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2018年9月20日(木)
安倍VS石破ついに決着 新政権の陣容と針路は

ゲスト

萩生田光一
自由民主党幹事長代行 衆議院議員
山田惠資
時事通信社解説委員長
中北浩爾
一橋大学大学院社会学研究科教授

安倍総裁『連続3選』 これからの3年と日本の針路
生野キャスター
「事実上、日本の総理大臣を決める自民党総裁選は、今日、投開票が行われ、安倍総理が石破元幹事長破って連続3選を果たしました。そこで、今回の総裁選の結果分析すると共に今後の日本の進路を展望します。まず今日10日投開票が行われました自民党総裁選の開票結果を見ていきましょう。安倍さんは国会議員票329票に加え、党員票224票、合わせて553票を獲得しました。石破さんは国会議員票が73票、党員票が181票、合計で254票ということになりました。萩生田さん、この結果をどう見ていますか?」
萩生田議員
「現職の総理大臣に石破先生が臨んだ総裁選という形の中で、当初から、6年前も地方票は石破先生の方が強かったという前提でやっていましたので、私としては地方票では石破さんがかなり善戦するのだろうなというふうに思っていました。ですから、お獲りになった票というのはこれまでの努力の結果だと思います。国会議員票は、やや…」
松山キャスター
「ちょっと予想外に…」
萩生田議員
「はい、予想をやや超えたところがありましたかね」
松山キャスター
「当初、石破さんの方は、国会議員票、最初は50票前後ぐらいから推移しているのではないかという見方がありましたけれど、最終局面で増えたのか、あるいはもともと潜在的な支持者がいたのか、そのあたりどうみていますか?」
萩生田議員
「これはこれまでいろいろな会合する度に、本人が出席したとか、秘書さんが代理で出たというので瀬踏みをしていろいろ想定をしてきたのですけれど、それよりも石破先生のお獲りになった票の方が多かったというのが、そういう正直な感想ですね」
松山キャスター
「この国会議員の票差と党員票の票差の違い、いわゆる党員の声と国会議員の声にかなりギャップがあるのではないかという見方がありますけれども、その声をどう受け止めていますか?」
萩生田議員
「これは我が党の党員の皆さん、それぞれの判断ですから、私が何か一方的に推測をするのもいかがかなと思うのですけれども。国会議員の大勢は報道などで、安倍さんの3選がかたいという前提で、これは我が党の支援者は非常にバランスをとられる一面がございますので、東京などでも、安倍さんが総理を続けることはいいのだけれども、あまり勝ち過ぎて傲慢になったら困るから、私は石破さんに入れるわと、こういう方も…」
松山キャスター
「ちょっとお灸を据えてあげようみたいな…」
萩生田議員
「…中にはいらっしゃいましたから。そういう動きもあったと思いますし、石破さんがこの間、地方を地道に歩かれて、また、この選挙期間中も愚直に政策を訴え、一生懸命さというのは党員の皆さんにも伝わって、そういう評価もこの表には表れているのではないかなと思います」

総裁選で見えた『自民党の今』
松山キャスター
「中北さんは、今回の投票結果をどう見ていますか?」
中北教授
「態度を表明しておられない中に意外と隠れ石破票があった。潜在的には安倍さんに対して、この一強に対して少しモノを言いたいという方が、それなりにいたということではないのでしょうか」
松山キャスター
「なるほど。あと、わかってはいたのでしょうけれども、党員票の票差と国会議員票の票差にかなりギャップが出てきてしまったと。これは地方からの何らかの自民党に対する声を反映していると感じますか?」
中北教授
「党員票の方は国民の意識をより受けやすいし、かつてに比べれば、系列とか団体の締めつけも効きにくくなっているので、より自由に意思表明をしたと。自民党なりのバランス感覚が働きやすかったし、国会議員の方はどちらかと言うとポストがあるので、勝ち馬効果が効きやすいと思いますけれども。党員の方はそういうことがないので、判官贔屓で弱い方を助けてバランスをとろうと、こういう力が働いたのではないでしょうか」
松山キャスター
「山田さんはどう見ていますか?」
山田氏
「議員票に関しては現在、萩生田さんもおっしゃったように我々記者達も驚いたわけです。オーッとなりました、記者席で。1つは、党員票の空気というものを議員の方も感じとっていらっしゃると。中選挙区制時代は、議員がいて、後援会があってと、つまり、議員の方が何をおっしゃるかということが後援会や党員の方に影響を与えたと思うのですが。現在は、むしろ党員の方の方が国会議員に影響を与える。つまり、下手なことを言うと落選させられてしまうという、そういうことがあるので、非常にそういうことに対しては敏感でいらっしゃる面があるので、それが反映した面が1つと。それから、小泉さんが、党員票にはもう影響するタイミング…、既に締め切られてからおっしゃった」
松山キャスター
「小泉進次郎さんですね?」
山田氏
