•  東京都国立市に「くにたち はたけんぼ」という農園がある。ここはただの農園ではない。13区画の畑と2頭の馬と羊や鶏が来場者を迎え、さまざまなイベントや食卓会など、毎日盛りだくさんの企画が用意されている。  主催者は小野淳さん、実は元テレビマン。10年前に番組の取材で訪れた農家に触発され、思いきって転職。いまは都市の農業に秘められた可能性を信じて、畑でないとできない独自の試みをしている最中だ。
     今回、「はたけんぼ」で行われる三つの食卓に密着した。
     一つ目は近所の子ども達が作る「畑の恵みのピザ」を囲む食卓。畑で収穫した野菜をそのままピザに乗せ、季節の美味をたっぷりと感じた食卓。
     二つ目は畑で囲む夕食会。近所の人々を畑に招き、どんなレストランにも負けないディナーを作る。この日のメインは、手作りのレンガ釜で焼くチキンのハーブグリル。都市の自然に囲まれみんなで食べる食卓は、これが「本当の贅沢」と感じられる体験。
     三つ目はスタッフで作る、畑の昼食会。年に一度の用水路の清掃をするために朝から集まったスタッフたち。また一年間多くの実りを田畑から頂くための、感謝の清掃だ。
    昼食は青竹で炊いたごはんと、自家製のベーコン。はたけんぼの食卓には、いつでも土への感謝が溢れている。自分を作っているのは、結局食べ物でしかない。楽しく、おいしく頂く機会が増えれば人生は変わると小野さんは信じている。
     いまは街の片隅の小さな農園。でもここでの活動がいつか全国に広がれば、それぞれの「夢の食卓」づくりにつながる。小野さんとスタッフの挑戦は、これからも続いていく。