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2018年8月30日(木)
訪朝『突然中止』の裏 トランプ政権で今何が

ゲスト

佐藤正久
外務副大臣 自民党参議院議員
薮中三十二
元外務事務次官 立命館大学客員教授
平井久志
ジャーナリスト

米国務長官訪朝『直前中止』の裏側
生野キャスター
「今週予定されていたアメリカのポンペオ国務長官の北朝鮮訪問ですが、発表された次の日に一転、トランプ大統領の指示でキャンセルされました。手詰まり感が否めない米朝の非核化交渉はこのまま頓挫してしまうのでしょうか。北朝鮮をめぐる外交の難しさを熟知する皆さんとじっくり議論します。今週予定されていたポンペオ国務長官の北朝鮮訪問が突然キャンセルされたのは、現地時間の24日です。それを発表したのは、トランプ大統領のツイッターでした。『非核化に向けた十分な進展が見られないため、今回の訪朝を取りやめるようポンペオ国務長官に指示した』とツイートしました。薮中さん、これによりますと、訪朝キャンセルの理由は北朝鮮の非核化が十分な進展を見せていないからということですけれど、トランプ大統領の本音、それから思惑をどう見ていますか?」
薮中氏
「その間に北朝鮮から言って、いろいろな連絡があったとか、書簡があったとか、言われていますよね。それで、向こう側からもいろいろと不満が言われていると、現状について。両方が不満を言い合いしている状況ですね。1番大事なことというのは何か、我々が読む時には6月12日が何だったのかということだと思うんですね。歴史的な会談だったという評価、それが1つあるのですが、いかにも不出来で、いかにも甘々の内容だったと。そのツケが現在きていると、そういうことだと思います。もう少し具体的に言えば、トランプさんが1人相撲をとちゃって、それで実はできあがったことというのは結構、北朝鮮が要求したことが随分書かれているということですね。だから、そこのズレが現在、表面化したということだと思います」
生野キャスター
「アメリカのメディアは、北朝鮮からの書簡がトランプ大統領の決断に大きな影響を及ぼしたのではと報じています。ワシントン・ポストは『ポンペオ国務長官が訪朝を取りやめるのに十分なほど好戦的な内容だった』という記事を掲載。CNNテレビは『非核化交渉が早期に瓦解する恐れがある。アメリカの平和条約への関与なしに前進はない。アメリカの譲歩がなければ、核・ミサイルの動きを再開する』とアメリカ側に警告する内容だったというふうに伝えています」
平井氏
「非常に面白いと思うのは、6月に一度、大統領は中止の書簡を出しましたよね、自分の…」
松山キャスター
「自分の首脳会談中止…」
平井氏
「アレと非常によく似ているんですよね。あの時も崔善姫さんは、会議場で会うのか、核対核の対決で会うのか、それで私は首脳会談の中止を最高指導部に進言する用意がある、みたいなことを言っていて、非常に激しい言葉を使っているんですよね。それと、今回の金英哲さんの書簡というのは非常に似ていて。あの時はすぐに北朝鮮が、いわば、金桂冠さんの第1外務次官が少し謝るような談話を出して軌道修正に動いたのですけれど」
松山キャスター
「トランプ大統領は偉大なリーダーだ、みたいなことを持ち上げて、持ち直しましたね」
平井氏
「そうですね。我々は非常に後悔したのだという。ですから、今回は、しかし、トランプさん自身が否定的な評価をしたために、そこの対応の仕方を少し現在考えているというところがあって。状況的にはトランプさんのショック療法というのですか、前回もキャンセルしたことによって北側の軌道修正をさせた。だから、今回もおそらく強く出ることで非核化に対してちゃんと前向きの対応をしないと破局が待っているよという、そういう前回と非常に似通った側面はあるのではないのかなという気がします」
佐藤議員
「1点、前回と違うと思っているのは中国です。前回はそこまで習近平国家主席と金委員長がそんなに会っている…、会う前でしたから。今回はこの半年ぐらいの間に実は3回も会っているんですよ。これは非常に前回と違って北朝鮮にとって後ろ盾としての重みがあると思っていて。実際、6月12日の時も中国の政府専用機で、しかも、中国国旗というものを消さずにそのまま…」
松山キャスター
「乗って飛んできましたね」
佐藤議員
「政府専用機に乗って、その国旗の前のタラップから…タラップで降りてきたというぐらいでありますから。そこは若干、前回と似ているところはありますけれども、中国の後ろ盾の強さというのは、前回の米朝首脳会談時とはまた違うというふうには思います」
薮中氏
「前回は米朝首脳会談。つまり、トランプ自身が登場するのをやめるかどうかということだった。今度はたかが国務長官。たかがと言うのは、トランプさんに言わせれば、ワンマンショーですからね。閣僚合意したところですぐに、あんなのダメと言うのが現在のトランプさんです」
松山キャスター
「なるほど」
薮中氏
