あらすじ

 強力な軍事力を利用し実権を掌握イ・ソンゲは、高麗32代目禑王や33代目昌王を続けて廃位させ、自らの王の座に即位しようとするが、高麗の忠臣たちの反発は厳しくなる一方だった。反対勢力の中心的人物で、当時学者としても名高いチョン・モンジュを懐柔すべく、イ・ソンゲの五男バンウォンは新たな朝鮮建国への参加を説得するが、チョン・モンジュはこれを拒否、やがてバンウォンの手により殺害される。それから2ヶ月後の1392年7月17日、遂にイ・ソンゲは王位に就き「朝鮮」が建国される。


 王の座に就いた太祖イ・ソンゲは後継者選びに着手するものの、誰にするかを考えあぐねていた。イ・ソンゲには2人の夫人とその息子たち8人がいたのである。イ・ソンゲと朝鮮建国に貢献したイ・ソンゲの右腕で戦略家のチョン・ドジョンは、第2夫人と結託し、その息子で八男バンソクを皇太子に仕立てるが、朝鮮建国で活躍した第1夫人の息子であるバンウォンはこれに憤慨、タイミングを見計らい、やがて乱を起こす。かねてから対立を繰り返してきたチョン・ドジョンを腹違いの弟バンソクを無残に殺害すると、バンウォンは二男バングァを王に立てる。そして、太祖イ・ソンゲは・・・。


 イ・ソンゲを中心として朝鮮史の中でも最も有名なクーデター“威化(ウィファ)島回軍”、それをきっかけにした「朝鮮建国」から“朝鮮王朝最大の骨肉の争い”と言われる「第一次・二次王子の乱」を経て、「ハングル発明」という朝鮮王朝最大の偉業を成し遂げた第4代王「世宗(セジョン)」までの激動の朝鮮王朝創世記を重厚かつ圧倒的スケールで描く。そして、忠実だからこそ、奇想天外な、ドラマティックでエンターテインメント性あふれる物語。