•  冬にビールを楽しむ。
     器にこだわり、日本各地を飛び回る女性と出会った。器の問屋業を営む、日野明子。「職人やモノが生まれる現場が好き」という彼女が大切にするのは、器が生まれる背景にある人や土地の物語。それゆえ、一年中、全国の器作りの現場を訪ね歩く。そんな日野が、この12月に企画しているのが、冬にビールを味わうための、題して「冬のビールグラス」展。
     8月。まず彼女が訪れたのは岡山県備前市。
     土と炎の芸術と呼ばれる備前焼の窯元に、冬用のビールグラス作りを依頼する。
     備前焼の器にビールを注ぐと、地肌の細かな土の粒子が反応してクリーミィな泡を発生させるという。
     一体、どんなビールグラスが完成するのだろうか。
     展覧会を目前に控えた11月下旬。
     東京の会場に、全国から総勢7名の職人が作ったビールグラスが到着。グラスとともにやって来た職人達と、ビールと料理、そして器を味わう日野。そこには、ビールグラスが豊かにする夢の食卓があった。