•  主人公は、梨園で育った女優 波乃久里子。
     父は十七世中村勘三郎、母は六世尾上菊五郎の娘、弟は十八世中村勘三郎と、歌舞伎の名門にうまれた。幼い頃から芝居一筋の生活だった波乃は、常に芝居人と食を囲み、食卓の豊かさを体感してきたそうだ。そこで今回の夢の食卓は、波乃が大切にする二つの食卓に密着する。
     波乃は、15歳から「劇団新派」で舞台に立ち続けている。「新派」とは、明治時代、歌舞伎を旧派として捉え新しい演劇を追求して生まれた劇団。師匠 初代水谷八重子に教わった「芝居人としての志と所作」を、今なお大切にし、次世代へ継ぐことに尽力している。
     波乃が大切にする食卓の一つ目は、劇団員と毎日囲む朝食会。
     新橋演舞場での公演中、舞台が始まる前に、若手の劇団員が波乃さんの楽屋に集り、全員で一緒に食卓を囲む。それは、自然と心を一つにできる距離感や安心感があり、芸の肥となるべく大切な人生観を示す会話に溢れ、皆が笑顔で語り合うものだった。
     二つ目の食卓は、芝居仲間であり親友ともいえる歌舞伎俳優と囲む食卓。
     4年前からのお付き合いで、新派の舞台にも度々出演している二世市川春猿と二世市川月乃助を招き、楽しい雑談が繰り広がる。二人の弟子時代、市川猿之助師匠との緊張の食卓の思い出や、女形を演じる際の秘話など、親密な3人だからこそ赤裸々に語れる話題が新鮮だ。
     素敵な人と食卓を囲むと、活力になるという波乃。
     その活力は、番組をご覧の皆様にもお届けできるはずだ。