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2018年8月29日(水)
『安倍×石破』対決へ 自民党総裁選の行方は

ゲスト

稲田朋美
清和政策研究会(細田派)自由民主党衆議院議員
鴨下一郎
水月会(石破派)会長代理 自由民主党衆議院議員
山田惠資
時事通信社解説委員長

『安倍×石破』一騎打ちへ 『自民党総裁選』の行方
斉藤キャスター
「今日のテーマは9月7日告示、20日に投開票が行われる自民党総裁選です。26日に安倍総理が3選をかけた出馬を表明。先に出馬表明をしていた石破元幹事長との一騎打ちになる見通しです。事実上始まっている総裁選が投票日までどう展開するのか、両候補の政治姿勢や政策などから展望していきます」
松山キャスター
「山田さん、今回、安倍さんが出馬を正式表明した場所なのですけれど、鹿児島で行いましたよね」
山田氏
「ええ、うん…」
松山キャスター
「これを鹿児島でやったことの意味、これは?」
山田氏
「これは非常に戦略的なものを感じるというか。当然、選挙戦略としては、私はある意味で真っ当かなと思うのは、これは2012年の、6年前の総裁選挙の時に、ここでは石破さんと安倍さんの得票数は石破さんの方がかなり上まわっていたところで。いわゆる地方票の数で言うと1対3ではなかったかと思うんです。つまり、安倍さんが負けていたところですから。そこで狼煙を上げるというのはむしろ安倍さんがそこを選ばれたというのは、これはそうなのだろうなというふうに思いました」
松山キャスター
「桜島をバックに、現在の大河ドラマのロケ地みたいな形でやっていましたけれども」
山田氏
「ええ。そのへんのところも戦略の1つかなというふうに言う人がいますけれど、私もそうではないかなと思いますね」
松山キャスター
「まさにその出馬表明の内容について、ちょっと見ていきたいと思うのですけれども…」
斉藤キャスター
「総裁選に立候補する理由についてこのように話しています。『今こそ少子高齢化、激動する国際情勢に立ち向かい、次の時代の新たな国づくりを進めていく準備は整った。この思いで昨年総選挙に打って出ました。そして国民の皆様から大きな支持をいただいたのは僅か11か月前のことであります。この国民の皆様の負託に応えていくことは私の責任であります』と話されました。安倍さんはこの『僅か11か月前に国民の信任を得たんだ』と話していたわけですが、鴨下さんは、これはどう思われますか?」
鴨下議員
「もちろん、安倍総理の決断で解散・総選挙を打たれたわけですけれども、300小選挙区で皆が必死になって訴えて、それぞれが勝ち上がってきたわけですから、自民党全体で信任をいただいたということで安倍総理だけが信任をということとは違うのだろうと、こういうふうには思います。ただ、自民党としての責任という意味においては、国民の皆様の負託に応えるという意味では、誰が総裁になってもしっかりと責任あるというのは当たり前のことだと思います」
松山キャスター
「稲田さんはどうですか?」
稲田議員
「鴨下先生もおっしゃったように、昨年の総選挙、安倍政権の成果ですとか、あと国難とも言うべき状況にしっかりと立ち向かっていくということを訴えて、選挙で皆勝利して帰ってきたということがあります。そういった意味において、リーダーシップをとって選挙を戦ったのも安倍総理でいらっしゃいますのでこれからもその責任を果たしていくという決意の表れではないかと思います」
松山キャスター
「この安倍さんの発言から類推できるのは、アベノミクス、経済政策であるアベノミクス、安全保障政策、一連の政策が全て支持された、そのうえで現在の政権が成り立っている、だから、その政権を続けていくべきだと、そういう意味というふうにとってよろしいのですか?」
稲田議員
「全てというか、この厳しい国際情勢の中で、激流の川を渡っているような時ですよね。その時にリーダーを変えるべきではないという考え方もあろうかと思いますし、アベノミクスもいろいろまだまだ課題はありますけれど、着実に一歩ずつ前進をしていることもあるかと思います。そういった、今後の責任ということもおっしゃっているのではないかと思います」
