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2018年9月5日(水)
女子体操パワハラ問題 選手VS協会の行方は?

ゲスト

馳浩
元文部科学大臣
玉木正之
スポーツ文化評論家
松原隆一郎
東京大学名誉教授
池谷幸雄
バルセロナ五輪体操銀メダリスト(前半)

女子体操『パワハラ』問題 コーチ『処分』の背景と疑惑
斉藤キャスター
「先ほど、午後5時から、暴力指導を行ったとして日本体操協会から無期限の登録抹消処分を受けている速見コーチが初めて記者会見を行いました。スポーツ界の不祥事が相次ぐなか、今度は体操界が暴力指導やパワハラ問題で大きく揺れています。今夜はこの問題を徹底的に検証します。スポーツ界の不祥事が続く中、今度は体操界が大きく揺れています。協会・選手・コーチをめぐって現在、何が起きているのかあらためて現状を整理します。もともとは速見佑斗コーチが女子体操リオデジャネイロオリンピック代表の宮川紗江選手に対して、練習中に暴力を振るったとして、日本体操協会から無期限の登録抹消という処分が下されました。しかし、速見コーチに師事していた、暴力を受けた側である宮川紗江選手がこの処分は重すぎると記者会見などを通じて訴えました。さらに、その会見で宮川選手は日本体操協会の塚原光男副会長と塚原千恵子女子強化本部長から『オリンピックに出られなくなる』などと言われて、パワハラがあったと告発したんです。先ほど、午後5時から行われました速見コーチの記者会見の内容をまとめています。『宮川選手には1日でも早く次のステップに向けて出発できる環境をつくってあげたい』『命に関わるくらいだったら叩いてでもわからせないといけないという認識を持っていた』『自分と宮川選手2人で朝日生命体操クラブに入ってほしいと勧誘された』『強化本部長からの圧力は感じていた』と、このような内容を記者会見で話されていました」
池谷氏
「『勧誘』という言葉は使っていないですよね、一応、会見ではたぶん。だから、誘われたというところで…」
松山キャスター
「3回ぐらい接触があったということは言っていますね?」
池谷氏
「そうですね。『勧誘』という言葉をまた使うと、相手に申し訳ないという気持ちがあって、勧誘という言葉は敢えて使わなかったという、はい…」
松山キャスター
「接触した時、たとえば、朝日生命体操クラブのコーチとか、あるいは強化本部長の付き人とされる人がこう言ってきたというふうに…」
池谷氏
「はい、はい、ええ…」
松山キャスター
「何となくチラチラ言っていた話の内容の中には、たとえば、海外派遣ができなくなっちゃうとか、オリンピック選手への道が遠のいちゃうみたいなニュアンスのことを言われていたということを全体として圧力として感じていたということなのですが…」
池谷氏
「はい、ええ。そうですね、そこは実際にされていたことなので、そこがすごく重要です、選手にとって。だって、あんな素晴らしいナショナルトレーニングセンターをつくっていただいて、ナショナル選手にしっかりなって、ナショナル選手は、ナショナルトレーニングセンターを使っていいんですよ、NTCは。いつでも申請すれば。そういう権利をとって、そこが使えなくなってなぜという話。それに『2020』に入っていなかったんだよ、遠征もこのナショナルの中から行くというのが基本なんですよね。なのに、5人だけ『2020』に入らなかったら、その5人を抜かして、その下のナショナル選手でない選手が海外に行っている。それはもう…、強制だったら仕方ないですよ、強制なのに入っていないというメンバーだったら。でも、強制ではないのになぜそれは、というのはすごくあって。体操協会にもお願いをして、これはおかしいのではないですかと言ったにもかかわらず、その返事が曖昧で終わっていたという…」
馳議員
「1つ確認したいのですけれども、いわゆる利益相反関係」
池谷氏
「はい」
馳議員
「朝日生命体操クラブの責任者であり、体操協会としての強化本部長であり、副会長と、両方を兼任しているということが1つの、今回の問題の複雑さになっているのではないかなというのが1点」
池谷氏
「そうですね」
馳議員
「もう1点、そうは言っても、体操協会の強化本部や理事会で、こういう方針で『2020』に向け、可能性のある、特に若手を中心に選抜をしますから、それを中心に強化しますと体操協会の理事会で決めていたとしたら、それはそれで従わなければいけないのではないの?どうなの?」
池谷氏
「はい、そうですよ、それはいいんです。ただ強制ではないというところが1つ問題で。強制ではないので、だから、この5人は入らなかったんですよ。強制だったら入っていたと思うんです。強制ではないから入らなかったのに、あたかも強制だったような仕打ちを受けているというところが、これがすごく問題で…」
玉木氏
「強制ではないというのをわかりやすく言えば、自由参加だったんでしょう?」
池谷氏
「そうです。だから、どっちでもいいんですよ」
馳氏
「なるほど」
玉木氏
「強化チームに入らなくてもいいんですよ」
池谷氏
「はい」
玉木氏
「なのに、入らなかったら少し立場が変わってきたという…」
池谷氏
「はい。いや、だから、ナショナル選手優先のところが変わっちゃって、すり替わって、もうそっち優先で。だから…」
玉木氏
「なぜその組織がもう1つ必要だったのかもわからないですよね」