「小泉進次郎さんです。しかし、国会議員票に関して、これは何人かの、むしろ安倍さんを支持され方がおっしゃっていたのですけれども、小泉さんが最後の最後で支持表明を明らかにされた、石破さんに対して。これは数人の迷っている議員の票を動かしたという見方をする人が、少なくとも私が取材したうえでは2人いらっしゃって。なるほど、そうかな、と私も思います」
松山キャスター
「今回の総裁選の投票結果を見て、石破さんが予想外に善戦したという評価が多いですけれども、この石破さんが主張していたようなことも、ある程度、今後の安倍政権の政策に反映されていく可能性というのはあると思いますか?」
萩生田議員
「これは同じ政党の中での総裁選挙ですから、大きな方向性というのは、変わりないのだと思います。オプションではいろいろな違いが議論の中でありました。安倍総裁が選ばれたのだから、これまでの石破さんの提案や提言には一切耳を貸さないということであっては、総裁選をやった意味がないわけですから。それは、今後、石破ビジョンみたいなものの中で、安倍内閣が受け入れて、そこに上乗せ横出しで幅を出していくことがメニューとしてあるのだったら、そこはおおいに採用したらよろしいのではないかと思います」
生野キャスター
「総裁選は今月7日に告示されましたが、6日に北海道で起きた地震への対応を優先するとして活動が3日間自粛されました。さらに、安倍総理のロシア訪問などもありまして、選挙期間は実質9日間。この間に行われた党主催の演説会は5回と、6年前の3分の1になりました。加えて公開討論会も党主催のものを含め、3回と、駆け足の印象が残る選挙戦となりました」
松山キャスター
「萩生田さん、この日程をめぐっては報道では討論会の数が減ったことが石破さんに不利になっているのではないのかみたいな報道がずっとありましたけれども。ただ、実際にテレビで討論を2人でされている時とか、討論会の様子を見ていると、安倍さんの方がかなり発言の量も多かったし、発信もかなりしていたような気がするのですが、実際のところ、この日程、3日間、短縮になりましたけれども、この日程がどちらの候補に実は有利に働いていたのか、そのあたりはどう見ていますか?」
萩生田議員
「これはまずメディアの皆さんもたぶんわかっていておっしゃっているのだと思いますけれども、そもそも6年前の総裁選と今回の総裁選を比較すること自体、私は分母が違うと思うんですよ。6年前、我々は野党の党首を選ぶ総裁選挙で5人を出ました。しかも、現職がいない中で5人新人が出て、わかりやすく言えば、全員が暇なわけです、野党で。ですから、自民党としては、これまでメディアにも取り扱ってもらえなかった、この時だというのでかなり積極的に売り込みをして、全国キャンペーンをやったのが6年前の総裁選挙で。これと比較して討論会や街頭演説の少ないではないかというのは、これはちょっと違うと思うんです。比較するのなら、小泉さんの2回目の選挙、あるいは小渕さんの2回目の選挙、こういったものと比較すると、実は討論の回数ですとか、街頭演説の回数はそんなに遜色ないですね。ただ、3日間自粛をするというのは、想定外ありましたので、そういう意味では、結果として露出をする機会が3日間減ってしまったことは国民の皆さんにも党員の皆さんにもちょっと残念だったなという気持ちはあるのですが、山田さんは、どうせだったらもっとずらせばよかったではないかと言うのですけれど、これはもう22日から国連もありますし、ロシアの外遊は突然決めたわけでも何でもなくて、もともと入っていて、これは事務方もかなり早い段階で、13日間の選挙期間をどこでとれるかというのは本当に皆、考え抜いた結果がこの日程だったので。これを簡単に何日ずらしゃいいではないかというのは、そういう議論には残念ながらなりませんでしたね。最終的には選挙管理委員会のご判断に委ねるということで、我々はその結果を受け止めただけなのですけれども。そういう意味では、それなりに、党内と言いますか、国民の皆さんにも、議論の機会というのは見ていただいたのではないかと思います」
松山キャスター
「これは、いわゆる圧力をめぐる発言なのですけれども。1つは神戸市の岡田市議が自分のフェイスブックに『官邸の幹部である、とある国会議員から露骨な恫喝・脅迫を私達地方議員が受けている』と書いて、支持候補は安倍氏から石破氏に変える表明をしました。また、これは斎藤農水大臣ですけれども、14日に党員集会で『安倍応援団の1人に、石破さんを応援するのだったら辞表書いてからやれと言われた』と発言して、この発言が、いわゆる圧力的なものではないか、パワハラ的なものではないかということで、物議を醸したわけですけれど。山田さん、最終盤でのこういった発言、これは今回の投票結果にどれぐらいの影響があったと考えますか?」
山田氏
