•  三重県鳥羽市相差町。伊勢湾と熊野灘がぶつかる風光明媚なこの町は、日本有数の海女の町。中でも注目されているのが、この町で民宿を営みながら親子三代海女として活躍する中川家。
     祖母は海女歴六十年を超える大ベテラン。近年こそ体調と相談しながら漁に出るようになったが、今もその技術は健在。母は十七歳の時に中川家に嫁いできた。それから必死に女将と海女を両立させ、今では祖母が認める腕前となり家族の中心的存在。娘は社会人一年目。企業に就職しながら海女を続けている。まだまだ、実力は二人には敵わないが、海女を途絶えさせたくないという思いは誰よりも強い。
     常に危険と隣り合わせの海女にとって、命の源は食だという。
     今回は親から子へ、そして孫へ、海と生きる海女たちの食卓にお邪魔した。
     ある日、ナマコ漁から帰ってきた母が向かった先は海女小屋。漁の後は仲間と共に、海で冷えた体を焚き火で温めるのが伝統。獲れたての新鮮な海の幸でお腹を満たし、働き者の海女たちにとって唯一、休める至福のひと時だという。
     自然と闘い、その恵みを頂く海女漁はいつも命がけ。そんな海女が獲る海の幸は何よりもありがたい。だからこそ、今日も家族そろって食卓を囲み、美味しい海の恵みを味わえることに感謝して「いただきます」の声が響く。