池谷氏
「だから、そこが全部一緒にできなかったのかというのも疑問なのと…」
馳議員
「あっ、そうなんですよ…」
池谷氏
「そうですよね」
馳議員
「そこはビンゴで。ナショナルチーム、プラスαというふうな考え方だったら…」
池谷氏
「そうです」
馳議員
「…わかるではないですか?」
池谷氏
「それでよかったのだと思うのですけれども」
馳議員
「ですよね?」
松原氏
「強化本部長と1クラブの監督を両方兼ねている、一見すると変なのですけれど。でも、たとえば、今出たような矛盾とか、要するに、海外派遣する時のルールが別途、ちゃんと公正にあるのだったら、両方兼ねて問題ないと思うんです。と言うのは、全柔連も強化のトップ、金野先生は日大の監督でもいらして」
馳議員
「そうですね」
松原氏
「でも、これとはまったく関係なく非常に現在、柔道界は…」
馳議員
「うまくいっていますよね?」
松原氏
「非常に明朗で公正な人選をやっていて。特段に強化本部長だからと言って誰かを選んだりできないです」
池谷氏
「そうですね」
松原氏
「これがしっかりしていれば、別にきっと問題ないのだと思うんです」
池谷氏
「全然問題なかったと思うんです」
松原氏
「だから、どうもそこらへんに何か問題がありそうですね」
池谷氏
「そう。だから、普通は、ナショナル選手を上から順に海外派遣を選んでいくんですよ。確認があって、行けますか、どうですかと。行かないと言ったら、そこから下に降ろしていく…」
馳議員
「そうですよね」
池谷氏
「はい。だんだん下に降ろしていくんですよ」
松山キャスター
「ナショナル選手は成績順で決めていく?」
池谷氏
「成績順でしっかりと12位まで決まっているんです。日本の大会、大きな大会の2つの成績で」
松山キャスター
「はい」
池谷氏
「だから、これはもう勝ち得たものなので、ここはもう変わらないんですよね。そこからプラスαというのが、テストでとったりとかした子達ですけれども。だから、『2020』というものがあって、そこに入らなければ、その下の者が優先されるというのは、これは言い過ぎかもしれないのですけれども、強化本部長が『2020』に入らなかったら、こうなるんだよという力を示すではないですけれども、私の言うことを聞かなければこうなりますよという部分の表れかなと」
松山キャスター
「宮川選手、自ら行った記者会見の中で『速見コーチの処分に至るまでの経緯で納得のできない不自然な出来事がいくつも起こっていた。強化本部長が大きく関わっていたことは間違いないと確信しています』ということで、何らかのパワハラ的行為があったということを告発したわけですけれど。池谷さん、宮川選手のこうした勇気ある告発と言われましたけれども、こうした見方については、どう感じますか?」
池谷氏
「これは今回、速見コーチがこの記者会見で発表する部分があるのかなと思ったのですけれども、やはり謝罪会見ということで、そこまで思っていることを言っていなかったなというふうには思うんですね。そこが宮川選手は被害者というのもありますし、そういうことで、会見で大きな声を出して言ったというところがあるのですけれども、今回の謝罪会見では速見コーチは言えなかったと言うか、そこまでのことは、勧誘のことに関しては言いましたけれど、それ以外の不思議な不審点は、今回は発表されていなかったなという、会見では言ってなかったということは思いましたね」
松山キャスター
「速見コーチは、コーチとしての職業の保全を求めて仮処分を一時申請しましたけれども」
池谷氏
「はい、しました」
松山キャスター
「それを下ろして今回は処分を真摯に受け止めるという対応に変わった。これは協会側が基本的には無期限とは言いながらも、どこかの時点でもう一度復帰できるという可能性があるから、そこは将来のことも考えて自らここは身を引いておこうという判断をしたと、そういうふうに?」
池谷氏
「そうです。そこがすごく悩んだところであって。弁護士さんは絶対下ろさない方がいいと言われていたんですよ。でも、宮川選手のことを考えると、そうやって協会と揉めているのはよくないし、それが長引いてしまったら選手のためにはならないということを考えて引いたというふうには聞いていますね」
馳議員
「ちょっと私から、ここ言われている『納得のできない不自然な出来事がいくつも』というこの部分と『強化本部長が大きく関わっていたこと』という、この2つですよね。宮川さんは確信しているというふうにおっしゃっているのですが、ここは第三者委員会で事実認定をしていただくことが大事だと思っています。これが1点目と。もう1つは、宮川さんはプロ選手という現在、立場にあると思っています」
池谷氏
「はい、そうです」
馳議員
「従って、プロ選手である以上は自分で自分の立場や身を守らなければいけないという緊張感を持って弁護士の皆さん方とも打ち合わせをしておられると思いますので。そういう意味で、自分達の立ち位置をしっかり明確に世の中に対しても必要であるならば伝えていくことも必要なのかなと」

選手とコーチの関係性
斉藤キャスター
「『暴力は、よくないことだとわかっているが、私は速見コーチに対してパワハラをされたと感じていませんし、今回のことも訴えたりしていません』ということで、コーチと選手の関係があり方について皆さんに聞きたいのですが。この暴力指導の問題について、今回、このように宮川選手が話していたわけで、パワハラを否定しているわけです。池谷さん、この選手とコーチの関係で、暴力はダメだけれども…」