「私は影響がなかったとは思わないですね、あったと思います。やり過ぎということで。確かに選挙戦というのはだいたいヒーターアップするものですから、いろいろなことが起きているとは思うのですけれども、それが表に出たということは、私は安倍さん、ちょっと現在、議員の方はいいけれど、強くなり過ぎるのは困るなと思う党員の方の部分に響いた面があるのかなということがあります。それから、斎藤さんに関しては、閣僚がこの発言をされたというのは、これも異例なのだけれども、安倍さんが自分の陣営に聞いてみたら、そういう人はいなかったとおっしゃっているということは、言い換えると、斎藤さんは嘘を言っているという話になってしまうわけですよね。そうすると直属の部下でもあるわけです、閣僚としては。ですから、もう少し他の言い方もあったのに、というふうに私も思いますけれども。いずれにしても、そうした姿というのは少なくとも、だから、安倍さんに入れようと思う人が少なくとも増えたとは思えないので。これは大きな影響があったかどうかは別ですけれども、この影響が、ある県の県連の数字のことを言っていた国会議員の人と先ほど話をしていたら、自分のところは、どこの県かちょっと申せませんが8:2ぐらいで勝つと思っていたら、だんだん7:3になった。7:3から結果的にもっと接近した、そのもっと接近した部分の中にこの2つの事件というのは結構効いたねという感想を言っている人がいたので。そのような現場感もあるのかなというふうには思いますので。ご質問に関しては、影響がなかったとは絶対言えないと思います」
松山キャスター
「中北さん、自民党の、これまでの総裁選の歴史で、いわゆる権力闘争ですよね、1つの。そういう中ではこういうことも当然あるだろうみたいな意見も中にあると思うのですけれども。今回の発言の影響、これをどう見ていますか?」
中北教授
「あるだろうという点では、あるだろうと思います、これぐらいの話は。ただ、これが安倍さんとってこういう形で締めつけたことが効いたのかと言うと、マイナスで。今回の石破さんの票はほとんど反安倍票だと思うんですね、一対一の構図になって。安倍政権の中でちょっと自民党が息苦しくなったのではないかなと。そもそも自民党は非常に分権的で自由な部分というのがあって、それがちょっと損なわれてきたのではないかなという空気感が石破さんをあと押ししていると。だから、ちょっと、これだけ圧勝しそうなので、もちろん、キチッと締めてやっていくことは重要だけれど、もう少しちょっと余裕を持って接したぐらいの方か、安倍陣営としてはプラスに働いたのではないかというふうに思います」
松山キャスター
「萩生田さん、この発言をめぐって、麻生財務大臣も最終盤で『冷や飯を食うぐらいの覚悟じゃないと戦いはできないんだ』という発言がありましたけれども…」
萩生田議員
「ハハハ…」
松山キャスター
「実際のところは、発言があったかどうか真偽はわかりませんけれども、これぐらいの激しいやりとりというのもあったりするのですか?」
萩生田議員
「うーん、どうですかね。斎藤大臣は、萩生田さんの発言ではないかと週刊誌に出ていましたから、この場で否定させてもらいますけれど…」
松山キャスター
「萩生田さんではないと…」
萩生田議員
「うん。もしも斎藤さんにそういうことを言った人がいるとすれば、それも聞きづらい話だし、それをまた斎藤さんも外に向かって、マイクの前で言うというのも聞きづらい話で。おっしゃるように権力の一面はありますから、それはお互いにいろいろな利害関係の中でプレッシャーをかけあったり、駆け引きがあったり、個々の議員さんの中ではきっとあるのだと思いますけれども。それがいいと言って開き直るつもりはまったくありませんけれども。要は、党の、身内で戦っているわけですから、その結果が党の信頼を毀損するような総裁選であっては我々全員が傷つくことになるなというのが、感想です」
松山キャスター
「山田さん、少し前の下馬評では、たとえば、役員、たとえば、今回、石破氏支持を表明した竹下総務会長あたりは、今回の人事では外れるのではないかという観測があったり、いくつかそういう予想が出ていたと思うのですけれども。この顔ぶれでどういう変化があると?」
山田氏
「注目は1つ、総務会長はあると思います、注目点として。竹下さんは石破さんを支持しましたけれども、今回は選挙結果で安倍さんが、いわゆる言葉でおっしゃらないかもしれないけれど、1つの挙党体制に振っていくのであれば、竹下派との和解と言いますか、竹下さんとの和解というのが必要になってくるわけで。そうすると、1つは、総務会長を交代させる選択肢、あるいは残って、あるいは別の竹下派の方々は。そこの判断というのは、1つ党内の今後の体制を頑丈にするために、論功行賞だけでいいのかという判断は、ここでちょっと安倍さんにとっては悩ましいところかと。それから、幹事長ですけれども、幹事長人事も非常に早い段階、今年の4月、5月の段階では、今年の9月には幹事長人事交代ではないかと。たとえば、副総裁に二階さんが昇格して、というようなことも言われていて。幹事長人事は焦点かと。あるいは岸田さんが幹事長というような話もあった、菅さんがといろいろ諸説ありましたが、現在ここにいたっては二階さんの続投の方がより有力になっているかなと。