•  「ロボットが生活にとけ込む時代が必ず来る」そう話すのは、世界が認めるロボットデザイナー・松井龍哉。作品はニューヨーク近代美術館をはじめ、世界各地で展示されてきた。10年前、松井は世にも珍しいロボットベンチャー企業を立ち上げ、新しいビジネスモデルを開拓している。
     「人間の生活と共にあるロボットを作りたい。その為には、人間の基本的な生活を大切にしなければならない」松井がこだわるのは、生活の根本である“食”。彼の職場では毎日、スタッフ手作りのランチを社員全員で囲む。それは、コミュニケーションを重んじる松井の決めた、大切な会社のルールだ。
     そんな松井は今、大きなプロジェクトを目前に控えていた。造形、電気工学、プログラミング、材料工学…様々な分野のエンジニア達とのロボット造り。松井が彼らをまとめ上げるのに用意したもの、それは食卓だった。科学や理論から離れ、ロボットの未来を夢見る少年のような笑顔が、食卓に溢れた———。