池谷氏
「そうですね、はい」
斉藤キャスター
「…そう感じていない。こういったことはよくあるのですか?」
池谷氏
「よくあるというか、ずっと代々、代々、そういうところがあって。僕らの現役の時はまったく普通でしたから。殴られないのがおかしいかなぐらいの世界でしたから」
松原氏
「私はスポーツの中で暴力がいけないのは、まったくそう思っています。しかし、最先端の技術とか、スポーツ、特にオリンピックだったら、新しい技術、何が出てくるかわからないですよね。こういう世界で技をしようとするとなかなか言葉にならないところがきっとあったので。同じようなことを、たとえば、演劇の世界のトップである蜷川さんがやっても誰もこれまで否定してこなかったんですよね。言葉にならない芸術の世界では、どうしても言葉にならないからついつい物投げちゃったりする…」
馳議員
「それは絶対否定しなければいけない」
松原氏
「…いや、僕は、それは良いとは言っていない」
玉木氏
「いや…」
松原氏
「だからこそここでいかにして言葉を獲得していくかということが今後の大きな課題なるわけです」
玉木氏
「これからの課題ですね」
松原氏
「これからは絶対にそうしなければいけないし、これまでも本来そうでなければいけなかったんですよ」
松山キャスター
「池谷さん、体操の世界で命にかかわるような大ケガをしてしまうようなシチュエーション、そういうところで暴力があった。結果的にはコーチも謝罪しているわけですけれども、そういう場面というのは時折あったりするのですか?」
池谷氏
「絶対ダメなのですけれど、真剣に子供と命がけで立ち向かっている時に、つい、ガーッとなる時があるということは言えなくないですね。だから、その部分で、暴力はしてはダメなのですけれども、絶対に。そういうことがあったというのは、僕もそういう経験がありますから、指導ではやりませんけれど、自分自身は、でも、やられたというところはあるので、はい…」
玉木氏
「それこそ…」
松原氏
「でも、伝え方としては、危ない!と思ったら、どうしてもバーンとやっちゃうんでしょうね。それはちゃんとやらなければダメですけれども」
玉木氏
「赤ん坊とか、子供が、それこそ熱い沸騰しているヤカンに、手を…」
松山キャスター
「近寄らせないために」
玉木氏
「…ダメ!と言って、叩く、それはあると思うのですけれども」
松原氏
「そういう感じでしょうね」
池谷氏
「ありますね」
松原氏
「でも、一流の選手のところでそんなことをやったらいけないです」
玉木氏
「ところが、話せばわかる世代になっても、まだやっていたことが事実ですよ。それはダメですよ」
松山キャスター
「コーチ自身も、ここ数年もそういうことがあったということで。今日は新たに、たとえば、お尻を蹴ったりするようなこともやっていたということで、新たな暴力の内容も披露されましたけれども。さすがにそこまでいくとちょっとやり過ぎかなという印象があるのですけれども?」
玉木氏
「いや、やり過ぎという言い方も、それもダメ…」
馳議員
「やっちゃいけないのですから」
松山キャスター
「そもそもいけない…」
池谷氏
「すごく難しいのですけれども。ちょっと一例を挙げると、体操って膝とか、つま先を絶対に伸ばして演技するんですよ。だから、技とかを、鉄棒で技をやっている時に、技をやることと膝・つま先を伸ばすことを両方意識しなければいけないのですけれど、でも、技に必死で意識できない時があるんですよ。その時に、膝・つま先を叩いて、感覚を、ここに痛みで感覚を残しておいてそのまま演技をする。そうすると、膝・つま先まで意識がいって技がきれいに完成するということがあるんですよ」
松山キャスター
「あるのですか?」
池谷氏
「そうしたら、その叩いているのが暴力だと言われたら、そっちの方が速く上達するわけですよね」
玉木氏
「それは暴力ではないでしょうね」
池谷氏
「そこが、だから、すごく難しくて。でも、暴力と言われる人がいたとしたら、それは暴力になっちゃったりもするわけではないですか」
玉木氏
「いや、それは、言葉の説明で十分納得できることだと思いますし、言葉の説明ですよ」

競技団体のガバナンス
松山キャスター
「いろいろな問題がいろいろなスポーツ界で起きていますけども、それをちょっともう1回おさらいしておきたいと思うのですが」
斉藤キャスター
「このようなことが続々と起きているという印象ですよね」
松山キャスター
「玉木さん、一連の不祥事がありましたけれども、こういったことで、その度にまとめる団体・協会のあり方みたいなものが毎回、問われていると思うのですが」
玉木氏
「1番の問題は透明性、それだけですよ。全てのことで透明だったら、うまくいくと言っても言い過ぎではないぐらいで。その透明性の真ん中にあるのがお金です。だから、この体操協会のことでも、体操協会のお金がいったいどうなっていて、どこがそれを管理していてというのが全然見えてこないですよね、取材しても、何しても」
池谷氏
「そうですよね」
玉木氏