これは選挙に、つまり、いち早く安倍さんを支持した面もありますし、もう1 つ、今度の月末の沖縄の知事選挙ですね、ここは非常にポイントで。現在、接戦であると、接戦になりつつある。ちょっと野党系の候補の方が優勢と言われている面もありましたが、現在は追いついているということも言われています。追いつきつつある。いずれにしても、この結果が幹事長人事にも影響するかもしれない。あと岸田さんの処遇ですね。岸田さんはやや遅れてきたという部分がありましたけれど、ですから、岸田さんも本当は幹事長をやりたいのではないかと思うのですけれど、ここまできますと、うーん、二階さんがいらっしゃるということになると、続投の可能性の方が高いかなと。ですから、安倍さんの思考の回路をちょっと私なりに推測すると、まず総務会長の人事をどうするかということが当面、この数日間の安倍さんの頭の中を悩ませることではないかなと…」
生野キャスター
「竹下さんから代わるとしたら、どなたが?」
山田氏
「竹下さんから代わるとすれば、1つありますのは、言われているのは、甘利さんの存在というのが、今回選挙を仕切った方です。我々メディア、新聞記者達は今日の甘利さんの表情がちょっと苦しそうだったなと。勝った割には何か厳しそうな顔、厳しい…」
松山キャスター
「そうですね、かなり厳しい顔をされていましたね」
山田氏
「…顔をされていたなと、ええ、という印象を受けたのですけれども。ここで、ですから、甘利さんをどうするか。しかし、安倍さんとしては、今回の選挙は良かったとおっしゃっているわけですから。いや、甘利さん、今回ちょっとまずかったですねと言うわけにもいかないのと。それから、甘利さんを推していらっしゃるのは麻生さんが推していらっしゃると思うんですね。そうすると、麻生さんは閣僚で留任の可能性が非常に高いという前提で、さらに強化するのであれば、むしろ甘利さんを党で処遇することによって、麻生さんとの関係もより強めるということにもつながる面もありましょうから。ですから、ある記者は、いや、これで甘利さんの党役員人事もなかなか難しいと言った人が私の周りにもいましたけれども。逆に、だからこそ現在、甘利さんを党役員で使うという選択も逆に出てくるということもあるかもしれませんね」
松山キャスター
「閣僚人事の方はどうですか?たとえば、圧力発言で焦点を浴びた斎藤健さんをどうするかとか、そういう問題も出てくるかと思うのですけれども?」
山田氏
「斎藤さんの場合、農協改革を農林水産副大臣の頃からなさってきて、この斎藤さんの場合は、まさに小泉進次郎さんが党の農林部会長であった時代から…」
松山キャスター
「はい、兄貴分として慕っていますよね?」
山田氏
「ええ。当選回数も実は同じなのだけれども、兄貴分として慕っていらっしゃる。斎藤さんが入閣した時に1番、僕は喜んだんだよということは、小泉さんもおっしゃっていたことがありますけれども。その斎藤さんの今回、処遇をどうするのかと。これは1つ、安倍さんとしてもポイントですね。前回、昨年の8月の総裁…、内閣改造の時に安倍さんは河野太郎さんと、それから、野田聖子さんを入れました。特に野田さんに関しては安倍さんに批判的だと目されていましたから安倍さんとしては党内の幅広い意見を閣僚の中で受け入れるということを示すという、1つの狙いもあったと思うんですね。今回、それを、斎藤さんでするのかどうかと。ここはしないかもしれないし、するかもしれないけれども、もしこの斎藤さんを続投させた場合は、むしろ党の中でも幅を見せるという、党と言うか与党内で。ここでもし斎藤さんを外した場合は、発言が安倍さんにとってなかなか厳しい発言だったのか」
松山キャスター
「あと党内融和という点では、竹下派の処遇と先ほども話されましたが、1つの焦点だと思うのですけれども、竹下派から名前の通っている、たとえば、大物の人を起用するとか、そういう可能性はありますか?」
山田氏
「いや、それもあると思いますし、それと竹下派のことに関してもう1つ申し上げますと、石破さんとの、石破さんをどうするかという問題もまた別にあるわけですよね。シビアに考えると石破さん、石破派と竹下派のこの関係を、ある意味で分断していく方が、いいという考え方もあり得ると思うんですね。そうすると、竹下派を処遇して石破さんは遠ざけるということもあるかもしれませんので。竹下派は竹下さん以外にもたくさん人材はいらっしゃいますけれども、特に安倍さんに入れなかった方ですね、つまり、石破さんに入れた方をどうするのかと。一方で、茂木さんは非常に強く安倍さんを支持されたわけですから、この竹下派の中でも石破さんの方を処遇した場合は、石破派を処遇した場合は、今度、竹下派の中で石破さんではなくて、安倍さんを支持した人との関係がどうなのかということが連鎖的に起きてきますから。ですから、ここは、竹下さんであれば、1つの領袖ですから、1つの選択肢としては納まるかもしれないけれども、いろいろそこを触りだすと、それぞれ波及する部分が多くなるので、だんだん、方程式がより複雑になってくるのではないかという気はします」

焦点政策『憲法改正』は?
