•  2013年末、東京・原宿で、ユニークな鍋パーティーが開かれた。
     主催したのは、秋山唯さん(27歳)を始めとする「スローフードすぎなみTOKYO」の若手メンバーたち。参加者の多くも同世代の若者だ。彼らには、それぞれ1つ、鍋に入れる食材を持ち寄ってもらうが、スーパーマーケットでの購入はダメという決まり。地域の商店や市場などを利用して、店の人とコミュニケーションを取ることで、食材や地域に少しでも興味を持ってもらおう、と考えたからだ。また、この日は、肉や野菜の生産者たちにも、自慢の食材を持ち寄り参加してもらった。初対面同士の生産者と消費者たち。でも、同じ鍋を囲んで、食材を味わえば、不思議と話の輪が広がり、沢山の笑顔や、新たなつながりが生まれていく。
     後日、秋山さんたちは、鍋会で鰹節を提供してくれた西伊豆の芹沢さんの工場を訪れた。この地域に伝わる鰹節の製造法を学ぶのが目的だ。手間暇を惜しまず、伝統を守り続ける生産者の姿を目の当たりにして、彼女たちは何を感じるのか。また、西伊豆地方でお正月に食べられるという郷土料理、「潮鰹のお茶づけ」も、みんなで頂く。
     “その土地に伝わる、食材や食文化を大切にしよう”というスローフード運動。活動を楽しむ、彼女たちの姿を追った。