•  今、注目を集めている現代美術家、EAT&ART TARO。その作風が、一風変わっている。これまで発表してきた作品は、すべて“食”をテ―マにしたもの。
     従来の外食スタイルを覆した「おごりカフェ」は、客が自分で買った料理が、次の人に渡されていくというお店。見知らぬ人におごる事しか出来ない空間が、新たな交流を生んだ。
     昨年の瀬戸内国際芸術祭では、「島スープ」を制作。瀬戸内海の島に住む人々から話を聞き、その島の文化や歴史をスープで表現。島を訪れた人が、スープを通して住民と触れ合える機会を生み出した。
     「状況作りが美味しい物を食べさせてくれる。楽しく食べる事が美味しさの本質だと思う」料理の味で勝負しない。記憶に残る食体験を作る事が、彼の活動の目的だ。
     今年の春には「おにぎりのための、毎週運動会」を千葉県で開催。競技が脇役となり、おにぎりを美味しく食べる事をメインにした運動会に、全国から参加者が集まった。
     5月下旬。福島県のアートプロジェクトから依頼を受けたTAROさんは、自然豊かな奥会津・三島町へ向かった。地域ならではの食材や、失われつつある伝統料理との出会い。そして、そこに住む人々と囲む食卓の中で、彼の新たな食体験作りが動き始める。