生野キャスター
「安倍総理が強い意欲を見せてきました憲法改正については先月12日、山口県での講演で『自民党と憲法改正案を次の国会に提出できるよう、とりまとめを加速すべきだ』と発言しています。萩生田さん、安倍総理はどういったスケジュール感でこの憲法改正を実現するという考えなのでしょうか?」
萩生田議員
「これは総裁選の最中にまた憲法のスケジュール感を言ったがために、へそを曲げて白票を投じた方もいらっしゃいましたけれども。基本的には、党の憲法調査会に任せているというスタンスは変わっていないですね。ただ、これはもう誤解を恐れずに申し上げますけれども、私もそのチームに入ったのは最近なので、同じ党の中のいろいろな組織の中でこの憲法審査会だけは野党との皆さんとの協調性というのをすごく大事にした、中山太郎さんの時代から培ってきたマインドがあるんですよ」
松山キャスター
「全会一致のアレがありますよね、はい」
萩生田議員
「それはそれですごく大事なことなのだけれども、現実問題として、野党が憲法発議に協力するかということを考えると、それは野党の方から出したいテーマというのもきっとあるのだと思うので。党は昨年の末、10月の選挙で初めて4項目を選挙公約に掲げて、国民の皆さんに自民党支持をいただいた以上は、まずはこの4つをテーブルの上に出したいわけです。ただ、体質的にそうは言ってもという風土がありますから。そこに少し風穴を開けたいというのが総裁の思いで、度々この発言につながったのだと思います。スケジュールありきでは決してございませんので、丁寧にやっていくことに越したことはないのですけれども。そうかと言って、全ての野党の皆さんの合意を得て、きれいに国民投票に出せるという環境に私はないと思いますので。そこはこれまでとちょっとフェーズを変えてくれよ、ということを党に投げかけたのだと思います」
松山キャスター
「石破さんはこの憲法改正については明確に安倍総理とはちょっと違うスタンスをとっていて、まさに緊急事態条項とか、参議院の合区の解消、そちらの方を先にやるべきで、憲法9条の改正についてはもっと慎重であるべきだと主張していました。安倍総理の方は9条に自衛隊を明記することをなるべき速やかに、できれば、次の国会で国会提出したいという話をされています。これはどうやって折り合いを今後つけていく?」
萩生田議員
「石破さんも本来、党内での持論であった9条の2項削除というのは封印をして総裁選で議論していましたよね。アプローチが多少違うのだということですけれども。総理の方がより現実的に、3分の2がなければ提出ができないわけですから、これは我が党だけでは絶対無理です。そうしますと、連立を組むという友党の皆さんの意見も聞いて、そのうえで、最大公約数で出せる条文というのは現在我々が申し上げている、3項を加えるという方向なのではないかという、このプロセスできていますので。そこはこれまで総裁選で意見の違いがありましたけれども、文字通り今日をもって、ノーサイドにしようと。これから挙党一致、皆で力を合わせてがんばっていこうということを宣言して、お二人が固い握手をしたわけです。党内の国会議員や党員の皆さんの投票の結果、安倍さんの主張が認められたのだとすれば、そこは歩み寄ってもらう必要があるのではないかと思います、この憲法については」
松山キャスター
「安倍さんの方に歩み寄ってもらいたい?」
萩生田議員
「この憲法の問題については、はい」
松山キャスター
「中北さんは憲法改正論議については今回の総裁選の結果を受けてどう推移していくと考えますか?」
中北教授
「安倍総理は改憲の意欲を今日、記者会見で示す一方、公明党との調整を行うということをかなり明確に…」
松山キャスター
「はい、言っていましたね」
中北教授
「そうだとすると、2つのことが言えるのではないかと。1つは臨時国会で持ち込んでいくということはなかなか難しいのではないかということが、スケジュールの問題ですね。もう1つは、9条はかなり難しい。私が知っている限り、公明党の支持母体の創価学会もかなり9条に手をつけることについては予想以上に、かつてであれば、それもOKだったかもしれませんけれども、安保法制のあの経験、あるいは安保法制で集団的自衛権の限定行使容認が可能になっているという事態を受けて、かなりここは厳しいという印象を私は持っています。そうだとすると、結果として公明党と調整可能なところはどこかということになりますけれども、昨年の総選挙の公明党の選挙公約を見ると、1つは環境権、もう1つは地方自治、3つ目が緊急事態の際の任期延長ですね」
