旅する音楽放送日時 BSフジ
番組概要第1回第2回第3回第4回キューバ編ペルー編

 インド北西部に位置するラジャスタンの広大な砂漠に作られた街、ジャイサルメールに住む人々は、放浪の民・ロマと同じルーツを持つとされている。ここにははるか昔から続く独自の音楽がいまだ色濃く残され、オダギリは初めて耳にする音楽に出会う。
 音楽演奏を生業にしている彼らの音楽は、オダギリがこれまでの旅で見てきた祈りに満ちたものとは全く目的の違う、生きるための音楽。そうした音楽を携え、およそ1000年前この地から旅に出た人々の後を追い、オダギリはフランスへ向かう。


 各地を生きていく上で現地の風習や文化と溶け込むため、ロマたちはキリスト教を取り入れる。音楽もその一つの方法であり、以降、ロマが奏でる音楽はヨーロッパで欠かせないものとなった。
 5月末、南フランスに位置する港町、サント・マリー・ド・ラ・メールで行われる、ロマが信仰の対象とする教会での巡礼祭。町中に溢れるジャンルも使う楽器も異なる多彩なバンドの音色は、ヨーロッパ中のロマとロマの音楽が集ったことの表れ。オダギリは、そこに暮らすロマの音楽一家から「ジョー・ジタン」の名をプレゼントされる。気づけば、音楽に巻き込まれ、彼らと一緒に演奏を始めるオダギリ。生きるための音楽が、いつしか祈りの音楽へ。


 旅の次なる目的は、ヨーロッパの王道を歩み続けた音楽、聖歌。西ヨーロッパのカトリック教会で古くから歌われてきたものはグレゴリオ聖歌と呼ばれ、西洋クラシック音楽の基本となっている。
 その初期の形をいまも伝える、リグジェ修道院。グレゴリオ聖歌は全員が同じメロディーを歌う、単旋律(モノフォニー)を特徴とし、歌い方は9世紀から変っていない。現在のような和音に進化していくのは10世紀以降。滅多にカメラが入れないローマ・カトリック教会の大聖堂、パリ・ノートルダムのミサでは、ポリフォニー(多声)のグレゴリオ聖歌の貴重な映像もお届けする。


 ハンガリーを代表する音楽となった、ロマの奏でる音楽。エスニックな雰囲気を醸し出すロマが好んで使う音階はハンガリー音階と呼ばれ、ヨーロッパの本流の音楽、クラシックに影響を与えるまでになった。
 現在人口の大半を占めているマジャールと呼ばれる人種は、騎馬遊牧民としてハンガリーにやってきた。未だ伝統的な遊牧生活を送るマジャール人が数多く住む世界遺産ホルトバージで聞こえてくる音楽も、やはりロマの音楽。ここに生きるグヤーシュ(牛飼い)が仕事終わりに集まる場所でマジャール人の伝統民謡を演奏しているのが、ロマたちなのだ。その圧倒的な音楽と、そこから紡がれるダンスの渦に引き込まれるオダギリ。彼らは、音楽によって、ハンガリーの人々と切っても切り離せない関係を築きあげている。




続いてオダギリが向かったのは、ハンガリーの隣国ルーマニア。
世界最多のロマ人口を抱えるルーマニアでの出会いは、新たな音楽の旅を予感させるものだった…。



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