「だから、ホワイトハウスというのは、トランプさんのワンマンショーであって。だから、俺がやらないといかんとたぶん彼が敏感に感じたのは、これは行ってもいい結果があまり出ないなと。そうだと、また、変ないろいろなこと言われるようになると。それよりはもうポンと行かない方がいいと。ただ、これでよく見ておかなければいけないのは、トランプさんが引き続き言っているのは、自分がやったことですから、6月12日というのは、だから、彼は失敗しないんですよ」
松山キャスター
「失敗したと見せられないと?」
薮中氏
「そうなんですよ。私はベスト・ディールメーカーですから、私は失敗しませんと言う人ですから。だから、今度のも金正恩委員長との関係を非常に良好で、温かいものがまだあるんだということを言っていますでしょう」
松山キャスター
「言っていますね」
薮中氏
「だから、そのへんのところ。どういうことかと言うと、トランプさんが北朝鮮の問題を切迫して考えているかどうかと。僕らは緊急の非常に重要な問題と思っていますよね。もうトランプさんは、あそこでだいたいある程度のことはやったと。北朝鮮もミサイルを撃ってきていないと。だから、ちょっと置いておいてもいいのだと。だから、時間的にはまず中国と、変な話ですよ、中国と貿易交渉で貿易摩擦を、アレをまずやってからだと、そんなことはこっちに言わせれば…」
松山キャスター
「ご自身のツイッターで言っていますね、そういうことは…」
薮中氏
「こっちに言わせれば、全然意味のないことですけれども。彼の頭の中の整理は、優先順位はどれかと。当面は中国との貿易交渉、これをやるんだと。北朝鮮は、まあまあ、もし北朝鮮が現在ミサイルを撃ったとか、核実験をしたら、これは大問題になりますよ。そうでない限りはちょっと横に置いておいてもいいというぐらいの頭で思っているのではないかなと疑っているんですよね」

北朝鮮『非核化』の実態は?
生野キャスター
「先週、IAEA、国際原子力機関がまとめた報告書によりますと、北朝鮮の寧辺にある核施設の黒鉛炉、つまり、核兵器のプルトニウムを生産するための原子炉を、今年4月下旬から5月上旬にかけて短時間稼働した形跡があり重大な懸念だとしています。これは北朝鮮が完全な非核化を目指すと宣言した4月末の南北首脳会談のあとも核施設を稼働していたことになります。それから、北朝鮮分析を専門とするアメリカの研究機関『38ノース』によりますと、米朝首脳会談以降、解体作業に着手していたとする北朝鮮北西部、東倉里の発射場で、8月3日以来、ロケットエンジン試験台やミサイル発射台の解体作業に進展が見られないとしています。北朝鮮の非核化が進んでいないとする最新分析結果ですけれども、平井さんはどのように捉えていますか?」
平井氏
「長く北朝鮮を見てきた者としては当然かなという気がしますね。アバウトな非核化ということを約束しただけで、たとえば、核物質をつくらないという具体的な約束をしたわけでもないわけですから。そういう北朝鮮からするとむしろ求められていなかったミサイル発射場の解体をやったこともサービスぐらいに思っているだろうと思いますよね。だから、あまり抽象的な、完全な非核化に努力という、そういう合意をしたからと言って、北朝鮮という国が個別の個別・具体的な非核化の道をやると考える方が甘いのではないのかなという気がしますけれども」
松山キャスター
「日本としても北朝鮮がそう簡単に非核化の動きに転じるというふうには楽観視はしていなかったと思うのですけれど。こういった情報が出てきたということで、やっぱりという感じなのですか?」
佐藤議員
「当然、日本としてはCVIDがいくまでは制裁を続けるべきだということを繰り返し言っておりますから。途中で制裁をやめてしまったら、戻ってしまう。昔みたいに可逆的になってしまいますから。もう3度騙されるわけにはいきませんから、ここは最後まで制裁を続けるというのが基本でこれまでも言ってきました。今回の寧辺におけるこのIAEAの報告、寧辺というのは、これは実は核物質をつくるのと、あと発電所としての役割も持っていますので、住民用、あるいは生活関係の発電をするということも言えないことはないわけで。さらにミサイルの方についてもまさに解体をしたと言っても、これは1番難しい発射台は、これは解体も爆破もしていないです。向こうの実験上の方の…については、爆破はしましたけれど、ミサイル施設の方が爆破はしていないです。解体を一部したと。と言うことは、1番肝の部分は爆破もしていませんから、まだ組み立てようと思ったらまた組み立てることができる、可逆的な状態のまま現在止まっているという報告ですから。それにおいては、我々としてもまだ非核化、あるいはミサイルの廃棄に向けた具体的な大きな動きはまだまだ見られていないという評価をせざるを得ないというふうに思います」
松山キャスター
「ポンペオ国務長官ですけれども、声明を発表しているのですけれども」
生野キャスター
「28日に、ポンペオ長官、国務省報道官が明らかにしました。『北朝鮮を完全に非核化するというシンガポール会談でのトランプ大統領との約束を金委員長が実行する用意があると明確になれば、アメリカは交渉に関与する用意がある』というふうに、ポンペオ国務長官の声明を国務省報道官が明らかにしました」