松山キャスター
「いわゆる加憲という考えで公明党がよく主張しているものですよね?」
中北教授
「そうですね。この4項目と重なるのは、緊急事態のところの任期延長の部分なので、結果的に石破さんがおっしゃっているところにかなり近づかざるを得ないというふうに思いますし、あともう1つ、この4項目の中では、潜在的に私が見るところ、野党にもリーチできそうなのが実は合区解消の部分。これは参議院議員、野党でも意外と本音ベースでは支持する人がいるんですね」
松山キャスター
「この間の6増法案がかなり不評、与党内からも異論が出ていました」
中北教授
「そうですね、あと最高裁の判決という非常に実際、憲法を改正する必要性というところに近いのがこの問題なので。そうすると、その両面で結果的には4項目をオーソライズするということの決定が自民党内でなされたとしても、どれを選んでいくのかという段階では結果的には石破さんのところに近づいていかざるを得ないではないかというのが私の見立てです」
松山キャスター
「公明党の山口代表は最近でも、昨日の発言ですけれども『世論調査の動向を見ると、おのずと優先順位は表れている。憲法改正はその中で必ずしも高い順位とは言えない』と言って、安倍総理の憲法改正への意欲を受けて、必ずしも急いでやるべきではないのではないかという意見を表明していると。山田さん。このあたり、このあとの推移をどう見ていますか?」
山田氏
「この優先順位については、石破さんもおっしゃっておられましたけれど、石破さんの方の優先順位というのは、これはむしろ石破さんはもっと厳しい案を9条の改正について持っていらっしゃったので…」
松山キャスター
「もっとハードルが高いですよね?」
山田氏
「公明党とはまるっきり反対に位置するのだけれども、優先順位に関しては山口さんと同じことをおっしゃっているわけで。これは安倍さんがこれから与党内での調整に入られようとしていることは当然、山口さんも知っていますから、それに対する1つの、牽制であるというふうにとっていいと思うんですね。そうすると、9条ではなくても、憲法改正そのものに対する優先順位と捉えていいと思うのですが、そうすると、私は与党内をまとめるのにはなり時間がかかる可能性があると思うんです。そうすると、来年の参議院選挙で、現在、衆議院も参議院も両方とも3分の2があるから、憲法改正が非常にリアルに聞こえますけれども、参議院選挙を経て3分の2が仮に欠けた場合に、失った場合は、途端に、非常にハードルが高くなってしまって、もう実現…」
松山キャスター
「先行きが見えなくなりますよね?」
山田氏
「うん、そうです。ですから、発議を本気でするのであれば、参議院選挙までにやるかどうか。それから、あとは60日から180日以内の国民投票だけれども、そこまで持っていくことをこの間に、国民投票そのものは参議選挙のあとだとしても発議までできるかというと、それもなかなか、まず公明党と、野党と…、こういうことを考えると、私は非常にハードル…、それだけでもハードルが高いと思っています」
松山キャスター
「萩生田さん、そうやって考えると来年の参議院選挙、3分の2をキープしている、それまで確実にキープしている、それまでにとなると、かなり日程的にきついのではないかという意見ですけれども」
萩生田議員
「『私の内閣のうちに』という約束を実は6年間で果たせなかったものがあるわけですから、私は安倍総裁は、3年間あるというスタンスでことに当たるのではなくて、大げさに言えば、途中でたとえ前のめりに倒れることがあったとしても、約束をしたことを1つ、1つ結果を出して、ということに力を入れていくのだと思います。ですから、これまでのような国会の常識のスケジュール感でコトを考えると無理なことも少し加速をして詰めてくれ、ということを思っての発言だと思います」

『政治理念』の継承の形は
生野キャスター
「萩生田さん、一部で、党の規約を変えて安倍総裁4選もあるのではという声もあるのですけど…」
萩生田議員
「ハハハ…」
生野キャスター
「それについては?」
萩生田議員
「いや、それは聞いたことがないですけれども、はい。もういいのではないですか…」
松山キャスター
「安倍総理本人も最後の任期ということを今日も明言されていました…」
萩生田議員
「はい」
松山キャスター
