•  狂言師・茂山千五郎は狂言大蔵流の名跡。江戸時代から400年にわたり京都で活躍してきた。狂言とは室町時代に生まれた古典芸能。見て笑って楽しむものとして親しまれてきた。
     「ちょっと和らいにきませんか?」
     これは茂山狂言会のポスターに書かれたキャッチコピー。茂山家では“笑い”を“和らい”と書く。「和らい」の和は「和楽」の和。和やかにみんなで楽しむということ。茂山家では”和らい”を大切にし、狂言を演じてきた。
     舞台だけではない。食卓にもこの“和らい”が重要なのだという。茂山家の食卓は、いつも大勢で賑やか。親子4世代のほか、お弟子さんも1つの大きな食卓を囲む。分け隔てなく、会話をし、全員が和やかに楽しんでいる。人間国宝、茂山千作さんは言う。
     「狂言と食卓は似ている。食卓も狂言も皆でひとつのものを作りあげるもの。そして楽しむ事ことが重要だ」と…。舞台と同じく、食卓にも和やかな“和らい”がある。
     今回は「狂言」と「食卓」の不思議なつながりをご覧いただこう。