。仕事に疲れて帰ってきても、お母さんの美味しい手料理が待っている。それが魅力で、職場が多少遠くなっても住み続けている人もいるほどだ。
     5月上旬、この日は純子さんと住人が一緒に母の味に挑戦。純子さんが教えてくれる食材の選び方や調理方法には、日本のお母さんたちが代々受け継いできた素朴で地に足のついた知恵がたくさん詰まっている。何でも手に入り、あまり料理をしなくても暮らせてしまう都会の生活。若い住人たちは、自分たちで作ってみて、今まで何気なく食べていた母の味から、いつも家族の健康を考えて料理をしてきた、お母さんたちの気持ちを知った。そこには、失われつつある昔ながらの母の味が若者に受け継がれていくという、未来につながる食卓があった。