•  神奈川県 相模原市 津久井。東京から車で1時間半の自然豊かな場所。
     ここに暮らす、ある家族のライフスタイルが、今 注目されている。一家の主は、ネイチャークラフト作家・長野修平さん(51歳)。“ネイチャークラフト”とは、自然の素材を使って作るモノのこと。流木で作ったテーブルセットや木の三輪車など、作品は生活道具からインテリアまで幅広い。
     「野山の自然を生活に取り入れることが、ここでの暮らしの醍醐味」、と長野さんは言う。
     妻と2人の娘の4人暮らし。彼が今、一番楽しみにしているのが、家族との散歩の時間だ。木々のトンネルを抜けて、季節の花や野草を摘みながらおしゃべりを楽しむ。さらに、摘んできた野草はお昼ご飯になる。
     旬を味わい、季節の移ろいを身近に感じられる暮らし…。そんな暮らしを束の間でも味わいたいと、長野家にはしょっちゅうお客さんがやって来る。
     春のある日。この日やって来たのは、長野さんが講師を務めるクラフト講座の生徒たち10人。実は長野さん、物作りを楽しむ場として、自宅を開放しているのだ。長野さんちの庭に階段を作ったり、家の台所に棚を作ったりと、それぞれが自由にネイチャークラフトを楽しむ。そして、モノ作りに夢中になった後に待っているのは、長野さんの本格的な手料理。みんなを喜ばせたいと、4日かけて発酵させておいた肉で作ったロースハム。摘んで来た野草を入れたソーセージ。料理一つ一つに歓声が上がる。長野さんの食卓には、里山の自然と、人々の笑顔がいっぱい詰まっていた。