「そこのところを、そういうところを1つ直していけばという時に、スポーツ庁とか、文科省が遠慮気味だと思うんですね。その遠慮は非常にすばらしい遠慮で、政府がスポーツ界のことについてあまりとやかく言ってはいけないという立場でおられるのは、非常にいいことだと思うのですけれども、これだけ不祥事が起こったら、そろそろ軌道がうまく乗るまで、スポーツ庁がもっと指導力を発揮して…」
松原氏
「だから、ガイドラインですよ」
玉木氏
「ガイドライン…」
池谷氏
「見直してもらった方がいいですよね」
馳議員
「これはもう皆さんご存知のように、モスクワオリンピックにおけるボイコット問題がございました。従って、政治、あるいは行政がスポーツの現場にどこまで介入していいのか、いけないのかということにおいては当時世論も含めて政治の反省もありまして、引き気味になったのは、これは事実です。そのうえでちょっと昨今のことを思い出せば、2013年の全柔連の女子の体罰の問題であったり、フェンシング協会の不正経理であったり、我がレスリング協会でも強化費の不正経理の問題等があって、会計検査院から指摘を受け、その時も随分と法改正してまで実はルールをつくったんですよ。ただ、その時につくったルールは、独立行政法人である日本スポーツ振興センターにインティグリティ・ユニットというのをつくったんです。ただ、そこに持ち込んでいいのはトップアスリートの案件と暴力問題に限定してしまったんですよ。現在、実はここがポイントになっていて、ここを機能強化して、弁護士の常駐はなかなか難しいのだけれど、せめて委託をするという形で、今回のような、体操協会の問題、ボクシング協会のような問題、言いたくても言えない、どう考えてもおかしいだろうという問題等を受けつけるJSC、日本スポーツ振興センターのインティグリティ・ユニットの機能を強化して、それによって課題があればその課題をどのスポーツ団体も応諾義務、つまり、それは関係ないでしょう私達は、と言うのではなくて…」
玉木氏
「引き受けなければいけない」
馳議員
「指摘があったら引き受けなければいけないという応諾義務、ここを強化して、皆さんにお伝えする必要があるのではないかということのシステムを我々は提案しているんです」

スポーツ界改革と国の関与
松山キャスター
「鈴木スポーツ庁長官も2日にこういう発言をしていますけれど。『今のままでもつのかという危機感もある。しっかり国がコントロールというか、指導できるような体制も考えていかなくてはいけない』ということで、政府も関与した形できちんとスポーツ界全体の指導・監督ができるような体制をとる必要があると」
馳議員
「長官の言葉をちょっと解説させていただきますが。つまり、直接立ち入り調査とか、指導というのは、私はちょっと控え目にした方がいいのではないか。つまり、独立行政法人であるスポーツ振興センターの範囲内で事実確認、つまり、第三者的な事実確認をするということと、その事実確認に従って、どう自浄作用が働いたかとその報告義務に従って、ある程度の勧告とか、あるいは強化予算の配分に対して、このインティグリティの問題、公平に公正にガバナンスが効いているのかということを評価項目に入れるというのも今後考えられるところであって。直接…」
松原氏
「体操協会にしても、アマチュアボクシング協会にしても、単なる協会ではなく、一般社団法人だったり、要するに、公益法人なわけで」
玉木氏
「公益財団法人…」
松原氏
「ですから、そちらとしても、もう一度網をかける、公益性とは何かということについて」
馳議員
「これは内閣府の方において…」
松原氏
「あっ、そうですね」
馳議員
「レスリング協会も指摘を受けて判断をさせていただきましたけれど、やったんです。ただその時の1つの問題を言います。第三者委員会に弁護士の方をお願いしました。金額は言えませんが、べらぼうな、相当な金額がかかりました」
玉木氏
「かかる…」
馳議員
「今後この問題が頻発した時に耐えられるだろうか。我がレスリング協会はもう二度と耐えられません…、ほどの金額でありました。とするならば、独立行政法人である日本スポーツ振興センターにおいて第三者機関がきちんと機能してもらった方がいいなというのが私達の考えです」
松山キャスター
「池谷さん、国もある程度距離を置きながらも、きちんとした監督体制をやるという姿勢を示していますが」
池谷氏
「ええ、はい…」
松山キャスター
「今度、選手とか、現場で何か問題が起きた時に、下から上に告発するシステムというか、いろいろスポーツ協会があると思うのですが、そこがそのガバナンス問題が現在、問われていると思うのですけれども、どういうシステムの構築が必要だと考えますか?」
池谷氏
「だから、現在の状態で僕らがいくら声をあげようとしても上に上がらないですよね、押しつぶされちゃったり、抑えられちゃったりするので。その上を、また管理してもらえるような、システムは絶対いると思うんです。あと第三者が絶対入っていないですよ、この協会に。絶対に入ってもらいたいですよ、公正に見てもらいたいんですよ。何か今回の処分でも第三者が入ってちゃんと見ていたら、ああいう処分になったのかなという、速見コーチの処分…」
馳議員
「そこで1つ。これはご理解されているかと思いますが、プロ化の問題ですよ、協会の運営の」
池谷氏
「はい」
馳議員
「少なくとも事務局体制というのは、残念ながら、体操協会と言ってもそんなに何十億もお金が集まっているわけではないと思います」
池谷氏
「全然ないと思います、はい」
馳議員