松山キャスター
「薮中さん、この声明から見えるアメリカ側の思惑というか、なかなか北朝鮮がそういうことに、非核化を明確にやってくるだろうということがないという可能性が濃厚になっている中で、こういう声明を出していると、これはどういうふうに?」
薮中氏
「普通非核化と言うと、それは何をやっているのですかと、そこから始まるわけですね。申告というのは。それがわからないですよね、北朝鮮の場合。我々はわからないと思うんですね。皆おそらくこのぐらいのものを持っているのではないかと、核弾頭はね。プルトニウムと濃縮ウランと2つの種類があるわけですよね。プルトニウムならだいたいこのぐらいというのがわかっていたのですけれど、濃縮ウランから出てくる核弾頭が何発かというのはわからないですよね。皆、ゲスワークをしているのですけれども、ここが難しいの。それから、重要なことは、それは何を持っていて、どれだけのものを持っているのだということがまずわからないといかんと。だから、北朝鮮のこの核問題で申告というのはすごく大事ですよね。そこがすごく大事で。わかりませんからね」
松山キャスター
「でも、アメリカ側が申告をまず先にやれということを北朝鮮に言っている状況からすると、現在の北朝鮮はそう簡単にはそれに応じないですよね?」
薮中氏
「うん。だから、核問題のプロならこれが当たり前の議論ですね。だから、それをやるよね、と思っていたら、トランプさんが行って、勝手に、まぁまぁ、そんなことはちょっと、より非常に大きな平和をつくるのだという感じでやっちゃったんです。だから、そこがすっぽり抜けちゃったわけですよ。これをまず明確にしろよということぐらいは、初めに言わなければいけなかった。そこが抜けているんですね。北朝鮮の、敢えて、弁解ではないのですけれども、彼らは頭の中がどういうふうになっているかと言うと、せめて終戦宣言ぐらいしてくれたら、敵対関係、これがなくなるのだと。それを明確にしてくれよと。そうしたら自分達もこっちにやるよというところはあるのかもわからないです」
佐藤議員
「でも、逆に終戦宣言をやったら、急ぐ必要がないのかもしれないですよ、非核化について…」
薮中氏
「うん、だから…」
佐藤議員
「そういう危険性もありますから、そう簡単にアメリカは乗れないと思います」
薮中氏
「…それは、終戦宣言をしたからと言って、経済制裁を解くわけではないですよ。終戦宣言というのはこれまでの朝鮮戦争の…終戦ですから」
佐藤議員
「ただ…」
薮中氏
「経済制裁というのは彼らの核開発に対する制裁ですから」
佐藤議員
「ただ、少なくとも敵対関係がなくなるわけですから…」
薮中氏
「ええ」
佐藤議員
「斬首作戦とか、そういう恐怖はなくなるわけです」
薮中氏
「まあ、斬首作戦はともかくとして…」
佐藤議員
「そういう自分の身の危険の部分は、少なくとも終戦宣言をやれば…」
薮中氏
「そう…、なくなるんですよ
佐藤議員
「これは極めて実は体制維持を考えている人間からすると大きなものだと…」
松山キャスター
「ある意味、非核化ということに本当に北朝鮮が応じるとなると、これまで核開発、ミサイル開発を続けていた軍の当局者も説得しなければいけないわけで…」
佐藤議員
「ええ、そうですね」
松山キャスター
「そういう意味では、終戦宣言ぐらいせめてとっておかないと、そこも説得できないだろうという、そういう思惑が、金正恩委員長にもしかしたらあるのかなという、そういう気もするのですけれども」
佐藤議員
「当然、そういうのはあるでしょうね。これまで、そこまで一生懸命つくれ、つくれと言ってきたわけで。実際この前、北朝鮮の報道で、核・ミサイルに携わった人間が久々に登場したんですよ。これも北朝鮮のアメリカに対するメッセージで、いつでも、だから、我々はつくれるぞというメッセージ。だから、昔よりちょっと元気になっているんですね」
薮中氏
「だから、こっちも条件をつければいいんですよ。終戦宣言をやるよと、その代わりちゃんと申告をまずその場でただちにやれというふうなきっちりとした条件をつけて。それが交渉ですよね。その交渉をアメリカは、ちゃんとうまいことやってくれよと」

真の標的は中国? トランプ大統領の狙い
生野キャスター
「トランプ大統領は『中国が以前より非核化に協力的ではなくなった。次回のポンペオ国務長官の訪朝は、中国との貿易問題が解決した後になる公算が大きい』とツイートしています。それに対して中国外務省の報道官は『事実に反しており無責任だ。コロコロと態度を変えたり責任を人になすりつけるべきではない』というふうに反論しています。こうした中、29日、トランプ大統領は『北朝鮮は米中貿易摩擦が原因で中国からの圧力にさらされている。中国は資金や燃料・化学肥料など様々な物資を相当量供給しており非核化進展に役立っていない』とツイートしています。中国との貿易問題、それから、北朝鮮との非核化を一緒に論じているようにも見えるのですけれど、佐藤さんはどういうふうに見ていますか?」
