•  瀬戸内海に浮かぶ小豆島は食卓を囲むことを大切にしてきた島だ。
     今回は3つの食卓から見えてくる「小豆島スタイル」を紹介する。
     ひとつ目は「池田の太鼓祭り」の食卓。小豆島の池田地区では秋になると町中から太鼓台が出る。その勇壮な風景を「池田の桟敷」と呼ばれる石垣の上で見物するのが習わし。いちばんの楽しみは、桟敷席で食べるお弁当だ。家族や親戚が集まり、手作りの弁当を持ち寄り食べるのだ。「年に一度、家族が集まることが何より幸せ。」どの桟敷席も笑顔で溢れている。祭りの食卓は家族が集まり、きずなを深める場所。小豆島スタイルのひとつだ。
     ふたつ目は中山地区の棚田の中にある食堂「こまめ食堂」。この食堂は休日ともなると観光客が大勢やってくる。お目当ては棚田でとれたお米を使った“おにぎり”。「島に来た人たちが小豆島を好きになって帰ってもらいたい。」と店主の橘さんは言う。美味しくつくるポイントは炊きたてのご飯を熱いうちににぎること。だから、橘さんの手のひらはいつも火傷に近い状態。“おにぎり”には美味しいものを食べてもらいたいという“おもてなし”の心が込められている。おもてなしの精神も小豆島の人たちが大切にしてきたものだ。
     みっつ目の食卓はオリーブを栽培する井上誠耕園が行う収穫祭での食卓。収穫の喜びを知ってもらいたいと11年前にはじまったものだ。オリーブの収穫体験や搾りたてのオリーブオイルを使った料理を味わえるため、毎年参加するリピーターも多い。農園スタッフ総動員でおもてなしをする。スタッフの中には小豆島に惚れ込み、島の外から移住してきたスタッフも多い。彼らの多くは島で暮らしているうちに、いつの間にか小豆島の食文化を愛し、自慢するようになるというから不思議だ。
     3つの食卓からみえてくるもの。それは小豆島の豊かな食文化とおもてなしの心。今日は人と人が食卓でつながる小豆島の魅力をお届けする。