「安倍総理は、小泉政権時代です、官房副長官を務め、まさに総理大臣がどういう仕事かということを目の前で見て学んだ部分がかなりあると思うんですけれど。そういう意味で、安倍総理は自分のあとの次の世代、どういう人を育てようとしているのかという意味では、官房副長官という意味では、萩生田さんはまさにその対象ではあると思うのですけれども、どういう人材を育てていると考えますか?」
萩生田議員
「うーん、どうなのですか。それこそ本人に聞いてもらわないとわからないですけれども。自民党には多彩な人達が大勢いらっしゃいます。私も、今回、石破さんは負けはしましたけれども、これをもって別に総裁の目がなくなったわけではなくて、十分ブルペンで投げ込んでいただける1人だと思いますし、また、その次を目指す人達もいろいろな名前が出ています。こういう人達が文字通り切磋琢磨していただくのがよろしいと思うので。現在の総裁が、自分の後継こうあるべしという理想図を掲げ、それに向かって育てていくというのは、やや違うのではないかと思いますよね。別に小泉さんは安倍さんを、小泉さんの描いたリーダー像として育てたわけでも何でもないと思います」

自民党と日本 『これからの3年』
松山キャスター
「なるほど。石破さんが今回、善戦ということで、今後の政治的な目もかなり残ったのではないかという見方はあるようですけれども。今日、フジテレビの夕方の『プライムニュースイブニング』に中継で出演された時に石破元幹事長はこういう発言をしています。自身の入閣の可能性について『経済政策にしても、安全保障政策にしても、決して安倍総理とは同じではない。それを踏まえたうえで総裁がどうお考えになるのか、きちんと私の考え方を申し上げたうえで総裁がご判断することだ』と言って、あくまでも自分には自分の主張があるという発言をされていて、入閣要請が実際にあった場合にどうされるのか、若干ちょっと消極的なのではないかともとれるような発言をしていますが、これを萩生田さんはどう見ていますか?」
萩生田議員
「私、ちょっと記者会見を聞いていなかったのですけれども。せっかくこういう形で終わって、自民党には石破さんも大事なのだと、石破さんも必要なのだ、ということを皆さんが認めて高く評価をした結果が、今日の総裁選の結果なのですから。それは多少、政策の考え方やアプローチの違いはあったとしても、私は時代が求めるものがあるのだとすれば、それは石破先生がしっかり石破カラーで国民の皆さんに示していけばいい話であって。どんなことでもやっていただいた方がいいと思います」
松山キャスター
「党内で果たせる役割はまだまだある?」
萩生田議員
「もちろんです」
松山キャスター
「なるほど。山田さん、今度の組閣も含め、ポスト安倍というのがどうなっていくかという、次の焦点がそちらに移りつつあると思うのですけれども、石破さんの次の人事での処遇、これをどう見ていますか?」
山田氏
「私は基本的には処遇はしないだろうと思います。と言うのは、わかりませんよ、わかりませんけれども、特に憲法の問題は決着をつけたとは言え、石破さんが入閣したり、党役員になると、石破さんの性格もこれで持論を引っ込めるということではもともとないだろうと思いますから。安倍さんとしては、憲法を自分の考えで進めるとおっしゃる中で、石破さんがわかったとおっしゃるかもしれないけれども、それでもなるべくそうした自分とは違う考えの要因、特に憲法に関しては、なるべく遠ざけておいた方が安全ですから。ですから、なかなかそこは安倍さんの側からはとりにくい判断だと思いますが。一方で、石破さんの方から見れば、それは他の憲法以外のポストもありましょうけれど、入閣するということによって、それが自分に対してプラスであると判断すれば、この間のように、私はもう入閣は拒否するということが以前あった、ああいうことはないのかなと思いますけれども。たとえば、防衛大臣ということを、たとえば、石破さんに提供した場合、これ憲法論議というのはまた別にやればいいけれど、防衛大臣というのはまた1つ、石破さんとしてはおそらく…」
松山キャスター
「自分のフィールドというような印象はあるでしょうね?」
山田氏
「そう、ええ、ありますからね。ですから、そこはひょっとして受けられるかもしれないけれども。安倍さん自身がそうしたことをそもそもされるかなという…」
松山キャスター