佐藤議員
「そもそも中国というのは、安保理の常任理事国で国連制裁に対する責任を有しているという側面。加えて、中国との貿易、中国が北朝鮮の貿易を考えた場合、北朝鮮の貿易の9割相当が中国ですから、いろいろな意味で、影響力があるのは間違いないし、責任も有して間違いないという中で今回の北朝鮮が以前よりも非核化のプロセスに乗ってこなくなった原因の1つに、3回の中朝首脳会談があったように、中国の影響力があるのではないかという見方を、おそらくトランプ大統領はされているのだろうなということで、こういう形になったと思うのですけれども。ただ、トランプ大統領はもともと経済問題と安全保障の問題というのはくっつけて議論することが多い…」
松山キャスター
「好きですよね、大きなディールをまとめるという…」
佐藤議員
「今回の日米の貿易摩擦においても、安全保障上の条項を理由に鉄鋼・アルミに25%をかけるということを言った。あるいはNATO(北大西洋条約機構)との防衛費、これを上げると言った時に、EU(欧州連合)との貿易で17兆円の赤字があるのに、なぜNATOの国防費の7割を俺達が負担しなければいけないのだと。さらに、トドメとして、ノルド・ストリームというパイプライン、ガスパイプラインを…」
松山キャスター
「ドイツとロシアのパイプラインですね?」
佐藤議員
「ドイツとロシア間…。NATOにとって非常に触れてほしくないというふうに、交渉に使ったとか、そういう部分はもともとありますから。そういうのは別に驚くことはないと思うのですが。ただ、今回の米中の貿易摩擦の問題とこの非核化の問題は、これは別問題ですから。そこを本当に絡めてやろうという気持ちはおそらくないと思いますけど、ただ、中国に対するメッセージとしてこういう形で言っている場合はあるかもしれませんけれど、北朝鮮に対してはかなり、米中の貿易を北朝鮮問題の解決のために使おうというのはあまりないのではないかと私は思います」
薮中氏
「彼の頭では、貿易と、それから、北朝鮮の問題というのは絡んでいるんですね。貿易というのは中国との貿易。だから、選挙戦であれだけ中国の貿易赤字が問題だと毎日言ったのに、2017年、昨年は一度も言わなかった。それはなぜかと言うと、中国が北朝鮮の問題で助けてくれるからだと。だから、当分置いておきましょうと言ったんです。今年に入って、俺がもうできるのだと、北朝鮮の問題は。となった途端に中国との貿易問題が出てきたんです。今度は何かというと、北朝鮮とうまくいかなくなると、アレはまた中国が問題だということになって。現在明らかにトランプさんの中でのプライオリティと言うのですか、優先順位から言うと、中国との貿易摩擦、これをどうするということだと思いますね。これについても、でも、今日、ツイートしていまして、インタイムと。そんなに時間かからず何とかできるだろうと。それは俺と、つまり、トランプさんと習近平さん、この2人でやるのだと。2人の関係についてはまだ、まだ十分しっかりしたものだと、非常に強い絆があるのだと言っているんですね。だから、たぶん11月とかに米中の首脳会談があるのかどうか、APEC(アジア太平洋経済協力)とか、いろいろなのがありますよね…」
佐藤議員
「APECがありますからね」
薮中氏
「だから、そのへんをターゲットにしてやると。そのあとだという感じなのではないですか」
松山キャスター
「それは中国との貿易摩擦問題の方が、頭の中ではすごく優先順位が上になっているということだと思うのですけれども、ある意味、アメリカの中間選挙が11月に迫っていますけれど、そういったことも考えると、北朝鮮ではそう簡単に進展できないだろうし、得点にはならないから、まずは中国の貿易問題先にやって、アピールした方が得点になるからという、そういう打算も働いている?」
薮中氏
「あるでしょうね。農民の票が、現在、中国との貿易摩擦でアメリカの農産品の中国への輸出がちょっと影響を受けていると。これは選挙にはあまりよくないということがありますからね」
松山キャスター
「なるほど。平井さんはそのあたりどう見ていますか?」
平井氏
「そうですね。だから、トランプさんにとって中間選挙が、何が1番メリットがあるのか、当初はおそらく外交的な成果はあまりありませんでしたから、米朝首脳会談の成果を中間選挙の成果にしようとしたのだと思うのですけれど、ここにきてそれがうまくいかないから、むしろ中国の問題を前面に出して、貿易問題を前面に出した方が選挙戦にとって有利だということで、北朝鮮のランクが少し下がっているのではないのかなという感じはしますよね。ただ、完全に捨てたわけではなくて、おそらく現在、それの頭の中のシーソーゲームが行われているのではないのかなという気がします」

『終戦宣言』と『非核化』
松山キャスター