松山キャスター
「山田さんはこの安倍総理の鹿児島での正式出馬表明の発言をどういうふうに?」
山田氏
「これは『国づくり』ということをおっしゃっているわけですね。でも、憲法については一言もこの中では全体で触れられなかったわけです。と言うことは、安倍さんは自分を応援しておられる保守層の方、これは改憲の方がたくさんいらっしゃいますから、安倍さんは、その人達に向けては改憲論を強くおっしゃる、党内向けには。しかし、今回はむしろそうではない、たとえば、党内でも安倍さんよりは憲法改正より他のことに関心がある方もたくさんいらっしゃる、あるいは選挙民の中で無党派層の方もいらっしゃって、その方々も、まさに昨年の衆議院選挙で自民党に多くの方が投票されていますから、簡単に言うと、憲法にあまり関心のない方に対するバージョンとして…」
松山キャスター
「第一声として…」
山田氏
「ええ、第一声として今回は発せられたなという意味で、そこに安倍さんのまた選挙戦略が非常に浮かび上がったと。おそらくこれから投開票までの間、そういったことを巧みに使い分けながら安倍さんは票を増やそうという努力をされるのだろうということも今回の出馬表明で私は読みとりました」
松山キャスター
「なるほど。まさに今後どういう戦略を持って両候補がやっていくのかということを考えるうえで、まずその日程を見ていきたいのですけれども…」
斉藤キャスター
「9月7日、告示日に所見発表演説会や共同会見が開かれます。その後に討論会が1、2、3回、演説会が1、2回開かれます。20日に投開票が行われる予定ということです。石破さんは総裁選の期間中に政策テーマごとに討論会をもっともっとやりたいと話していましたが、これを見ると3回だけですよね。鴨下さん、これは納得していると思いますか?」
鴨下議員
「総裁選というのは議員のため、自民党のため、党員のためだけでありません。最終的には総理を選ぶ選挙ですから。アメリカの民主党と共和党のあの大統領選のような、あまり足の引っ張り合いはよくないですけれど、テーマ別に、たとえば、憲法とか、社会保障とか、今後のアベノミクスの行方についての経済政策とか、それから、トランプさんとの距離感とか、こういうようなことについては、国民の皆さんが、ああ、こういう考えもあるんだということがわかるような、討論会と言いますか、ディベートと言いますか、そういうのを、それぞれ機会を見て何回でもやってもらいたいというのが総裁選の本来の意味なのだろうと思います」
松山キャスター
「稲田さんは、討論会が3回設定されているということで、石破さんはこの3回という設定回数については『討論会を少なくする意味がよくわからない。総理が言う骨太の議論ということに反するのではないか』という発言もされていますけれども、そのあたりどう受け止めていますか?」
稲田議員
「そうですね。まずこういった日程、選管がお決めになったことでもありますし、私が何か言う立場ではないです。ただ、現職の総理でもいらっしゃるので選管もいろいろ過去の例を勘案しながら決めたのだと思います。あと海外の出張もおありになりますし、6年前の野党時代のような総裁選ということではないと思いますけれども。ただ、国民の期待に添えるような議論をしっかりやるべきだと思いますし、この討論会のみならず、ネットを通じてとか、いろいろな方法もあるでしょうし。あと総裁選にしてもそうだし、選挙は、国民・有権者との対話なので、総裁候補のみならず、その陣営の国会議員、地方議員も含めて、しっかりと我が党の政策を党員、国民の皆さんに訴える良い機会だとも思います」

『正直、公正』の波紋
斉藤キャスター