「同じ論理で言うと、たとえば、今回、石破さん支持を表明した、小泉進次郎さんも、一説には農水大臣での起用があるのではないかという観測もあるようですけれども。斎藤健さん、現在の大臣が仮に内閣から外れるとすると兄貴分と見ている斎藤健さんのあとであれば、進次郎さんも受けやすいのではないかということで、オファーが来る可能性はどうですか?」
山田氏
「そうですね。小泉さんの場合は、安倍さんにしてみればどのポストもありますけれども、そもそも小泉さんを処遇するということは、非常に大きなインパクトを、政治全体に与えますから。そのことを読んで、ここは小泉さんの力を借りようと思うか、それともここはそうではないと思われるのかということで。そこは現在、私の感じでは、入閣させるかどうか、私はちょっと考えにくい面があるのですけれども。ただ安倍さん、意外とこだわる時にはこだわりますので、かなり今回はっきりと色を出しましたから、鮮明にしましたから。ただし、農協改革に関しては、これは安倍さんも、石破さんも、小泉さんも、実は同じだいたいほぼ立場だと思います。特にTPPも含めて、農業改革ですね。地方から興していくということを石破さんはおっしゃいましたけれど、基本的には競争原理を入れようというところの基本的な部分は変わっていませんので。そうすると、JAに対する態度も同じであるということなので。もしおっしゃった、ご質問の農水大臣だけに限れば、小泉さんが斎藤さんの代わりに入るということは、それは政策的には矛盾は生じないと思います」
松山キャスター
「萩生田さん、小泉進次郎さんは、官房副長官説というのもあるみたいですけれども、十分務まりますか?」
萩生田議員
「務まると思いますよ、もちろん。私が務まったぐらいですから…」

萩生田光一 自由民主党幹事長代行の提言:『結果に責任』
萩生田議員
「萩生田氏『結果に責任を持たなければいけない、言い換えれば、結果を出していかなければいけないと思っています。自民党、戦後の自民党の体制の中で初めての言うならば3期目、未体験ゾーンに安倍晋三新総裁はなるわけですから。この3年を大事に過ごすというのではなくて、国民の皆さんとのお約束1つ、1つをきちんと結果を出していくと、そのことに全力をあげる必要があると思います」

中北浩爾 一橋大学大学院社会学研究科教授の提言:『長期政権モードへの移行』
中北教授
「『長期政権モードへの移行』ということを書かせていただきましたけれども。まだ私は自民党を見ていると、民主党政権のショックで自民党はかなり1つのところに固まっているような印象が強くて…」
松山キャスター
「まだ、ありますか?」
中北教授
「うん。今回、石破さんが勝ったのはちょっと余裕が出てきたかなと。党内は多元性があった方が、免振構造が強くなって、長期政権に移行すると思うのですけれども。もう1つ別の意味で、現在、安倍政権としては長期政権になっている、このあとなかなか難しい。佐藤政権のあとも角福戦争だし、中曽根政権のあともリクルートだし、小泉政権の時もあとも…」
松山キャスター
「短命政権が続きましたね」
中北教授
「そうですね。ですから、この状況をどうにか打開して、安倍政権のもとで次につなげていくようにしていかないと、意外と自民党は危ないのではないかと」
松山キャスター
「長期政権のあとも長期政権が続くような、うまい移行のやり方を模索すべきだと?」
中北教授
「そうですね。自民党の長期政権の新しい形をつくっていく、その準備を安倍政権ができるかということだと思いますね」

山田惠資 時事通信社解説委員長の提言:『信頼回復と包摂の政治を目指す』
山田氏
「『信頼回復と包摂の政治を目指す』と。信頼回復というのは安倍さんを支持する人達は非常に強く支持するけれども、先ほども申しましたように不支持も少なくないわけで。その方達の理由というのは、おそらく政策面もあるでしょうけれども、政治に対する不信感という面は拭えないと思うんですね、その理由として。ですから、ここを信頼回復ということがベースにならないと、何をやっても結局、国民が本気で支持できなくなってしまうと。それから、もう1つ、包摂というのは、いろいろな異論も包み込んで議論していくという姿勢ですね。ここは、もう55年体制や東西対立の時代とは違うわけですから、そんなにすごく大きなテーマでぶつかるっていうことは実はないわけですね。そうすると、もう1つの政党が、現在自民党が主導的立場ですけれども、どの政党が与党になろうとも、野党を包み込んでいく部分というのを少しでも多くしていかないといけない。そのうえで、最終判断は与党がすればいいですけれど。ここを現在の自民党は目指すべきだと思います」