•  阿波踊りで知られる徳島県徳島市。この町にちょっと変わった賃貸住宅がある。デザイナーズマンションのような、ぱっと目をひくモダンな外観。しかし、建物の中には、まるで昔の長屋のような、住まう人たちがゆるやかにつながり、楽しみを分かち合う暮らしがあった。
     住民が共有して使うリビングやキッチンもあり、「コレクティブハウス」と呼ばれる新しいスタイルの共同住宅。その名も「なじみ」。
     今年7月、住民たちによる恒例行事「七夕まつり」の準備が始まった。アイディアを考える人、笹を切りに行く人、飾り付けをする人、いろいろな役割をになう人が自然に現れるのが「なじみ」の不思議なところ。
     今回は住人であるコピーライターの男性とグラフィックデザイナーを目指す女性が協力して、ポスターやパネルを作り、ユニークな演出を試みる。近所の人たちも参加し、願いをこめた短冊を吊るし、ひときわ華やかな七夕になった。
     「なじみ」には、ルールがない、と語るのは、管理人の林広さん。良い意味での「いい、加減」、お互いを尊重しつつ、自ら動く。そんな大人の関係が「なじみ」の生活スタイルなのだ。
     今年は、流しそうめんに挑戦。住む人たちが心を合わせて作業に取り掛かる。子どもたちも大はしゃぎ。一つ屋根の下集い、食べて飲んで盛り上がる「なじみ」の食卓をお届けする。