「さて、2人の候補が、総裁選で何を訴えるのかということですが、2人はこのようなスローガンを掲げています。安倍総理のスローガンは『責任、実行。平成のその先の時代へ』、一方の石破元幹事長は『正直、公正、石破茂』です。実はこの石破さんの『正直、公正』というキャッチフレーズ、物議を醸しました。というのも今月の21日、石破元幹事長への支持を表明している竹下派の吉田博美参院幹事長が記者会見で『正直、公正』という、石破氏のキャッチフレーズについて『相手を個人的なことで攻撃するのは非常に嫌悪感がある』と批判しました。この指摘を受けて、石破元幹事長は25日、『人を批判するつもりはまったくないが、そう捉えられる方がいるなら、変えることがあるかもしれない』とスローガンの変更を示唆しましたが、今度はその2日後の27日、記者団に対して『政治家になって以来、心がけてきたことだ。これを変えることはない』『今後の政策論争ではスローガンは当然変わる』と変更を否定して、このあとも今度は当然変わると、ちょっとコロコロと変わってきてしまっているんですね。鴨下さん、石破さんは結局このスローガンをどうされるのでしょう?」
鴨下議員
「コロコロ変わるわけではなく、最後のスローガンが変わっていくというのは、これは政策で、たとえば、憲法の問題とか、それから、経済の問題という、こういうようなことでのスローガンが
「『正直、公正』の上に乗ってくる、ということですから。これは最初の話は政治信条ですから。私は、石破さんとはもう10年以上お付き合いをさせてもらっていますが、何が石破さんの特長かと言ったら、正直の上に2文字つくような人ですし、それから、我々一緒に仕事をしている人間も、そうでない人間も、同じように扱うという意味で、私はむしろちょっと違うのではないかと思うくらいのところもあるという、こういうところがあの人の特長ですから。だから、その特長を言ったということに過ぎなくて。何か他のことを意識してというふうにお考えになる人もいるかもわからないけれど、それは当たらないというふうに思っています」
松山キャスター
「最初に『正直、公正』という言葉に対して若干、釘を刺した参議院の吉田幹事長ですけれど、石破派以外では唯一派閥として石破支持を表明した参院を中心に竹下派が支持をするということで、それを表明した参院の責任者でもあるわけですけれど、ある意味、身内の中からこういう苦言が呈されるということになったわけで、これは若干足並みの乱れが見えるのかなという印象もあるのですけれど。そのあたりは、鴨下さんはどういうふうに見ていますか?」
鴨下議員
「いや、それは政治信条として、貫くという意味においては、参議院の平成研の皆さんも、ご支持いただいている方々は、理解してくれているというふうに思います。それは別にどなたかを攻撃するとか、こういう趣旨で言っているわけではありませんので。そこのところは国民の皆さんに石破さんが積極的に何を訴えたいか、自分はどういう政治姿勢でありたいか、こういうようなことに尽きますから。是非、ストレートに受け止めていただきたいと思います」
松山キャスター
「なるほど。稲田さんはこの『正直、公正』という言葉自体なんとなく安倍さんに対する個人攻撃ではないかという意見が出てくると。その背景には、たとえば、森友・加計をめぐる問題とか、そういった意味で、それまで正直、公正でなかったという前提のもとでの議論ではないかという意見が出ているわけですけれども。稲田さん自身も日報問題などでいろいろ説明する機会があったと思いますが、そういう政治状況をつくり出してしまったという先の国会までの状況、これについてはどう振り返っていますか?」
稲田議員
「そうですね。国民の皆さんに疑念を抱かれていることに関しては、もう徹底的に説明責任を果たすということに尽きると思いますし、総理はよく説明をされていると思います。私自身に関しては本当に国権の最高機関の国会の場での答弁がやや慎重さを欠いていたという点について、それは深く反省していますし、その点、総理も粘り強く一生懸命よく答弁をされているというふうに思います」
松山キャスター
「そういったその説明責任については、安倍総理はこの総裁選、また、総裁選のあとについてもきちんと説明責任は果たしていくべきと、そういう考え?」
稲田議員
「そうですね。国会でそういった本当に国民の皆さんの疑問についてはしっかり答えられるべきだと思いますし、あと財務省が、森友の問題であれば、不当な値引きではないということを現在も説明はしてきていますけれども、徹定的に説明をすべきだというふうに思います」

『政策』の違いと『戦略』
斉藤キャスター
