•  暗いバーの片隅で、ゆっくりと傾ける、琥珀色のウイスキー。
     そんなイメージから離れて、今、ウイスキーを身近に楽しむ人が増えているという。
     3月初旬——
     富士山が雪解けを迎える頃。富士の裾野、御殿場に全国各地から人々が集まった。お目当ては、富士の伏流水を使った“ウイスキーの樽開き”。それを青空の下で味わうのだとか。富士山の雪解け水が、50年をかけて地中で濾過され、湧き水として還ってくる御殿場。会場となったのは、その恩恵を受けるウイスキーの蒸留場。その土地の4割以上を占める森の中だ。
     まだ雪の残る森の中、マザーウォーターと呼ばれる富士の伏流水で作ったウイスキーは、どんな味がするのだろう…。そして、そのウイスキー作りに情熱を燃やす職人達の想いとは…。
     さらに、ウイスキーのお供に、富士の恩恵を受けた自慢の伝統料理も。古から、神の台所を意味する御厨(みくりや)と呼ばれてきた御殿場の郷土料理「みくりやそば」に、良質な水で育った御殿場こしひかりと水かけ菜のおにぎり。頬張る人々の顔がほころんだ。
     新しい春の訪れに、富士山の麓で楽しむウイスキーの新たな魅力に迫る。