「そうすると、ほぼボランティアに近い形で少ない報酬で、もう100近い業務をやっていただいているのは、これは現実なんですよ」
池谷氏
「はい」
馳議員
「私達、これはこの番組をご覧の国民の皆さんにも、公益性のある団体の運営において、そのプロ化ということについてもご理解を求めていかなければいけない」
玉木氏
「馳さんが言われたことはすごくわかるんですけれども。まだ私もしっかりと調べていないからわからないのですけれども、日本体操協会、結構お金を持ってこようと思えば持ってこられる団体ですよね?」
池谷氏
「あの…」
玉木氏
「それが…」
池谷氏
「いくらかはわからないですけれども」
玉木氏
「それが、各クラブの方で止まっている。なぜ全体でまとめてお金にして、全体を運営しようというビジネスに、業界全体でビジネスをしようと動いていかないのか」
池谷氏
「だから、お金を生むということをまず協会の方で考える方がほとんどいない」
馳議員
「これは現在言ったように皆さんはそういう問題に関してはプロではありませんから」
池谷氏
「そうです」
馳議員
「たとえば、広告代理店やマネージメントの専門家が入れば…」
池谷氏
「入った方がいいです」
馳議員
「…十分に、あれだけスターを生み出している競技団体ですから」
玉木氏
「そう」
馳議員
「たとえば、フィギュアスケートのように、たとえば、サッカーのように、たとえば、バレーボールのように、たとえば、バスケットのように、協会の体質を変えていくことは必ずできると思うんですよ」
玉木氏
「できるはずですよね」
池谷氏
「いや、僕もそう思います。だから、誰か入って…」
松原氏
「先ほどの鈴木長官がおっしゃっていることは非常に重要だと思いますけれども。と言うのは、公金が入っている、これは税金が入っているということですので…」
池谷氏
「そういうことですね」
松原氏
「体操協会は、ある意味でプロ選手の集まりだとしたら、どうしてプロの集まり、一団体に、スポーツをしていない人も含めて、日本人全体が払っている税金が入るのかという問題が必ず起きるので、これは公の問題…」
馳議員
「そこが問題です。公金は強化費に使われている」
松原氏
「いや、そういうことです」
馳議員
「運営には使われていないです。それは、つまり、公的資金は法律によって明確に使い道が限定されていますよね」
松原氏
「はい」
池谷氏
「うん」
馳議員
「強化予算として、3分の1補助ですと。従って、ガバナンス問題には入ってないですよ」
松原氏
「強化ということが、いかに公正に行われているかを国民に説明しなければいけない」
池谷氏
「そうですよね」
馳議員
「おっしゃる通り。そこに評価項目の中に、まさしくインティグリティ、公平で…」
玉木氏
「公平性」
馳議員
「…公正な取り扱い、透明性が、説明責任が入っているかということが評価項目に入れるべきだというのが…」
松原氏
「そうです」
馳議員
「…我々が現在、スポーツ議員連盟で提案しているところです」
松原氏
「先ほどから第三者委員会とおっしゃっているのは、きっとそれに向かっていくのだと思いますけれども…」
馳議員
「はい」
松山キャスター
「あと何か不祥事が生じた時に、どこに告発が行われているのかという、最近の事例をちょっと振り返ってみると、レスリングの問題の時は、公益認定等委員会という内閣府の組織に告発が行われたと。アマチュアボクシングのケースだと文科省、またJOC、日本オリンピック委員会などに告発が行われたと。剣道の問題では公益認定等委員会、これも内閣府の組織ですけれども、またスポーツ庁に対して行われた。それぞれ告発先がこういう形になっているわけですけれど、問題が起きた時に吸い上げる、告発をきちんと受理して問題に対処するシステムというのが、各協会、スポーツの分野ごとにバラバラになっていると思うのですけれども、このあたりはどういう形で整理するのがいいのですか?」
馳議員
「あっ、これは私、簡単にいった方がいいと思います。公益認定等委員会、内閣府の法律や基準で定められている登録団体はまず内閣府に第一に訴えていただいても結構ですし、同時にスポーツ庁はスポーツの統括的な行政団体でもありますから、スポーツ庁に訴えても結構です。同時に独立行政法人である、公益性のある、公益性を持つ日本スポーツ振興センターのインティグリティ・ユニットもありますよということで。これは1つではなくてもいいと思っているんです」
玉木氏
「うん」
馳議員
「複数あった方が、複数の目が入るというふうな、緊張感があった方が良いと思っています」
池谷氏
「だから、起こるのはだいたい現場のことが多いではないですか、そういういろいろな問題が。現場がどこにいけばいいのか、どこに訴えればいいのかというのが、協会に訴えてもダメだと言うと、どこに訴えればいいのかというのがあまり知られていないですよね」
馳議員
「そこなんですよ」
池谷氏
「はい」
馳議員
「だから、申し上げたように、団体というのは、まさしく体操協会の場合には、公益認定法人ですから内閣府でもいいですし…」
池谷氏
「ですよね」
馳議員
「スポーツ庁でもいいです」
池谷氏
「はい」
玉木氏
「現在やろうとされているのは、その時、選手が問題だと、抗議したいという時にはJSCの広げた窓口に行けばいいわけですよね?」
馳議員
「おっしゃる通りです」
池谷氏
「だから、それだけ、それをちゃんともっと現場に伝えられるようなシステム…」
