第48回「トムラウシ山 秋」

 北海道はもとより、日本百名山の中でもトップクラスの人気を誇るのが、大雪山系(たいせつさんけい)にどっしりとそびえるトムラウシ山、標高2141M。「大雪の奥座敷」ともいわれ、夏は豊富な高山植物でも有名ですが、今回、秋にこの山へ向かう目的は、二つの“日本一”。
 ひとつは、“日本一美しい沢”と称えられるクワウンナイ川をさかのぼること。もうひとつは“日本で一番早い”紅葉に出会うこと。
 まだ9月の初め、北海道山岳ガイドの重鎮・宮下岳夫さんにリードされ向かったトムラウシ山、そこは称賛されてきた通りの絶景が秘められていました。クワウンナイ川の中流部は、ゆるやかな広い川幅いっぱいに水流がほとばしる息をのむ光景が。その清らかな流れはなんと2キロも続き、まさに自然だけが造り得る美しさ。そして沢の最後の一滴を越すと、今度は素晴らしい日本で一番早い紅葉の山肌が出迎えてくれました。
 わずか2日間で、夏から秋へ。映像だから伝わる、見事な自然の造形美をご堪能ください!