「南北首脳会談での成果として出てきた終戦宣言というところに北朝鮮は1番こだわっているのだと思うのですけれど。これは先週、北朝鮮が発表した外国向け宣伝サイト『わが民族同士』というところに発表された文章ですけれど。『終戦宣言は朝鮮半島や世界の平和と安全保障に向けた最初の工程となる。終戦宣言をすることによって、米朝間の軍事的対峙状態が終わり、信頼醸成に向けた雰囲気が整えられるだろう』ということで、これは平井さん、終戦宣言というのが現在の北朝鮮の最優先事項になっているということの表れということなのですか?」
平井氏
「そうです。米朝首脳会談で出た『新しい米朝関係』、新しい国家関係を結んだということのスタート台が終戦宣言だという考え方ですから。これをまず獲って、その基礎の上に次のステージに行こうという考え方だと思いますね」
松山キャスター
「まさに戦争終戦宣言については、実はトランプ大統領もちょっと口を滑らせたのではないかという話が現在出てきているということで…」
平井氏
「首脳会談の前には非常に積極姿勢でしたから、してやってもいいよ、みたいなことをおっしゃっていたので、そこにちょっとつけ込まれたという点もあると思います」
生野キャスター
「29日、アメリカのインターネット・メディアはこの件について、このように報じています。『米朝首脳会談の際、トランプ大統領が金委員長に対し、朝鮮戦争の終結宣言をすぐに署名すると約束した可能性がある』と。これに対し、アメリカの国務省はこの報道について『コメントしない』としています。トランプ大統領が終戦宣言をすぐに署名すると約束したという報道に対して、国務省は否定をしなかったわけですけれども。薮中さん、これはトランプ大統領が約束したということなのでしょうか?」
薮中氏
「米朝首脳会談の前に、既に相当言っていましたよね、トランプさん。平和協定にサインするようなことぐらいまで言っていたんですよね。だから、このへんのところは何か話として出ていた可能性はあるのでしょうね。だから、フェイクニュースだと言っていないですもの、コメントをしないと…」
松山キャスター
「否定していないですよね。佐藤さん、このあたり言っていたとしたらかなり状況変わってきちゃうと思うのですが」
佐藤議員
「まさに現在、言ったばっかり…、第3国間の首脳同士の内容について…」
松山キャスター
「ポロポロ、ポロポロとメディアから出てくる…」
佐藤議員
「…コメントしないというのは、私がコメントすることはあり得ませんけれど。当時、平和協定と終戦宣言の違いは何だという議論も、この番組でもしたように、非常にその当時は平和協定というのは、かなりの国境の確定の問題とか、あるいは手段の問題、いろいろとこれは時間がかかると。ただ、終戦宣言は政治的な意思の表れなので、そこはまだハードルは低いよという話は当時していましたから」
薮中氏
「そうですね」
松山キャスター
「トランプ大統領は、米朝首脳会談の前ぐらいには終戦宣言に前向きだという報道も結構出ていて、ある意味、ノーベル平和賞みたいなものを狙って、どこかで華々しく、そういう宣言をするのではないかという観測もあったのですけれども、現在の時点でも、まだトランプ大統領は金正恩委員長と相性があって、いつでも会うんだみたいなことをまだ匂わす発言はしていると。まだどこかで次の米朝首脳会談が実現され、そこで終戦宣言みたいなことを発表するタイミングは近くあると思われますか?」
佐藤議員
「そんな簡単にはないと思います」
松山キャスター
「その機運は後退していると?」
佐藤議員
「そんな簡単に、先ほど議論があったように、北朝鮮が非核化のスケジュールの最初の申告、それを現在簡単にするような状況ではないと思いますから。よって今回、ポンペオ国務長官の訪朝もなくなったわけですから。そこはもう少し時間はかかるのだろうという感じは持っておりますが。ただ、トランプ大統領が、お互いこのトップ同士の会談をやる前には、今回、新しく任命されたビーガンさんとか、あるいはポンペオ国務長官の調整という部分がないと、それは行かないと思います。終戦宣言というものと、非核化のスケジュールという部分は最低でも同時ではないと、それはさすがのトランプ大統領も非核化のスケジュールが何も決まってないのに終戦宣言ということは、現在の段階では考えにくいと私は思います」
松山キャスター
「薮中さんも、それは…?」
薮中氏
「まったくその通りだと思います。だから、最低限、この終戦宣言…。トランプさんは、ツイートで昔から随分書いていたんです、ウォー・トゥ・エンドと戦争は終わる、これを俺はやるんだと、やっていましたから。頭の中にあったから、かなり言ったことは、可能性はあるのですが。現在となっては北朝鮮がこれをすごく重視していますから。それをあげるのであれば、絶対に非核化の具体的な第一歩、それこそ第一歩である、ちゃんと申告しろと、これは絶対にとらなければいけないですよね。これだけ高くなったからね。逆にそれで、非常に良い材料に使ったら、交渉者として言えば、良い材料ができたなと。これは政治的な声明ですから」

新担当・ビーガン氏の起用の狙いと効果
生野キャスター