「安倍総理、石破元幹事長ともに、ビラで政策を発表しているんです。どんな違いがあるのかというのを、政策を比較していきたいと思います。まず2人が1番目に掲げているこの経済政策について見ていきましょう。安倍総理は『アベノミクス3本の矢によってデフレ完全脱却』『GDP600兆円』を実現するとしています。一方の、石破元幹事長ですけれども『ポストアベノミクスを展開して現行の成長戦略を見直す』としています。と言うことは、この現行のアベノミクスを問題があるというふうに石破さんは捉えていると、鴨下さん、捉えていいのですか?」
鴨下議員
「アベノミクスと言っても、もう5年半になるわけですから。私は最初の2年ぐらいは、本当にすばらしい政策だったというふうに思います。特に異次元の金融緩和、それから、機動的な財政出動、これによってデフレについてはトンネルの先に光が見えたというような意味においては非常に株価にも、あるいは為替にも良い影響があって、国内の企業も息を吹き返したと、こういうようなことなのだろうと思いますけれど。私はもともと医者だったので、ああいう政策というのはカンフル注射のようなもので、一時、血圧が下がったところに、血圧を上げる薬を使うけれど、基礎体力をつけるというようなこととはまた別の話でありますから。ですから、根本的な成長戦略、こういうことを、もっともっと積極的に本来、この5年間でやるべきだったと。一部、たとえば、インバウンドだとか何かで、観光客が増えたとか、成果も上げておりますけれど。これから先、たとえば、中小の金融機関だとか何かが、低金利で喘いでいますし、それに伴って地域の小さな中小零細の企業が非常に苦しむところも出ている。こういうことについて、もう一度見直すべきところは見直す時期にきたのかなと、こんなことを思っています」
松山キャスター
「石破さんは現在、一生懸命、地方をまわって、党員票獲得を目指しているのだと思いますけれども、地方の声をいっぱいずっと聞いてきたと言われるわけですけれども。地方の声の中でアベノミクスに対する批判というのがどれぐらいあがっているのか、そのあたり実感としてはどうですか?」
鴨下議員
「私は東京ですから、多少利益相反がありますけれども。東京は豊かになったけれども、地方に届かないと、こういうようなことの怨嗟の声があるということと。あと場合によりますと、たとえば、地方でも非常に成功モデルもありますから、こういうものをどういうふうに横展開していくかということにもっともっと力を注がなければいけないと、こういうことですし。あとは金融政策も、このままあと3年続けるのだろうかということについての、いわばいろいろな疑問もありますので。良い機会ですから、総裁選で、アベノミクスの総括と、それから、今後みたいなことについても2人が議論してもらいたいと思いますし。安倍総理がやってきたことは非常に成果を上げました。ただ、これから先、あと3年間、成果を上げ続けられるかどうかということはもう一度、総理も説明責任を果たすべきだと思います」
松山キャスター
「鴨下さんから、このまま金融緩和とか、その路線を続けていけるのかどうか、これから先が問われているという意見がありましたけれども、そのあたりはどういう?」
稲田議員
「そうですね。3本の矢の中で3番目の成長戦略ですね。私も規制改革担当大臣もやっていましたので、3番目の成長戦略というのはまだまだやることはあるというふうに思います」
斉藤キャスター
「石破さんが2番目に、安倍さんが3番目に掲げている地方創生です。安倍さんは『農林水産業の改革』『中小・小規模事業者の生産性革命』『訪日観光客4000万人の実現』を掲げています。一方の、石破さんはというと『地方で成長と豊かさを実感』『大都市の豊かさが地方に波及するという発想を転換』『地方創生を担う人材や政策機能の確保』としています。安倍政権の地方創生政策には、鴨下さん、問題があるというふうに捉えてよろしいのですか?」
鴨下議員
