第38回「雪の四国② 剣山 冬」

 「南国の温かな海を抜けると、そこは雪国だった…」こんな形容がふさわしく感じる山、それは雪の四国、もうひとつの百名山・徳島県の剣山(1955M)。前回放送の石鎚山に次ぐ、西日本第2位の高峰です。
 岩山の石鎚山とは対照的に、高原のように広く、ゆったりとした尾根を四方に伸ばす山頂。ガイドの松本智広さん(48)曰く、「だからこそ石鎚山を凌ぐ豪快な雪稜が出来あがるのです、空中散歩です」。
 夏ならばリフトを使い誰でも山頂に立てる、百名山の中でも最も容易な山のひとつ。しかし冬の装いをまとった剣山は本来の姿に戻っていました。素晴らしい霧氷の出迎えに始まり、青空と見事に溶け合う、アルプスと見まごう真っ白な尾根、そして黎明と黄昏に染まる瀬戸内と太平洋。
 まさにこの山の、冬でなければ出会えない絶景がそこにありました…。