玉木氏
「うん」
馳議員
「…そこは行政がアシストする必要があると思います。同時にこういう時代ですから、ネットでも、あるいはLINEでも…」
池谷氏
「そうですね」
馳議員
「受けつけることができるシステムは必要なのではないですか」
玉木氏
「そのJSCのシステムはいつ頃できるんです?」
馳議員
「もう既にインティグリティ・ユニットというのはあるのですけれど、案件が…」
玉木氏
「ええ、それを広げて…」
馳議員
「ええ、その機能を広げていきましょうというのが現在、提案しているところであります」
松原氏
「アマチュアボクシングは、ルートはわからないから全ての場所に出すという」
馳議員
「もう1つは、もう1つの役割は報道機関です」
玉木氏
「そうですよ、ジャーナリズムですよ」
馳議員
「はい」
玉木氏
「問題は。私は自戒を込めて言いたいですね」
松山キャスター
「今回のケースだと、まさに18歳の宮川選手が自ら記者会見を行って…」
池谷氏
「そうですね、声をあげたから」
松山キャスター
「告発を…カメラの前で自分で行ったと」
池谷氏
「はい」
松山キャスター
「ただ、こういうケースが常態化するとよくないと思うんですよね」
池谷氏
「まぁ、稀ですよね、これは」
松山キャスター
「そういう意味でそういうものでなく、きちんとした、吸い上げられる、何か問題があれば、情報が上に上がってくるシステムがちゃんとなければいけないということですね?」
池谷氏
「はい、そうです。それは現場の方達がそれをちゃんとわかっていて、ちゃんとすぐできるような状態にしなければいけないと思うんです。まだまだどこに行ったらいいのとか、わかっていない。言いたいのだけど、どこにいったらいいかわからないという方は結構いると思うんですよ、現場では」
松山キャスター
「なるほど」
池谷氏
「それをどういうふうに簡単に上に上げられるかというシステムをつくって、それを宣伝してもらって、やってもらいたいなというのは、すごく現場の人間としては感じますよね」

東京2020に向けて 『アスリート ファースト』
斉藤キャスター
「さて2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本のスポーツ界がどう変わっていくべきか話を聞いていますが、日本オリンピック委員会の金メダル獲得目標です…30個」
馳議員
「これ、アウト!」
玉木氏
「アウト!」
馳議員
「これは数字に出しちゃいけないですよ、本来は」
玉木氏
「そう」
馳議員
「IOC(国際オリンピック委員会)の倫理規定…」
玉木氏
「JOC(日本オリンピック委員会)が言っちゃいけないですよ」
馳議員
「だから、本当は、これはアウトですよ」
松山キャスター
「では、何で出しているのですか?」
馳議員
「だから、山下さんに言わなければいけないのだけれども、これはやってはいけないですよ、本来は…」
玉木氏
「IOC…」
馳議員
「IOCの倫理規定をちゃんと読んでいるのだったら…」
玉木氏
「うん」
馳議員
「…国別のメダル目標数を出しちゃいけないです」
松山キャスター
「なるほど」
馳議員
「だから、最初に言っておかないと」
玉木氏
「IOCの下部組織ですから、JOCは。ですから、やってはいけないんですよね、これは」
松山キャスター
「でも、意欲的な何か目標があるようですけれども」
斉藤キャスター
「そうですね。1964年に行われた前回の東京オリンピックと、2004年のアテネオリンピックで獲得した16個というのがこれまでの最多記録でしたから、ほぼ2倍、およそ2倍近い…」
馳議員
「私は、まったくこの数字に意味は感じておりませんので」
斉藤キャスター
「その環境づくりのためのキーワードの1つとされているのが選手第一主義、つまり、アスリート・ファーストということですが。しかし、この夏、アスリート・ファーストをめぐって賛否が分かれるような出来事がありました。皆さん覚えていますか。議論の的になったのは、今回100回目を迎えた夏の高校野球で準優勝を果たした秋田県の金足農業高等学校のエース・吉田輝星投手の投球数です。秋田予選から1人で投げ抜いてきた吉田投手ですが、甲子園でも準決勝まで1人で投げ抜きました。この時点で749球。準決勝の翌日に行われた決勝では5回まで投げたところでマウンドを譲りましたが、総投球数881球にも達していると。吉田投手のがんばりには称賛の声が上がった一方、この投球数の多さが選手生命を縮めてしまうのではないかと危惧する声も上がったということですね。このアスリート・ファーストに照らした時に、果たして本当にこのままでいいのかということなのですが、玉木さんはどう感じますか?」
玉木氏
「これは論外です」
松山キャスター
「球数を制限するとか…」
玉木氏
「いや、球数制限とかは、これは不可能ですよ。と言うのは、球数制限をしたら強い学校の方が、ピッチヤーをたくさん持っている方が勝つ。だから、試合のシステム、そのものを考えて、トーナメントで1500校ぐらいが参加して、1日戦ったら半分が、試合ができなくなるというのが、果たしてスポーツをやる大会としていいのかという…」
馳議員
「これは根本的に考えなければいけないです」
玉木氏
「おまけに、開会式でなぜ皆が自衛隊の入場行進をやるのですか?いつの間に手をこんなにして、自衛隊と同じ行進をするようになったのか。アレをなぜ皆が手を振って喜んで出てくるような形にできないのか…」