「いや、安倍内閣の下で石破さんは地方創生大臣もやりましたし。そういう意味で言うと、我々皆で5年間、一生懸命、アベノミクスも支え、なおかつそれぞれができるところでがんばってきたわけであります。ですから、この政策の違いというのは、こちらから見るか、あちらから見るか、というようなことの違いだけで、本質は、私は変わっていないと思います、この両方はですね。ただ、これから先、地方の方々が本当に、あぁ、経済が豊かになってきたとか、それから、新しい企業もおきてきたとか、こういうことをしていくためには相当、いわばエネルギーを地方のそういう発展に傾注していかなければいけないと。こういうような、いわば覚悟と言いますか、そういうのを総理、石破さん、どちらがお持ちなのかということの差だけの話で。方法論は、私はそんなには変わらないと思います」
松山キャスター
「安倍総理は第2次政権発足直後はアベノミクスの1つの考え方として、いわゆるトリクルダウンという考え方を示していましたけれども、その方向だけでは限界がきているということを石破さんは主張されたいということなのですか?」
鴨下議員
「アベノミクスは道半ばだというふうにおっしゃる方もいますから、これからトリクルダウンが起こるのかもわかりませんけれども。でも、実際には経済が仮に言えば2%成長になっても本当に地方にそういう豊かさが滴り落ちていくかということについては、皆さん、そろそろ疑問を持ち始めましたので。政策を思い切って転換して、トリクルダウンではないボトムアップの、そういう産業政策だとか何かをどう打っていくかということは、これは総裁選でおおいに議論してもらいたいと思います」
松山キャスター
「聞いていると鴨下さん、石破さんの考えを類推して話されていると思うのですけれども。稲田さんはそういう話を聞いて、どちらかと言うと、石破さんは地方をまず改革するというトーンが安倍さんよりも強いような気がしますけれども、安倍さんの地方への思い、地方対策、こういった発表された内容を見て、意気込みをどういうふうに感じていますか?」
稲田議員
「うん、自民党は地方の党ですね。地方に、私もそうですけれど、地方に非常に応援する方もいらっしゃって、地方を非常に大切にしているのが自民党だと思います。なので、私は総理も地方創生を非常に大切にされていますし、トリクルダウンという発想は、私はされていないと思いますよ。福井に来られた時も企業を視察されて、その地方、福井だったら繊維産業が金属よりも軽くて薄い炭素繊維を開発して、それが航空機のエンジンの中に使われているとか、地方の特性を活かして、それで新たなものに挑戦をするという、そういう地方の創生ということをあと押しされているので。私は総理と石破さんが地方の重視の仕方で変わりがあるというふうには感じていません」
松山キャスター
「鴨下さん、そのあたり、安倍総理と石破さんはそれほど違いがないという稲田さんの意見ですけれども?」
鴨下議員
「自民党そのものが全国からそれぞれ代表が出てきて党が成り立っているわけですから、そういう意味で言うと、皆、地方のことを重視するという意味においてはその通りです。ただ、安倍内閣の最初の時の、マクロ経済政策だとかも含めて、金融政策も含めて、これで地方も豊かになるというようなことがこの5年半過ぎて、この方式でいいのだろうかどうかということは1回立ち止まって考える。あるいは所得の再配分的なところを、地方のがんばっている方にどういうふうに傾斜配分するかどうかと、こういうようなのも、税だとか、予算だとか、規制緩和だとか、いろいろなことで知恵はたくさんあると思います。そういうもののどこに重点を置くかということを、我々は石破さんはより地方に思い入れが強いと思っておりますので、そういうようなことを表現してもらえたらなと」
斉藤キャスター
「2人の政策で気になるのは憲法改正ですね。安倍総理は、自衛隊の明記、教育無償化など4つの項目の憲法改正案を、次の国会に党の改正案として提出すると強い意欲を示しているわけです。一方の石破元幹事長ですが『他党との丁寧な議論を積み重ねながら、国民の理解を得つつ真正面から向き合う』としています。安倍総理の憲法改正に対する姿勢、稲田さんはどう受け止めていますか?」
稲田議員
「総理、憲法改正ということは第1次安倍内閣から国民投票法も成立をさせて、自民党の党是でもありますので、この自主憲法の制定というのは。歴史的なチャレンジということで、その決意で臨まれているというふうに思っています」
