•  熊本県山都町菅。急な斜面に広がる棚田の真ん中に、集落があるのが特徴だ。標高400m、人口およそ200人80世帯という小さな村で、全国棚田百選に選ばれているという菅は、知る人ぞ知る米の産地。しかし、交通手段は日に数本のバスのみ。実はここに、年に数えるほどだが、都市部から“わざわざ”人がやってくるのだという。一体何を目的に…。
     観光客に密着すると、菅に古くから伝わる“お接待”という習慣に立ち会う事になった。お茶とお茶うけを出して、縁側でゆっくりとお喋りする“おもてなし”だ。そのお茶請けが見事。すべて手作りというものの、プロ顔負けの絶品の数々だった。しかも、そうした「お接待」は、一軒だけではなかったのだ。また、この里山でとれた素材をお弁当に仕上げるレストランも開かれていた。
     菅の祭りに出される手の込んだ料理。その弁当を、農家でいただくシステムがあるという。料理はもちろん、村のお母さんが集まって腕を振るったものだ。農家で繰り広げられる食卓は、人が集まる賑やかな食卓だった。
     小さな村で出会った数えきれないほどの食卓に寄り添い、この村の魅力をお伝えする。