馳議員
「なぜですかね」
玉木氏
「なぜですかね」
松原氏
「今年はすごく暑かったではないですか」
玉木氏
「そう、おまけに…」
松原氏
「熱中症が問題になっている時に」
玉木氏
「そう」
馳議員
「これは、高体連…」
松原氏
「いつもと同じようにやっているのは」
玉木氏
「テレビで、外で運動するのは控えましょうと、野球だけはいいのですか。これを喋りだしたら2時間ぐらい」
馳議員
「…高野連と高体連と中体連も含めて、関わっていますけれども、いや、だったら、地域のリーグ戦というものを1つの…」
玉木氏
「そう。トーナメント…、リーグ戦」
馳議員
「リーグ戦方式を1つの…」
玉木氏
「やり方」
馳議員
「競技の練習してきた成果の場として提供したり、インターハイをやめちゃって、国体と一体化した…」
玉木氏
「そう、一体化してやるとか」
馳議員
「一体化したことにして…」
玉木氏
「試合数は減らして」
馳議員
「抜本的に改正していかないといけないのではないかと」
玉木氏
「アルプススタンドで補欠と言われた選手が、あそこにあれだけたくさんいるわけでしょう。あの人達、3種類ぐらいのスポーツをやったら日本のオリンピックの金メダル数はドーンと増えますよ」
馳議員
「…」
松山キャスター
「夏の高校野球を1つの例として取り上げましたけれども。松原さん、いわゆるアスリート・ファーストというその精神、概念ですね、これが日本のスポーツ界に根づくためには現在どういう課題があると考えますか?」
松原氏
「アスリート・ファーストという言葉が出てきたのは先ほどの、この前の様々な団体からどうも長老の方々がつくってきた様々なシステムが現場の…」
松山キャスター
「組織の上の方の人が何かルールづくりを…」
松原氏
「…やり過ぎて、現場の選手のスポーツをする権利の阻害ではないかと、だいたいそのつながりで出てきたと思うのですけれども。ただ、特にこの高校野球というのは、プロとまったく違うレベルで捉えるべきだと思うんですね。これはあくまで教育ですから」
玉木氏
「教育ですよ、学校…」
松原氏
「その中で、将来プロになるかもしれない人が肩を壊したらどうするんだという言い方もあるかもしれないけれども、全体としては、これはあくまで教育ですので、教育としてこんなにたくさん試合ばっかりしていていいのかとか、先ほどおっしゃったような、こういうことでもう一度見直していく必要があると思うんです。こうなってくると、違うことを言いたいのですけれども、結局は全ての国民がスポーツに何かで親しむべきだと思っています。しかも、それは高齢になっても生涯、スポーツと接するべきだと思っているのですけれども。そういう観点からいくと、この子達、場合によってもう18歳で引退とか、私のところの柔道部員ももう…」
松山キャスター
「肩を相当使いますからね」
松原氏
「…22歳で引退とか言っているのですけれども。引退?いや、生涯、引退すべきではないと思うので。そういう意味では、本当は日本中でもっとスポーツをしやすいような環境。税金ももう、強化も重要です、これはトップの人達がいて初めて下にもいろいろな知識も回ってくるのですけれど、このバランスがちょっとテレビに出るようなプロ野球、テレビ出るような甲子園の野球とかに、あまりにも国民の視線もお金も集まり過ぎているのではないかと。ですから…」
松山キャスター
「注目が集まるスポーツにばかりいってしまうと」
玉木氏
「プレイヤーズ・ファーストで言うと、甲子園で監督のインタビューがありますでしょう。あの時に『よく選手達がやってくれました』と言うんです。別にあんたのためにやっているわけではないといつも思うのだけれど。ただ、アジア大会で素晴らしかったのが、池江選手に対してコーチの方が観客席から『おめでとう』と言ったんですよね」
松山キャスター
「あぁ」
玉木氏
「コーチの人が選手に向かって『おめでとう』と言ったのは、ひょっとしてこれは初めて聞いた言葉かなと」
斉藤キャスター
「そうですか?」
松山キャスター
「『よくやった』ではなくて『おめでとう』」
玉木氏
「よくやったとか、よくがんばったとか…」
松原氏
「よくやったって言っていたんですね、これまでは」
玉木氏
「これまでは。ところが…」
松山キャスター
「それはなんとなく組織の上から下を見る目線」
玉木氏
「そう、よくやったと」
松原氏
「俺のためによくやったと聞こえなくもない」
玉木氏
「よくやったと。それが、池江さんのコーチが『おめでとう』と言っているのをテレビで見た瞬間に、ああ、良いコーチにつかれてよかったなとすごく思ったんですよ」
松山キャスター
「それは対等に見ているということですよね?対等か、選手重視…」
玉木氏
「対等…。だから、選手とコーチというのは対等なんですよ、本当は。コーチというのは、何度もそこら中で言っているのですけれども、4頭立ての馬車という意味ですから。選手を目的地に運んでいくのがコーチで、何も綱をつけて引っ張っていくのがコーチではないわけですよね。そうしたら、自分はこういうコーチをして馬車に乗せてあげましたと、成果が出ました、うわっ、おめでとう、ですよ。よくやったという言葉ではないないなという。それがちょっと感激しましたね、アジア大会で」
松原氏