松山キャスター
「安倍さんは憲法9条の2項を残したままでの自衛隊明記というのを1つの案として示されていますけれど。一方で、石破さんは自身の考えとしては、9条2項は削除した形で自衛隊、あるいは国防軍という形でしっかりと明記すべきだということを言っていると、ここの議論が、今回の総裁選できちんと総裁選の大きなトピックとして議論すべきなのか、あるいはもっと先を見越して長い議論をした方がいいのか、そのあたりを稲田さんは?」
稲田キャスター
「そうですね。本当に明確に9条2項を削除するのか、それとも置いておいて自衛隊を国防軍にするのか、という大きなそこは差があります。その差は、集団的自衛権をフルで認めるのか、それとも9条2項があるということは平和安全法制で認めたような、限定的な、非常に自国が攻められるのと同じような場合に限って集団的自衛権を認めて、でも、自衛隊は違憲ということは誰にも言わせないというのが総理の案ですので。そこは明確に違っていると思います。あと石破先生のご本も読ませていただきましたが、自分が思っているような憲法改正ができるのであれば、それができれば、議員を辞めてもいいとか、集団的自衛権、また憲法に対する姿勢が当時の河野洋平総裁が憲法を棚上げにしたので離党したのだということを、非常にもう熱意を込めて書かれておられますので。自民党の総裁選ですから、この党是の憲法をめぐる議論はしっかりやるべきだと思います」
松山キャスター
「鴨下さん、このあたり石破さんは、安倍総理が今回の総裁選前にこの憲法改正議論を前面に出すことに若干異論を唱えていると言うか、もう少し時間をかけて議論した方がいいのではないかと訴えているように聞こえるのですけれども、このあたりの立場の違いというのはあるのですか?」
鴨下議員
「安倍総理が、次の国会に自民党案を提案したいと、こういうふうなことをおっしゃっていましたけれど、私はまだそういう意味では十分に合意形成ができていないというふうに思います。特に友党である公明党さんも含めて、3分の2の勢力がなければ、国会内での発議もできないわけですから。このような意味においては、スケジュールが先行して拙速になっていくというのは非常に危惧します。加えて、石破案というふうな話がよくありますけれども、もともと自民党が野党の時に、自民党の憲法改正草案というものをしっかりと議論して積み上げてつくったものです。その中には稲田先生がおっしゃっていたような、国防軍というような名前で明記されていますけれども、それの裏腹には、シビリアンコントロールをどうするのか、しっかりと、それも制度的に位置づけようという、こういうふうなことも含めての自衛隊、あるいは軍隊として考えるのか、こういうようなことについてまだまだ議論は尽くされていないと思いますので。ただ9条の3項に自衛隊を明記すれば、自衛隊が100%合憲になるという話とはちょっと違うような気がしておりまして」
松山キャスター
「まさにその憲法改正については、世論調査でこういう結果が出ているのですけれども。今回の総裁選で争点として議論してほしいことは何ですかという質問に対して、いろいろな政策を挙げてもらったのですけれども、その中で社会保障政策とか、経済・財政政策が上位に挙がっていますが、憲法改正については全体の9.8%と比較的低い数値になっていまして、順位で言うと5番目です、5位に位置しているということで。鴨下さん、これを見るとまだ国民の間で今回の総裁選で憲法改正だけを前面に打ち出して議論することに対する期待感はそんなにないのかなという気がするのですけれども」
鴨下議員
「社会保障政策、経済政策は国民にとっては非常に、いわば密着した問題です。それで憲法についても、安倍総理は1つの政治信条として、信念として、たとえ国民の皆さんの一部に反対があってもたじろがないというようなこともおっしゃっておりますので。時の総裁が、憲法を一番、優先順位を高いものにしようと、こういうご判断するのは1つの考えだとは思う。しかし、それが国民の皆さんのトータルの、いわば優先順位と違った時に、さて、どうなのかと、こういうことも含めて、自民党は考えるべきだと思います」

カギは地方の党員票か?
