•  岩手県雫石町に、宮沢賢治の愛した農場がある。
     それは、火山灰の荒野に一本の木を植えることから始まり、100年以上の歳月をかけて、雄大な森と緑の大地を人の手によって作り上げた「小岩井農場」。
     賢治はこの農場について、こんな詩を残している。

    「すみやかなすみやかな万法流転のなかに
    小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が
    いかにも確かに継起するといふことが
    どんなに新鮮な奇蹟だらう」

     賢治が「新鮮な奇蹟」と評した小岩井農場。ある日、この農場に子供たちがやって来た。
     彼らは、広大な森が育んできた様々な自然を発見し、自生する山菜をとり、森に流れる川でイワナを捕まえる。さらには、そのイワナを自分でさばき、焼き、その森の中で食べる。子供たちは、この体験を通して何を学び、感じていくのだろう…
     自然と人間が関わり合う、キセキの食卓を考える。