•  東京タワーのほど近く、港区三田に建つ築40数年の木造住宅、通称「三田の家」。家とは言っても民家ではなく、かと言って店舗でもない。見知らぬ人同士が食卓を囲んでは語り合い、学び合うことのできる不思議な場だ。
     三田はかつて、慶応義塾大学の学生街として栄えていた。しかし近年、大学と地元との関係は希薄になりつつあると言う。そんな雰囲気を打破しようと、慶應の有志が7年前に立ち上げたのが「三田の家」だ。目指したのは、学生だけでなく、大学の教員や留学生、地域住民など、誰もが気軽に交わりながら、様々な活動を行っていける「教室」と「居酒屋」の中間的な場所。
     古びた小さなキッチンのあるこの家からは、夕方になるといい匂いが立ち上る。訪れた人が共に料理し、一緒に食べることができるのが、この家の大きな魅力だ。実はこの時を楽しみにやってくる人も多いのだという。初めて出会った人同士が一緒に食卓を囲むことで、打ち解け合い、お互い本音で話が出来るようになる。学生は人生の先輩からアドバイスをもらったり、地域の人々は若者と会話を楽しんだり、ここには世代や文化を超えて、本当の交流が繰り広げられてきた。
     今回はこの家に惹かれ、集まってきた人々が囲む“出会いに満ちた食卓”をご覧いただこう。