「それでいくと、先ほどの30個金メダル獲るという問題がありましたけれども、スポーツというのが国民にとって何かと考えた時に金メダル数でしかないというのは…」
馳議員
「まったく意味がないです」
松原氏
「…大きな問題だと思うんですよ」
馳議員
「まったく意味がないです」
松山キャスター
「そこからして認識を変えていかなければいけないということですか?」
松原氏
「変えていかないと」
玉木氏
「それはメディアが…」
松原氏
「今回の誰々選手が新しい技をやって、あっ、これちょっと自分もやってみたいとか、国民がそういうように思えるようならないと。たとえば、柔道で新しい技ができた。あっ、俺もやってみる、というのが本当は国民として楽しいはずなのですけれど、勝ったかどうかだけになるというのは不健全だと思いますね」
玉木氏
「2年後のオリンピックで、オリンピックというのは、1番大事なことは、これが平和運動であるということですよね」
松山キャスター
「そうですね」
玉木氏
「世界選手権とか、ワールドカップとは違うということですよ。オリンピックをやることによって、どれだけ世界に日本が平和を訴えることができるかというのがオリンピックの1番大事なところなので。そういうところを間違えずに、我々ジャーナリストは報道していきたいと思いますね」
松山キャスター
「馳さん、この選手重視、アスリート・ファーストという概念を、これから日本で広めていくためには?」
馳議員
「2つ、情報と運営ですね。アスリート、小学生・中学生・高校生それぞれの立場で、スポーツを楽しむために必要な情報というのは提供される。自分で判断できて、その判断をサポートする環境があるということ。それから、運営というのは、まさしく中体連・高体連・高野連の、凝り固まった概念をぶち壊すことですね。何でもっと補欠にも、補欠という言葉があること自体、私は大嫌いですよ。皆に発表する場を与えてやっていいじゃん。リーグ戦でいいではないですか。インターハイと国体を一緒にしたっていいではないですか。それを何かトップに行こうとするが故に誰かを排除していこうとするようなシステム自体がまったく教育的ではないですね」
松原氏
「今おっしゃったことでいくと、いろいろなスポーツの楽しみ方があるのだということを示していただければ。そうでないと、指導者が言うことしか知らない子供達、それから、その指導者も含まれた、団体の言うことしか知らないグループができちゃう。こういうのを打破するためには、それ以外のところから、しかも、ちゃんとしたところが、こういうふうなスポーツの楽しみ方があるのだと」
馳議員
「それは管理型から脱して、自主参加型・探求型ですね、チームワーク型、その中からこそ…」
玉木氏
「スポーツの本質ですね」
馳議員
「はい。その中からこそリーダーシップが生まれてきますよね」

松原隆一郎 東京大学名誉教授の提言:『すべての国民にスポーツを』
松原氏
「すべての国民がスポーツを楽しめるようなそういうスポーツ行政。これはトップのオリンピックに出る選手達を否定しているのかというとまったくそんなことはなくて。オリンピックというのは最先端の人達が最先端の知識と技を磨く場所ですから。これは、その場が終われば、次に国民に還元すべき知識だと思うんです。これは最先端の科学技術と同じですよ。しかし、これまではトップの選手が金メダルを獲ると、その方だけの名誉になったり、その情報が出てこなかったり、もしくはそれをもとにして、どなたか育てた方が権利を持ったりする、ドンドン狭くなっていたと思うのですけれど。日本はある時代まで必要なこともあったのでしょうけれど、もうスポーツでも先進国ですから、これからあとは全ての国民がこれで納得しながらさらに支えていくような好循環を起こすようにしていただきたいと思います」

スポーツ文化評論家 玉木正之氏の提言:『スポーツとは何かを勉強しましょう!!』
玉木氏
「『スポーツとは何かを勉強しましょう』と。これは自戒を込めて言うのですが、私もスポーツライターとしてずっと、22歳ぐらい時に名乗って、37、38歳になるまで勉強しなかったんですよ。ある時、ビックリしたのは、サッカーの意味がわからなくて。えっ?サッカーという意味を知らないのに、サッカーを書いていたわけですよ。バレーボールの意味も知らなければ、サウスポーという意味も知らなくて…」
松山キャスター
「なんとなく定型文があって、それに合わせて」
玉木氏
「そう。それを全部知った時に、もう時間がないので説明できませんが、すごく楽しい。と言うことは、スポーツは体育だけではなくて、知育もあれば、徳育もあるわけですよ。知育・徳育・体育が揃ってスポーツです。そういうスポーツを皆で勉強しないと、2022年…2024年からはeスポーツも入ってきますから、果たしてそれがスポーツなのかという。あの、コンピューターゲーム、これで一気に…」
松山キャスター
「コンピューターゲームが種目として入ってくるということですか?」
玉木氏
「そう、正式競技として、eスポーツ。それはスポーツですかというようなことは、また取り上げてください」

馳浩 元文部科学大臣の提言:『コミュニケーション』
馳議員
「コミュニケーション。私達、特に指導者に近い立場の者はちゃんと耳を傾けて聞きましょう。選手達の声に、また、観客の声に耳を傾けましょう。コミュニケーションあってこそスポーツの意義があるのではないのかなということです」