
温泉大国ニッポンの絶景温泉を選りすぐり、四季折々で描く完全保存版。旅のエッセイストとして絶大なる信頼を得る柏井壽が案内役として登場。
第7回は、日本を代表する一級河川・鬼怒川をはじめ多くの美しい川を有する栃木県から「渓流の極上温泉」をご案内する。注目したのは関東の奥座敷といわれる「鬼怒川・川治温泉」と「那須・塩原温泉」。川治温泉では自然と橋や電車などの人工物が風景画のように眺められるパノラマの渓谷温泉。そして箒川の渓谷に沿って続く塩原温泉ではダイナミックな巨岩の渓流にある露天風呂で川との一体感を味わう。どれも川をいろいろな角度から楽しむことができる絶景温泉である。
◆湯けむりの里 柏屋(栃木県日光市川治温泉)
江戸時代の享保年間、鬼怒川の上流である男鹿川が氾濫した際に発見されたといわれている「川治温泉」。鬼怒川と男鹿川が合流する峡谷に開けた山間、自然豊かで静かな温泉地である。中でも「湯けむりの里 柏屋」は2つの川の合流地点に建ち、温泉に浸かりながら野岩鉄道が渓谷の鉄橋を走る姿を眺められる全国でも珍しいジオラマの風景が自慢。
◆湯守 田中屋(栃木県那須塩原市)
塩原11湯の1つである大網温泉の一軒宿が湯守田中屋。「効き目あらずばお宿代返金す」が今から110年前のうたい文句であった。その当時と変わりなく湧き出でる温泉がここにはある。もっとも人気なのは三百有余段の石段を下りた、箒川沿いに作られた露天風呂。巨岩が迫る渓流の中にある岩風呂は川と一体化できる野趣溢れる絶景温泉である。
◆柏屋旅館(栃木県那須塩原市)
鹿股川渓谷沿いにひっそりと佇む「柏屋旅館」は、明治期から続く温泉場の雰囲気を今も残す秘湯である。塩原11湯でも「塩の湯」と呼ばれ、岩塩ミネラルを多分に含んだ温泉はにごり湯でほんのり塩辛い。そもそもこの一帯が古代、海底だったためといわれている。また渓谷の川に突き出したところに湯船があるため、まるで川の流れが自分に向かってくるような感覚が味わえる温泉である。
◆その他
さらに栃木県で厳選した川沿い絶景温泉を紹介。そして好評「宿主との温泉談義」もお楽しみに。