「先週、トランプ大統領は、北朝鮮担当の特別代表に新たな人物を起用しました。北朝鮮担当特別代表に就任したのは、スティーブン・ビーガン氏。彼の元々の専門はロシアです。これまで上院外交委員会のチーフスタッフを務めるなど、14年間外交顧問を務めて、2001年からブッシュ政権で、NSC、国家安全保障会議の上級スタッフを務めました。また2004年から自動車大手のフォード・モーターに入社。現在、国際担当の副社長を務めています。薮中さん、ビーガン氏を対北朝鮮政策の責任者に任命したトランプ政権の狙いをどのように見ていますか?」
薮中氏
「誰か必要ですよね、北朝鮮とのことをやるには。それでいろいろ代わる代わるやっていましたけれども、ソン・キムさんというのはフィリピンの大使ですか、そこからポンと引っ張ってきて、本人が辞めたい、辞めたいと、どうするのだと。特別代表というのは、これは議会の承認が要らないですね。だから、とりあえずこれをやるかと、決めるかと。現在だって東アジア担当の次官補はまだいないですよね」
松山キャスター
「そうですよね、代理しかいないですよね」
薮中氏
「昔であれば6者協議の代表というのは、東アジア担当の次官補だったんです。これが空席ですよね。とりあえず、この人をやるかということになって、いろいろ探してみるけれども、なかなか適当な人がいないですよ。適当な人というのは皆、トランプさんはダメだというのをサインした人が多いんですね」
松山キャスター
「選挙キャンペーン中…」
薮中氏
「選挙キャンペーン中。だから、この人はロシアの専門家ですよね。だから、北朝鮮問題でロシアの専門家でうまくいくのかなと思いますけれども。ただ一応、NSCでのスタッフをしていたと。そこでは全体を見ていたということだし、それから、ファスターの後任としても名前が挙がっていた人だということですから、一定の評価があるのだろうと思うんです。そういう意味で、実務経験もあるし、いろいろなマネージメントもできるだろうと、そういう期待感。私は、だから、北朝鮮については素人でも、そういう意味でのマネージメント能力には少し期待を持っています」
松山キャスター
「平井さん、このビーガンさんについては、ポンペオ長官が北朝鮮に行きますよという発表したのとほぼ同じタイミングで新しく任命されたということで発表になっていましたけれど、ある意味、ポンペオさんがビーガンさんにある程度、権限を移行して、北朝鮮と実務的な協議は今後ビーガンさん中心にまわしますよというアメリカからのメッセージのようにも見えたのですけれども、そういう意味合いはあるのですか?」
平井氏
「そうですね。何か問題が起こる度に、国務長官が平壌に行かなければいけないのでは国務長官の普通の仕事を考えたら難しいですよね。そういう意味では、自分の代理というか、権限を移譲してビーガンさんが具体的な交渉に当たるということをさせるために、引き継ぎもあって今回一緒に行こうとしたのだと思うんですよね。ただし、ちょっとここで問題なのは、北朝鮮はこの間、繰り返し北朝鮮の書いたものとか、喋ったもので言っているのは、我々は古いやり方はやらないのだと言っているんですね。新しいやり方だと。どういう意味かと言うと、実務者が積み上げていって、交渉するようなことは我々はやらない。トップダウン式の、上が合意したヤツを下げていくというやり方が新しい方式なのだということをしきりに言っているんですよ」
松山キャスター
「トランプさんのやり方に合わせたかのように、北朝鮮は…」
平井氏
「うん、そうですよ。そうすると、こういう実務協議をやる人を決め、実務能力があって、ポンペオさんと非常に息が合うのだと思うのですけれども、こういう人を任命したということが、たぶん北朝鮮側がこれまでは金英哲統一戦線部長がカウンターパートでしたけれども、これを下げてくる可能性があるわけですよね。そうすると、余計、米朝間の協議というのがノロノロ運転になっていく危険性も一方ではあるのではないのかなという」
佐藤議員
「あくまでもポンペオ国務長官のカウンターパートはこれまで金英哲氏であり、その特別代表、ソン・キムさんがやっていましたが、カウンターパートは崔善姫外務次官でしたから。だから、そういう面では、おそらくビーガン氏のカウンターパートは崔善姫外務次官になるのだろうと。ただ金英哲氏も崔善姫氏もかなり頑固だというのは有名ですから。全然譲らないと。特に難しい交渉になればなるほど、そういう頑固者を北朝鮮は出してくるという傾向もありますから、かなりビーガン氏も苦労するかもしれませんけれど。彼に期待したいと思っています。ただ、トップ同士の関係だけをお互いに崩さないという、お互いにトップ同士のことは、悪口は言わないけれども、その下の悪口は相当、北朝鮮も言っていますから。そういう面で言うとかなりいろいろなクセ球を投げながら、どういう形の交渉を今度やっていくのかと。おそらくビーガン氏もいろいろな作戦を立てているのではないかと思います」
松山キャスター
「前は北朝鮮もボルトンさんをかなり批判していましたけれども、トランプ大統領の批判はしていなかった」
佐藤議員
