•  日本人にとって、馴染みの深い日本茶。その淹れ方は種類によって異なり、また、お湯の温度、茶葉を浸す時間、急須の種類などによっても、味や香りが変化する。そんな奥深いお茶の世界を堪能出来るバスツアーが、9月末、大阪で開催された。伊勢の名産、かぶせ茶を味わったり、茶摘み体験や人気の茶器工房の見学も出来る、お茶好きにはたまらない催しだ。
     主催したのは、京都府相楽郡和束町で、お茶農家『京都おぶぶ茶苑』を営む喜多章浩さん(38)と、松本靖治さん(39)。彼らは“お茶を飲むことの素晴らしさ”を広めようと、国内外のお茶農家や茶産地と協力して、お茶文化の普及活動を行っている。
     これまで様々な場所で、人々にお茶を振る舞ってきた松本さんにとって、お茶は“一期一会”。その時飲んでもらったお茶はその時だけ。そこで交わした会話も雰囲気も、そこにしか存在しない。だからこそ、一杯一杯、身が引き締まる思いでお茶を淹れているのだという。
     ここでは、お茶を学びたいと海外からやってくる若者たちも受け入れている。オーストリア出身のパトリックさんは、喜多さんたちのもとで1か月間、お茶作りなどの勉強に励んできた。ある日の夜、インターンシップを終え、帰国する彼のために送別会が開かれた。食卓には、摘み立て茶葉の天ぷら、茶殻の炒め物、茶そばのサラダなど、お茶尽くしの料理が並ぶ。作業を終えた喜多さんや、松本さんも集まり、賑やかな食事会がスタート。別れを惜しみながら、笑顔の絶えない食卓を囲む。
     そして食事会の後、パトリックさんは、喜多さんたちに感謝の想いを込めて、丁寧にお茶を淹れる・・・。