斉藤キャスター
「自民党総裁選では、党員票が重みを持つ仕組みになっているんですね。1回目の投票で国会議員票と党員票、いわゆる地方票がそれぞれ405票ずつ、合わせて810票をめぐる戦い。過半数に達しない場合は、決選投票が行われるということです。今回は一騎打ちになる見通しということなのですが、現時点でどういう得票数の攻防になると、山田さんは思われますか?」
山田氏
「地方票が、どれだけ獲れるかということなのですけれども。現在の支持率では、安倍さんの支持率、つまり、次の首相にふさわしい人ということで安倍さんがややリードですけれど、ほぼ互角と言ってもいいかもしれません。自民党の支持層に限れば安倍さんがリードしているけれども、党員の方がどう見ているかというのは、これはまた別の次元があって。もっと拮抗しているという見方もあります。405票、今回は、前回と数が増えただけではなくて、全国集計でこれを数えるわけですね。ですから、死に票も少ない。一騎打ちになりましたから、そのへんのところは同じかもしれない面があるのですけれども。いずれにしても、この405票のうち、どこまで議員票の劣勢を石破さんが盛り返せるか、簡単に言うと私は3割以上を獲らなければ石破さんとしては厳しい。しかし、4割から5割に近づいていくと、たとえ選挙で負けても地方で200票近く獲るということになりますと、議員票が現在8割は安倍さんではないかと見られていますので、そうすると、270、280ぐらいまでいくかもしれないと。上限が270、280までいけば、石破さんとしては選挙で負けても次につながる形になると。逆に、安倍さんはそれだけは何としても回避したいと。つまり、石破さんを叩き落としたい、そこの攻防だと思いますね」
松山キャスター
「今回の総裁選では、前回、石破さんも出ていた2012年の総裁選の時と比べ、党員票の比率について変わりがあったということなのですけれども。これは党員票を重視しているという話がよく出ますけれども、どういう違いが出てきているのですか?」
山田氏
「現在そもそも党員の数が増えているということもあります。前回は各選挙区にそれぞれの、もともと党員票が割り当てられていて、その中で、ドント方式で分けていましたけれども、今回は全体の数でいきますから、まさに何票を獲ったということと、この党員票がパラレルになるということになりますから。そういう意味では、党員票の威力というのは増える。単純に前回は、前々回ですか、2012年は議員票の方が197しかなかったので、少なかったので、数だけ見るとむしろ前回の方が、地方票が重かったように見えますけれど、今回はダイレクトにそれがつながりますから。私は党員票の行方というのは非常に重要、重要と言うか、…やっきになるのはわかるということです」
松山キャスター
「あともう1つは、前回は、決選投票は国会議員票だけで争ったということで、そこで石破さんが逆転…」
山田氏
「ええ、逆転になりました。でも今回は1回で決まれば、国会議員票ということは決戦にはならないわけですけれど。ちなみにもし3人以上であれば、今度は、決選投票でも地方票が重視されるという状況がありましたから、それを見越して早くから地方票対策を安倍さんが打ってきたという面があるのは事実ですね」
松山キャスター
「先ほど、山田さんが話されたように、世論調査の結果を見ると、総裁に誰がふさわしいかということでは、全国一般で見ると、安倍総理と石破元幹事長、38%、39%ぐらいと、35%ぐらいということで、そんなに差はないように見えるのですけれども。自民党支持層に限った場合だと、安倍さんが66.4%、石破さんが21.8%ということで、トリプルスコアに近い差がついているという状況ですが、鴨下さん、こういう世論調査の結果を見ると、なかなか自民党、自民党支持者がそのまま自民党員とは限らないわけですけれども、ただ、党員票でもかなり、石破さんが相当数の党員票を獲るというのはかなり難しい道のりのような気がしますけれども、どうですか?」