「ポンペオ国務長官のことも悪く言ったし、ボルトンさんも悪く。ボルトン氏とポンペオ氏も若干役まわりが違っていて。もっとボルトンさんはきつい役まわりをしていましたから、ポンペオ氏にとっては。だけど、どんなことがあってもトランプ大統領の悪口とか、批判を北朝鮮は言っていない」
松山キャスター
「薮中さん?」
薮中氏
「確かにトップ交渉ですけれども。両方そうだと。それで1番心配なわけですよ。また、トランプさんがやられるのではないか。だから、少しは用意してくれよと。トップ交渉の会談をたぶん設定すると思うんですね。その準備は誰かがやるんですよ」
佐藤議員
「やらないと…」
薮中氏
「そこで、しっかりやってくれと」
松山キャスター
「これまでとは違う真っ当な外交の積み上げみたいなのがもしかしたらこれでできるかもしれない?」
薮中氏
「完全な積み上げではないと思うのですけれども。まずこれをやった、決まったうえでトップ交渉が決まる。でも、その準備をするためには誰かがやらなければいけない」
佐藤議員
「ビーガン氏は光栄だと思っていると思いますよ。これまで議会と、あるいは行政の方を20年間やって、若干外れてフォード・モータースの方にいたわけですけれども、今回、ポンペオ国務長官との関係もあって、合うのかもしれない、ポンペオ国務長官と。今回、それを指名されたというのは極めて光栄に感じていることは間違いありませんから。かなり一生懸命やる可能性が私は高いと」

日朝『極秘接触』の真相と日米関係
生野キャスター
「アメリカや韓国が北朝鮮と外交交渉を行っている中で、日本も独自の接触をしていることをワシントン・ポストが報じました。7月にベトナムで日本と北朝鮮の情報当局高官が極秘接触していたことについて、事前に連絡はなかったと、アメリカ政府高官が不快感を示したと報じました。この報道に関して問われた菅官房長官は『報道1つ、1つにコメントするのは控える』としながらも、政府として拉致・核・ミサイル問題の包括的解決に向けて全力で取り組んでいると答えました。薮中さん、菅長官は日本と北朝鮮の接触についての報道を否定はしなかったのですけれども、どう見ていますか?」
薮中氏
「『1つ、1つにコメントするのは控える』と言っておられると、それに尽きるのだろうと思うのですけれども。基本的に、いろいろな格好で日本が北朝鮮と連絡をする、話し合いをする、そういうパイプがあってもいいと思うんですよね。むしろそれがないとおかしいということですから。これは事実だったかどうかは知りませんけれど、もしそういうことがあるのであっても、それは全然問題ないということですね。そういうパイプをつくろうとしている意欲がある…当然なければいけないと思いますね」
松山キャスター
「安倍総理は6月の米朝首脳会談のあと、特に日本は日本として独自に北朝鮮と直接交渉して、拉致問題について話し合うのだということを何度も繰り返して話していますけれども。そういう意味では、拉致問題、おそらくベトナムでの接触があったとしたら拉致問題は当然、議題になっていると思うのですけれども。拉致問題を解決するためのこうした非公式接触ということについては、外交の常道としてアメリカにいちいちこういう接触を報告するべきものなのか、あるいは日本は日本で、水面下でやったことをあとで報告すればいいという感覚なのか、そのあたりどういうものなのですか?」
薮中氏
「それはアメリカとの信頼関係というのは大事だと。これまで拉致問題も、トランプさんにいろいろお願いごともしたわけですから、そういう関係はあると思いますけど。ただ、いちいち全部アメリカで事前に言っておかなければいけないのかと、そういうことではないと思います。それで信頼関係が失われるような類の話ではないだろうと。日本もよくやっているな、そのぐらいでアメリカも見ている人が多いのではないかと思いますよ」
松山キャスター
「平井さん、仮にベトナムでの日本と北朝鮮との接触が行われていたとしたら、どういう成果が現在の時点であると考えられますか?」
平井氏
「私も日本政府は様々なルートでそういう非公式接触はすべきだと思いますし、かつて外務省は非常に定期的に水面下で交渉をやって、そのことはすごく意味があって、ストックホルム合意はその結果として出てきたものだと思うんですね。今度も、ですから、そういう接触をしたこと自身は非常に良いことだと思います。ただ、ちょっと残念ということではないのですけれども、出てきた北朝鮮側の人物が、金聖恵さんという方が、この方は、非常に金正恩委員長の妹さんとも割と近いですし、トップに意見をつなげることのできる人なのですが、日本問題をやっている人ではないですよね。長く韓国を、台南担当をずっとやってきた、韓国に対しては非常に詳しい方です。その方が急にこのアメリカとの交渉が始まって、彼女のボスが金英哲さんという党の統一戦線部ですから、自分の上司が対米関係をやることになったので、対米関係にもコミットされている方なのですけれど、日本の担当者ではないので、そういう意味で、果たして向こうは彼女を出してきたわけでしょうけれども、そこで十分な、彼女を相手にして、たとえば、拉致問題や、対日関係の問題で十分な議論になるのかなというのが、ちょっと疑問を持っている。だけども、接触自身は非常に意味があることだと思うので、いろいろなルートでいろいろな水面下の接触があった方がいいとは思います」
