•  「さて、今日はどんなごちそうを作りましょうか?」
     今回の夢の食卓は、ご高齢者皆で集まって料理を作り、皆で一緒に食べるという教室。しかも、その一連の作業が、認知症予防につながっていると言うから驚きだ。
     舞台は、大分県宇佐市安心院町。会場は、安心院町の中心地にある宇佐市総合健康保険協議会のセンター。あさ9時半には、元気なおじいちゃん、おばあちゃんたちが続々と集まってきた。平均年齢83歳。この日は9名が参加。女性より男性の方が多い。
     実は10年前、福岡大学と安心院町が協力し、65歳以上の希望者に認知症検査をしたところ、認知症の前段階“軽度認知障害”とみられる方が多く見つかった。そこで、この教室が生まれ、もう10年も皆さんでお料理と食卓を続けている。参加者は毎年検査をし、10年前に比べて“回復”を果たした方や、進行を止めている方が殆どだと聞いた。
    一体、なぜ料理なのか。
     その秘密は、料理の過程で得られる“デュアルタスク”と呼ばれる“二つの事を同時にする”作業が自然と楽しみながら行えるから。
     大勢で手分けして料理を作る。それは、“自分の作業をしつつ、人の作業に気を配る”こと。お互いで協力するから食卓が出来上がってゆくのだ。
     予算内での買い出しに始まり、お互いの作業を見つつ調理。進行を見ながら配膳が進んでゆき、全員で話しながら笑顔の食卓を囲む。それはまるで、家族のようなアウンの呼吸で、見事な食卓の達人だった。
     番組ではその一部始終を記録。皆さんの様子には、認知症予防を超えた“大切なもの”が溢れている。それは、家族で、友人同士で、思わずまねてみたくなるものだった。