鴨下議員
「自民党支持層の属性といいますか、それと、それから、党員の皆さんの考え方というのはかなり違います。私は経験則から言うと、ほぼ、国民世論の支持と党員の方々の投票行動というのはまったくパラレルに動くというふうに思っていますし、前の時に、党員の中の世論調査のようなものをやられたところがあって、それで見ると、民主党支持者というのも何人もいるという。こういうようなことで国民の皆さんの考え方と党員の皆さんの考え方というのはほとんど一緒だと私は受け止めていて。そうなると、これから総裁選が佳境になっていくわけですけれど、そういう時に、どっちを応援しようという国民の世論のうねりが、どっちに向かうかということに、党員投票というのは非常に影響を受けるというふうに思っておりますので。まだまだこれからだろうというふうに思います」
松山キャスター
「これは派閥ごとの支持の状況ですけれども、大きな主要な派閥は安倍総理支持を既に打ち出していて、石破支持を明確に出しているのは自身のグループの石破派と、竹下派の参議院を中心としたグループということで。あと、それ以外の無派閥とか、他の派閥からの何人かこぼれる部分を何とか拾っていこうという戦略だと思うのですけど。稲田さんは、2012年の時の総裁選は石破さんにかなり地方票が流れたという状況がありましたけれども、今回、安倍総理は現在、地方を一生懸命まわっていますけれども、今回は安倍総理、地方票・党員票とれぐらい獲れると踏んでいますか?」
稲田議員
「先ほど来、お話がありますように、自民党支持と党員とはまた違うというのもそうだと思うんですね。党員であるが故に非常に厳しい目で見ているということもあると思います。私は、選挙はドブ板が基本やと思っていますので。総裁選でもどれだけ多くの党員の皆さんに、総理もそうですけれども、安倍総理支持の国会議員がどれだけ多く会って、話をして、理解してもらえるかにかかってくるのではないかなと思っています」

稲田朋美 清和政策研究会 自由民主党衆議院議員の提言:『多様性』
稲田議員
「『多様性』ということです。私、自民党、思想は様々多様ですし、保守政党でありますが、保守というのは、私は多様性を認めることだと思うんですね。人が人として尊重される、そしてその個性を発揮してがんばっている人を支援できるのが保守だと思っておりますので。多様性という言葉を書かせていただきました」

鴨下一郎 水月会会長代理 自由民主党衆議院議員の提言:『国民の信頼』
鴨下議員
「『国民の信頼』ということを新しい総裁は全力でがんばってもらいたいと、こういうふうに思います。全ての政策、国づくりというのは国民の皆さんから信頼されてこそ実現できる話ですから、新しい総裁にはがんばってもらいたいと思います」
斉藤キャスター
「山田さん、いかがですか?」
山田氏
「安倍政治に対する批判の中にはこの多様性に対する、その対応がやや排他的な方に振っているのではないかという見方がありますので。そこを今回の総裁選挙のあと、どのように示していかれるかという意味だと思うのですけれども。私は、むしろ安倍支持の側から出た言葉として、やや新鮮な感じがするのですけれども」
松山キャスター
「なかなか言いたいことが言えない、ということをよく言われることがありますけれども」
山田氏
「国民の信頼というのはまさに支持と不支持がずっと逆転してきた根本的な部分だと思いますから、ここは新総裁、安倍さんが続投すれば特に重要なところだと思います」