松山キャスター
「佐藤さん、そのあたり、ベトナムでの接触、まず実際に会った可能性というのはあるのですか?」
佐藤議員
「はい…、そこは菅房長官がいちいちコメントしないと言ったことに尽きますけれども。ただ、日本も主権国家ですから当然、日本の国益、まさに核・拉致・ミサイルを解決すると言っている以上はいろいろな動きがあるのが当たり前であって、報道の1つ、1つにはコメントはしませんが、主権国家である以上、当然、情報活動もやれば、あるいは今回非核化に向けての日本ができる1つとして現在、瀬取り対応という、まさに北朝鮮の安保理の制裁逃れというものの1つに瀬取りと言われていますね、そういうものに対する取り組みとか、やることはいろいろありますから。だから、日本の、主権国家としてやるべきことをいろいろやるということが基本だと思います」
松山キャスター
「まさに瀬取り、海上での北朝鮮の燃料の密輸です。そういったことも現在、焦点になっていますけれども、今回、ワシントン・ポストの報道で浮かび上がった、仮に接触があったのかどうか、そのあたりは明確にはわかりませんけれども。ワシントン・ポストの記事によると、いわゆる外交ルートではなくて、今回は、日本側は北村情報官、内閣情報調査室ですね、内庁のトップの方と北朝鮮側は統一戦略室長の金聖恵さんということで、いわゆる情報担当者ルートみたいな接触が行われたのではないのかという見方が出ていると。片や、アメリカは北朝鮮との一連の会談をセッティングしたのは、これもCIA(中央情報局)などの情報ルートでセッティングしていたという話がずっとありました。ポンペオさんももともとCIAの長官ですけれど、情報当局だけでこういう接触をはかっていくというのは、日本の外交の中でもこういうルートというのはアリなのですか?」
佐藤議員
「議員外交もあれば、当然政府外交もありますから、いろいろなルートは当然あるのでしょう。ただ、今回について言えばコメントはしませんけれど、当然いろいろなルートで外交はやりますし、民間レベルの外交もありますし、これまで北朝鮮外交でも、いろいろな外国官以外の方を間に入れた交渉というのも当然あったでしょうし、いろいろなことがたぶんあるのだろうというふうには思います」

佐藤正久 外務副大臣の提言:『圧力・瀬取り対処』
佐藤議員
「国連制裁や独自制裁の圧力を継続して、北朝鮮を交渉のテーブルにもう一度戻すということ。プラス特に制裁逃れが顕著な、油を洋上で船から船へ移し替えるという瀬取り、これを止めることが北朝鮮にとって非常に効果的な制裁の1つでありますから、ここの協力を多くの国と連携しながら、もう一度強化をすると。現在は再度、圧力を強化する時期だというふうに思います」
松山キャスター
「トランプ大統領本人もツイッターでそういうことを言い始めました」
佐藤議員
「はい。まさにボルトン補佐官もポンペオ国務長官も若干、圧力という部分に舵を切りかけておりますから。日本も同じように、これまで以上に、この特に瀬取り対策、これは日本がリードしていますから、これは強化していくべきだと思います」

薮中三十二 元外務事務次官の提言:『ぶれず 時に大胆に』
薮中氏
「まさにそういう意味で非常に大事な日本の出番だと思います。だから、ここで『ぶれず 時に大胆に』と書きましたけれども、ぶれずというのは非核化をちゃんとやっていくのだと。当然、日本については、拉致問題の解決と、この2つですね、これについてしっかりとやっていくのだと。それはアメリカでも言わなければいけないと。いちいちのことにあまり右往左往しないで、きちんとぶれずに。時に大胆に、と言いましたのは場合によっては、それは終戦宣言、それでやろうではないかと、その代わりこれを獲るという、具体的な取り組みをしてほしいと思います」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『持久戦覚悟』
平井氏
「よく北朝鮮が時間稼ぎをしていると言うのですけれども、現在、時間は北朝鮮の方がないと思います。と言うのは、経済制裁というのがかなり効いていて、今年の貿易はおそらく3分の1ぐらいになるでしょう、昨年の。ドンドン厳しくなりますから、経済的にも時間的余裕がない。それと現在の北朝鮮の相手をしているのはたぶんトランプ政権以外にないですよ。共和党になっても民主党になっても本当に外交の相手をしてくれない。そうすると、このトランプ政権の間に体制の保証をとらなければいけないです。ですから、時間は北朝鮮の側にはむしろないのではないかと思うので、ちゃんと全部を解決するのは非常に時間がかかると思います、ですから、持久戦覚悟で、しかし、非核化を貫くのだという姿勢を貫いていけば、北朝鮮側がある程度妥協をせざるを得ない状況が生まれてくるチャンスはあるのではないかと思います」