•  「魔女の宅急便」などで知られる児童文学作家、角野栄子(78歳)が30年来、大切にしてきた食卓があるという。それは下関にある、子供の本の専門店で開かれる食卓会。実は角野が「魔女の宅急便」を出版したのが50歳の時で、食卓会はその前から続いている。
     月に一度、角野は鎌倉の自宅から、関門海峡に程近い、その本屋さんに向うのだ。そこでは靴を脱ぐのが決まりで、天然木の床を裸足で歩く子供も多い。立ち読みも座り読みもOK。何時間いてもいいし、本を買わなくてもいい。角野もここで新しい本に出会い、床に座って長い時間、物語に没頭することがある。そしてそののち食卓会は開かれるのだ。
     メンバーはこの小さな本屋さんで40年近く、子供達のためにと、素晴らしい本を探してきた方々。料理はメンバーの手作りだが高級レストランにも負けない、味。全員が本好きの、食いしん坊…。
     笑顔の絶えない食卓会を見ていると、「魔女の宅急便」など角野の作品が生まれてきた理由がわかるような気がする。